ある日曜日、観劇を終えて市民ホールを出ると、広い芝生を渡ってきた風が、体に染みついた歌の残り香をぬぐい去ってくれる。遠くから野球の歓声が聞こえてくる。ぱったりエッセー仲間と会った。「この前のエッセーすばらしかったですね」。褒められて、なにやらうれしかった。「あなたこそA液にB液をそそぐと、どうにかっていう話、あれ良かったですよ」
二人とも手持ちぶさた。のどが渇いてベンチでちょっとティータイム。自販機のコーヒーはもうホットに変わっていた。サーッと木枯らしがほおをなでた。冬は、もうすぐそこだ。
鹿児島市 高野幸祐 2011/11/3 毎日新聞鹿児島版掲載
二人とも手持ちぶさた。のどが渇いてベンチでちょっとティータイム。自販機のコーヒーはもうホットに変わっていた。サーッと木枯らしがほおをなでた。冬は、もうすぐそこだ。
鹿児島市 高野幸祐 2011/11/3 毎日新聞鹿児島版掲載