元来、柑橘類に目がない。こたつの時期は温州ミカン。それが終われば庭の甘夏を食べつくし、その次は店頭に並んだパール柑の甘い香りに引き寄せられる
テーブルの上に置くだけでアロマの世界へといざなう。心が和み包丁を持つ手も軽やかになる。味がまた絶品。甘み、酸味、みずみずしさ、何もかもがほどよく、朝昼夕、毎食後、欠かすことはできないほど。川も捨てがたい。天然フレグランスのかたまりをネットに入れてお風呂に浮かべるだけで至福のひとときが訪れる。ことほどさようにパール柑に魅せられている。
熊本県菊陽町 有村貴代子(72) 2019/6/2 毎日新聞鹿児島版掲載