はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

あぁ…

2011-11-22 10:35:38 | アカショウビンのつぶやき


2週間前、突然電子辞書が開けなくなった。
電池交換してもダメ、+-の間違いがないか…
何回もやり直したが、やっぱりダメ。
もう6年使ったし、寿命かなぁ…。

ずーっと前から、友人が使っている
コンパクトな電子辞書が欲しかった私。
ちょうどタイミング良く壊れてくれた??

とばかり、60%引きの商品をネットで購入し、
ちょっと得した気分になっていた。

ところが…である。

昨日、とあることで、電池のプラス・マイナスを間違えて大失敗した。

あれぇ、電子辞書も…もしかして…。

朝一番
どう処分したらいいのか迷いつつ
文鎮代わりに使っていた電子辞書をチェックをした。

あれほど、入念に電池を入れ替えてチェックしたのに、
完全に間違ってる!

泣きたいやら、あきれるやら(T_T)

またまた、無駄遣い…

更に、夕べから携帯電話もおかしくなった。
ディスプレイが見にくく、どう調節しても大した変化なし。



ああ…

娘にSOS「どうしよう」

娘いわく

「お母さんが主に使うのは、メールとスケジュール管理でしょう。
スマホじゃなく、らくらくほんにしたら…」だって。
これからDoCoMoショップに走ります。
by 落ち込んでいる アカショウビンでした

「誕生日」

2011-11-22 10:04:17 | 岩国エッセイサロンより
2011年11月22日 (火)

   岩国市  会 員   片山 清勝

がんの手術から4日目、誕生日を初めて病院のベッドで迎えた。「もう、祝う年でもなかろう」と思いながら、窓から雲の流れを見ていると、なぜかいろいろ思い浮かぶ。

子どもの頃の我が家は、3世代と父の妹などが暮らす大家族だった。だから毎月のように誰かの誕生日がある。その日は夕食のおかずがひと品増える。家族全員の小さな皿にのせられた紅い蒲鉾。誕生月の者にはそれがひと切れ多くのせてある。 

今考えると、戦後の食糧難と大家族を賄う家計のやりくりの中で、家族皆で誕生日を祝いたい母の素晴らしい知恵だったと思う。ささやかなひと品に込められた家族の絆。そうとは知らず、私は蒲鉾が食べられると喜んでいた。

そんな家族の中で、父と私は誕生日が同じだった。父は50代半ばで急逝した。父の享年を超える日、私は朝から落ち着かなかった。夕食のとき、遺影でしか父の顔を知らない妻が「超えましたね」とひと言。妻も同じ思いをしていたことを知る。その日の晩酌は格別の味だった。

検温に来た看護師から「退院されたら誕生祝いをしてくださいね」と思いもしなかった優しいひと言。思わず顔がほころんだ。すると、窓の外の紅葉した葉の揺れも「早くよくなれ」とエールを送ってくれているように見える。今年もいい誕生日だ。心からそう思った。

父の享年を15超えた。

(2011.11.22 毎日新聞「男の気持ち」掲載)岩国エッセイサロンより転載