朝、ラジオで伊藤左千夫の「野菊の墓」を聞いた。若いころ感動をもらったことを思い出し図書館で再読した。
自然とのかかわり深い暮らしの中で生まれた幼い愛は家中心の価値観に囲まれていた。そのうえ民子が政夫より年上という不運が重なった。私にはナス採りなどの記憶はないし「初恋」という言葉も死語になっているが、読み進む中で涙を止めるのに苦労した。「母」の号泣は遅れて、この純愛に花を添えていた。
三木露風の「ふるさとの」を6年生で読んだ。思春期入口の彼らに笛の音は届いただろうか。
出水市 松尾繁 2012/1/3 毎日新聞鹿児島版掲載
自然とのかかわり深い暮らしの中で生まれた幼い愛は家中心の価値観に囲まれていた。そのうえ民子が政夫より年上という不運が重なった。私にはナス採りなどの記憶はないし「初恋」という言葉も死語になっているが、読み進む中で涙を止めるのに苦労した。「母」の号泣は遅れて、この純愛に花を添えていた。
三木露風の「ふるさとの」を6年生で読んだ。思春期入口の彼らに笛の音は届いただろうか。
出水市 松尾繁 2012/1/3 毎日新聞鹿児島版掲載