「肩が痛かでシップを貼ってくれ」と、主人が服をぬいだ。色白で骨にはりついた皮はピカピカに光っている。貼りながら見たガラスに映っているのは、色黒で4人の子供を母乳で育てた立派なタレ乳。長年蓄えた体全体の肉布団はどうみても主人の体の厚さの2倍。考えてみると主人は短気で、おいしいものは少しずつ何回も食べたい、病院好き。一方の私はのんびり屋でおいしい物はいっぺんに腹いっぱい食べる。主治医もなくいたって元気。そんな2人が50年以上もなんとなく楽しく暮らしているのは不思議。これこそ感謝状(どちらに!)。
鹿児島県阿久根市 的場豊子(73) 2019/6/20 毎日新聞鹿児島版掲載