
「唐の国」から渡ってきたので「からいも」。「薩摩の国」から広まったので「さつまいも」と言うのだと教えられた。
大学時代、四国の友人が「つけあげ」を「さつまあげ」と言った。言葉の変化の過程を見た気がした。
東京に住む高校時代の親友に送ると「ちけあげ」とわざとなまり、はしゃいで喜ぶ。
どこか泥くさくて、田舎っぽくてなつかしく、ほっとするふるさと語が好きだ。
「薩摩の子ならやっぱり『からいも』『つけあげ』でなくちゃね」と、娘には私のこだわりを押しつけている。
鹿屋市 伊地知咲子 2012/3/1 毎日新聞鹿児島版掲載