中学生の孫の野球応援に久しぶりに行った。気を利かしたつもりで皆にリンゴを差し出すと、娘が開口一番「それって、昭和よ!」と、戸惑う私を尻目に、一言発した。昭和世代の考えることが古くさかったらしい。よかれと思った行為が裏目に出て却下された。
翌日、気を取り直して個包装の菓子に変更し、事なきを得た。私たちの頃は何でも「ありがとう」の時代だったが、今どきは口が肥えているのか、ぜいたくになったものだとつぶやくのだった。ジェネレーションギャップに驚き、令和の世に、昭和が遠くなったと思い知った。
鹿児島県鹿屋市 中鶴裕子(69) 2019/6/27 毎日新聞鹿児島版掲載