はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

庭で野菜のんびりと

2015-01-09 17:55:52 | 岩国エッセイサロンより
2015年1月 7日 (水)


    岩国市   会 員   山本 一

 わが家の庭の一角に5坪ほどの畑がある。今は大根、水菜、春菊、それにホウレンソウとグリーンピースが小さな芽を出したばかりである。
 毎週の釣りやパソコン、川柳、雑文などの趣味に追われ、畑は必要最小限しか手を掛けない。草で土が見えなくなったら草引きをし、収穫後の整地と再植え付けだけだ。
 肥料は生ごみ処理機のかすを埋めるだけ。無農薬の上、狭いところに10種類がひしめき、当然のことながら連作障害が起こる。
 病気や虫にやられる。時には野鳥の餌にもなり、その年によって出来、不出来が著しい。
 毎年当たり外れがないのがゴーヤーだ。青ジソやパセリ、オクラ、カブは、虫に餌を与えているようなもので、盛期になると急に葉がなくなってしまう。
 あれこれ趣味を抱えた老人の身の丈に合った畑作りのつもりだが、野菜も野鳥も虫も、病気を起こす細菌も、みんな生き物だ。生き物相手は難しい。

    (2015.01.06 中国新聞「広場」掲載)岩国エッセイサロンより転載