はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

ドライブ

2011-11-11 21:31:16 | はがき随筆
 運動会シーズンのドライブはワクワクする。通りすがりの小中学校で運動会を見ること。出来たら山あいの小規模校であること。
 今回は福山まで海岸線を走り岩川のおおすみ弥五郎伝説の里まで、運動会らしい光景に出会わずじまい。
 少子化で学校は統廃合され、小中学校合同の運動会も増え、様変わりした。
 弥五郎伝説の里で和室の広間に「自由にお入り下さい」の張り紙。何組かがお昼寝中。私たちも横になったらウトウト。こんなドライブでもいいな。スッキリ気分で帰路につく。
  垂水市 竹之内政子 2011/11/11 毎日新聞鹿児島版掲載

原爆の絵本を世界へ

2011-11-11 16:45:26 | 岩国エッセイサロンより


2011年11月11日 (金)

   岩国市   会 員   中村 美奈恵

 友人が、オー ストラリア在住の絵本作家、森本順子さんの「わたしのヒロシマ」という絵本を贈ってくれた。

 1932年に広島で生まれた森本さんが、自らの体験を描いたものだ。

 本は幼い彼女の日常から始まる。美しい自然に囲まれた広島。穏やかなタッチが気持ちを和ませる。だが、絵は一変した。1945年8月6日の出来事を境に。

 もがき苦しむ人々、燃え広がる炎。描かれた惨状が先日聞いた被爆体験と重なり、涙が止まらなくなった。

 10月中旬、息子の小学校で被爆者たちが体験を語った。被爆し大けがを負ったこと、救助活動で見た悲惨な光景。じっと耳を傾ける子どもたちに静かに語り掛けた。

 森本さんの願いのこもった絵本は英文でも書いてある。世界中の多くの人たちに読んでほしい。

 私は自分にできることで平和の大切さを伝えていきたい、と思った。

  (2011.11.11 中国新聞「広場」掲載)岩國エッセイサロンより転載