「独善的になったり、社会とかけ離れてはいけない。過去に作り上げた大事なものは残しつつ、改善すべきは改善する」
12日、九州電力の新社長に就任することが決まった瓜生道明氏が記者会見で語った言葉だ。「やらせメール」問題などで信頼が低下した中でのトップ交代。「(創立から)60年かけてつくりあげた信頼が崩壊したのは、つらい」とも述べ、会見でも厳しいやりとりが続いた。政治献金に関しては「献金は一切せず、不透明な関係はつくらない」と述べている。
政治や行政との不透明な関係は、どうなっていくのか。新社長就任を受け、玄海原発のある佐賀県の古川康知事は「熟慮された結果だろう。九電として信頼回復に向けた取り組みをしたいということではないか」とコメントした。一方、川内原発がある鹿児島県。伊藤祐一郎知事も「原発再稼働に向け社内の体制を整える一環と理解しており、信頼回復に努めていただきたい」と同様の談話を出した。
ただし、玄海町民には前社長が取締役に残ることに「看板をかけ直しただけ」「陰の権力が働くことも考えられる」と批判的な意見もある。新社長はトップとしての力量が問われる(引用は13日本紙対社面など)。
◇
中央省庁のトップ交代となる内閣改造が13日、行われた。野田内閣が発足したのは昨年9月。発足直後に鉢呂吉雄・経済産業相が失言の責任をとって辞任。一川保夫・防衛相らが問責決議されるなどして内閣改造にいたった。
野田首相は地味ながら落ち着いたイメージだったが、内閣発足半年足らずの改造で、その内閣の動きには落ち着きが感じられない。消費税アップという大きな課題を掲げるならば、じっくり落ち着いた中で、内容のある議論が必要だろう。
こちらも、トップの力量が問われている。
鹿児島支局長 馬原 浩 2012/1/15毎日新聞掲載
12日、九州電力の新社長に就任することが決まった瓜生道明氏が記者会見で語った言葉だ。「やらせメール」問題などで信頼が低下した中でのトップ交代。「(創立から)60年かけてつくりあげた信頼が崩壊したのは、つらい」とも述べ、会見でも厳しいやりとりが続いた。政治献金に関しては「献金は一切せず、不透明な関係はつくらない」と述べている。
政治や行政との不透明な関係は、どうなっていくのか。新社長就任を受け、玄海原発のある佐賀県の古川康知事は「熟慮された結果だろう。九電として信頼回復に向けた取り組みをしたいということではないか」とコメントした。一方、川内原発がある鹿児島県。伊藤祐一郎知事も「原発再稼働に向け社内の体制を整える一環と理解しており、信頼回復に努めていただきたい」と同様の談話を出した。
ただし、玄海町民には前社長が取締役に残ることに「看板をかけ直しただけ」「陰の権力が働くことも考えられる」と批判的な意見もある。新社長はトップとしての力量が問われる(引用は13日本紙対社面など)。
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中央省庁のトップ交代となる内閣改造が13日、行われた。野田内閣が発足したのは昨年9月。発足直後に鉢呂吉雄・経済産業相が失言の責任をとって辞任。一川保夫・防衛相らが問責決議されるなどして内閣改造にいたった。
野田首相は地味ながら落ち着いたイメージだったが、内閣発足半年足らずの改造で、その内閣の動きには落ち着きが感じられない。消費税アップという大きな課題を掲げるならば、じっくり落ち着いた中で、内容のある議論が必要だろう。
こちらも、トップの力量が問われている。
鹿児島支局長 馬原 浩 2012/1/15毎日新聞掲載