はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

疾風平穏

2019-06-04 15:36:08 | はがき随筆

 巣から離れる時間が短くなり、抱卵を始めたようだ。毎年来てくれるツバメがいとおしい。

 河津桜が庭に彩りを添えて我が家に春を告げると、一気に活気づく、特に妻が燃えていて、大谷の応援に行くと言いだした。となると、PCを駆使して情報の収集は言うまでもないが、打者として復帰が間違いなしという日程で、航空券の予約、チケットの購入と実に手際がいい。そして極めつけは応援グッズで、北海道に人を得てイラストの手配、その日を待つのみ。

 我が家はこれが平常で、台風の目のような妻がいて平穏なのである。

 鹿児島県志布志市 若宮庸成(79) 2019/6/4 毎日新聞鹿児島版掲載


施設の閉鎖

2019-06-04 15:29:00 | はがき随筆

 ボランティアを始めた当初からお付き合いしている施設が令和に入った途端に廃業した。それがスタッフが確保できないのが理由だとか。利用者の皆さんも慕っておられた施設だったので残念で仕方がない。利用者の皆さんはどうなるのか、とひとり気をもむ。

 施設とのお付き合いもかれこれ15年、年に4.5回は訪ねていた。施設は大きくはなかったが、スタッフの皆さんのアットホームな雰囲気が気に入っていた。それも4月に訪問した時にはいつもと変わらぬ様子だったのでなお、今も現実の厳しさを理解できずにいる。

 宮崎市 日高達男(77) 2019/6/3 毎日新聞鹿児島版掲載