はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

読めない年賀状

2015-01-23 16:13:56 | 岩国エッセイサロンより
2015年1月23日 (金)

岩国市  会 員   山本 一

今年も娘2人を筆頭に「年賀状が読めない」という問い合わせが数件あった。きっと、他の人も言わないだけだろう。
 悪筆を少なくしようと近況はパソコンだが、必ず一言は自筆を添える。200枚強を積み上げ、1枚ずつ宛先の顔を思い浮かべながら書く。書き始めると自分の宇が嫌になり、すぐに手が重くなる。さっと書いて悪筆から逃げたくなる。悪筆に乱筆が加わる。殴り書きの様相。「悪筆でも良い、丁寧に書け」とよく言われるが、悪筆が丁寧に書くと、ますます悪筆が際立つ。これはもっと耐えられない。

新年早々、自責の念が渦巻く。

   (2015.01.23  毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩国エッセイサロンより転載