はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

羽ばたけ大舞台へ

2015-01-27 12:30:12 | ペン&ぺん

 「春はセンバツから」――。第87回選抜高校野球大会に、県内からは神村学園(いちき串木野市、神村勲学園長)が選ばれた。2年連続5回目。2005年の選抜で準優勝し、昨年秋の九州地区大会で4強入り。準決勝で糸満(沖縄)に延長11回サヨナラ負け(3ー4)したが、粘り強い攻めの姿勢を評価された。納得いく選考だ。他にサッカーや女子駅団も強豪として知られ、その名はもはや“全国区”だ。
 選抜発表の23日夕、神村学園を訪ねた。高野連から連絡が入るであろう時間まで少し校内を散歩。すると、多くの生徒が「こんにちは」と笑顔で声をかけてくれた。私が選抜を主催する毎日新聞の支局長なんて誰も知らない。やはり、あいさつは人の気持ちをさわやかにさせる。私も元柔道の選手で「礼に始まり、礼に終わる」生活が長かったので、話が娘2人(高3、高2)はきちんとあいさつできているかなと、心配になった。
 柔道95㌔超級のロサンゼルス五輪で2連覇した斉藤仁さんが死去した。54歳。ロス五輪無差別級王者、山下泰裕さん(57)の最高のライバルだった。私の高校時代、身長180㌢以上、体重も100㌔超のある県警機動隊員が胸を貸してくれたが、私は子供同然だった。全日本選手権級の選手だ。でも相手が山下さんだと畳の上に10秒も立っていられない。「一流とか、世界とはこういうレベルのことか」と痛感し、柔道は世の中には「上には上がいる」ことを教えてくれた。その山下さんと互角に戦えたのが、斉藤さんだった。
 その斉藤さんでさえ「山下さんに勝つのが夢」と猛練習した。スポーツも勉強も仕事する大人も「やる人」は、目標を高く掲げ努力する。神村学園ナインも更に精進し、甲子園の大舞台で輝け。受験生もあと少し頑張ってこの春、希望校の合格切符をつかんでわしい。
  鹿児島支局長 三嶋祐一郎 2015/1/26 毎日新聞鹿児島版掲載

20年前のその朝

2015-01-27 12:23:22 | はがき随筆
 その日は学校の振替休日で妻と2人の娘は寝坊を決め込んでいた。テレビも付けず静かに朝食を済ませ、出張のためバスで飛行場に。空港のテレビで初めて阪神地方の地震を知った。しかし、搭乗した大阪行きの飛行機は定刻に離陸。テレビ映像の火災は局所的なのかと思った。
 大阪空港は至る所で水があふれていた。当時は携帯電話もなく、とにかく会合場所に向かおうとしたが、電車や高速バスは運休。路面バスだけが走っていた。車窓から民家の屋根や壁の亀裂を見て、地震の激しさを実感したが、都市が崩壊していたとはまだ知らなかった。
  鹿児島市 高橋誠 2015/1/26 毎日新聞鹿児島版掲載

お別れ随筆

2015-01-27 12:11:19 | はがき随筆
 鹿児島ではがき随筆を出すのが最後になった。2000年6月からこれまで150編載ったが、うれしかったのは01年から始まった年度賞(後に年間賞)に私の「エベレスト」が選ばれ、大賞表彰式では光栄にも優秀賞になった。選者の故・松下竜一先生から「おでとう!」と握手されて大感激。その式が縁で山口ペンクラブや宮崎との交流が始まり、多くのことを学び、随友も得た。随筆はライフワークになり、自分史、家族史になった。随筆は宝物だ。随筆の関係者や随友の皆さん、お世話になりました。福岡でも書き続けます。ではお元気で!
  出水市 清田文雄 2015/1/27 毎日新聞鹿児島版掲載