はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

投稿の勧め

2011-11-26 13:19:13 | ペン&ぺん

 「はがき随筆」などの常連投稿者でつくる毎日ペンクラブ鹿児島(若宮庸成会長)の秋の研修会が開かれたのは6日のこと。鹿屋市立図書館長で同人誌「火山地帯」を編集・発行している作家、立石富男さんに講演をお願いしました。開催から日数が経過しましたが、ペンを執る者にとって学ぶことの多い講演内容でしたので、その一部をご紹介します。
 良い文章とは、どんな文章か。講演で最も印象深かったのは、この問いかけでした。立石さんによれば「良い文章とは、自分にしか書けないことを誰もが分かるように書いた文章」とのこと。逆に言えば「誰にでも書けることを自分だけに分かるように書いた文章」は悪文の見本です。確かに、文章を書いていて、自分勝手な表現になりがちだと私も反省しました。
 では、悪文にならないためには、どうするか。その答えの一つは「何度も読み返すこと」と立石さんは語っていました。小説の場合、書き上げて1週間、10回ほど読み返すとのこと。締め切りに追われる新聞記者には10回は無理だとしても、手放す前に原稿を読み返すのは新聞記事でも当然。しかし、日々十分にできているか。心もとない思いで講演を聞いていました。
 さらに、なるほどと思ったのは、読む相手に想像させることが大切だという指摘です。「説明と描写は違います」とも語っておられました。粗筋のような説明が長いと、読者の想像力は働きません。書かない部分を読者に想像させることを忘れてはならないようです。また「タイトルも作品です」という言葉もメモしながら思わず下線を引きました。なんだろうと思わせて、読んだ後に、なるほどと納得できるタイトル。大切ですね。
 「はがき随筆」は新規投稿者を歓迎します。まずは書いて、読み返してみることがお勧め。どうぞ、ふるって投稿ください。
  鹿児島支局長 馬原浩 2011/11/24 毎日新聞掲載

あぁ…

2011-11-22 10:35:38 | アカショウビンのつぶやき


2週間前、突然電子辞書が開けなくなった。
電池交換してもダメ、+-の間違いがないか…
何回もやり直したが、やっぱりダメ。
もう6年使ったし、寿命かなぁ…。

ずーっと前から、友人が使っている
コンパクトな電子辞書が欲しかった私。
ちょうどタイミング良く壊れてくれた??

とばかり、60%引きの商品をネットで購入し、
ちょっと得した気分になっていた。

ところが…である。

昨日、とあることで、電池のプラス・マイナスを間違えて大失敗した。

あれぇ、電子辞書も…もしかして…。

朝一番
どう処分したらいいのか迷いつつ
文鎮代わりに使っていた電子辞書をチェックをした。

あれほど、入念に電池を入れ替えてチェックしたのに、
完全に間違ってる!

泣きたいやら、あきれるやら(T_T)

またまた、無駄遣い…

更に、夕べから携帯電話もおかしくなった。
ディスプレイが見にくく、どう調節しても大した変化なし。



ああ…

娘にSOS「どうしよう」

娘いわく

「お母さんが主に使うのは、メールとスケジュール管理でしょう。
スマホじゃなく、らくらくほんにしたら…」だって。
これからDoCoMoショップに走ります。
by 落ち込んでいる アカショウビンでした

「誕生日」

2011-11-22 10:04:17 | 岩国エッセイサロンより
2011年11月22日 (火)

   岩国市  会 員   片山 清勝

がんの手術から4日目、誕生日を初めて病院のベッドで迎えた。「もう、祝う年でもなかろう」と思いながら、窓から雲の流れを見ていると、なぜかいろいろ思い浮かぶ。

子どもの頃の我が家は、3世代と父の妹などが暮らす大家族だった。だから毎月のように誰かの誕生日がある。その日は夕食のおかずがひと品増える。家族全員の小さな皿にのせられた紅い蒲鉾。誕生月の者にはそれがひと切れ多くのせてある。 

今考えると、戦後の食糧難と大家族を賄う家計のやりくりの中で、家族皆で誕生日を祝いたい母の素晴らしい知恵だったと思う。ささやかなひと品に込められた家族の絆。そうとは知らず、私は蒲鉾が食べられると喜んでいた。

そんな家族の中で、父と私は誕生日が同じだった。父は50代半ばで急逝した。父の享年を超える日、私は朝から落ち着かなかった。夕食のとき、遺影でしか父の顔を知らない妻が「超えましたね」とひと言。妻も同じ思いをしていたことを知る。その日の晩酌は格別の味だった。

検温に来た看護師から「退院されたら誕生祝いをしてくださいね」と思いもしなかった優しいひと言。思わず顔がほころんだ。すると、窓の外の紅葉した葉の揺れも「早くよくなれ」とエールを送ってくれているように見える。今年もいい誕生日だ。心からそう思った。

父の享年を15超えた。

(2011.11.22 毎日新聞「男の気持ち」掲載)岩国エッセイサロンより転載

木々たち母談

2011-11-19 14:15:21 | はがき随筆

写真は千尋の滝

 母と兄が、2泊3日で屋久島にやってきた。
3人で、大川の滝、千尋の滝、屋久杉自然観、紀元杉……と見て回る。
屋久島の木々たちを見て、母が語る。
 「山の緑がきれいだね」
 「一本の親株のしんは自然に枯れて、トンネルみたいになっているのに、
その下から新しい芽を出し、枝を伸ばして、葉をしげらせているよ。
こんなふうにして代々、子孫を残していくんだろうね」
 なるほど……。どっしりと根を伸ばし、命をつなぎ、
何十年何百年、何千年と命を受け継いでいく木々たち。
今日もたくましく生きている。
  屋久島町 山岡淳子 2011/11/19 毎日新聞鹿児島版掲載

やさしい眼差しで

2011-11-18 23:08:39 | はがき随筆


 5月ごろ、直径5㌢、長さ10センチほどの竹のような物をもらった。
皇帝ダリヤの根ということで節の部分を土に埋める。
そのうち肝っ玉母さんが手を広げたように、
堂々と大きくたくましい葉をつけだした。
 茎丈は大空に向かって伸びるは伸びるは、
見上げるほどに成長した。ハッと気づくと、
てっぺんに実を数個つけている。実と思ったのは、
つぼみで11月を待っていたように大輪のピンクの花が咲き出した。
頂上はしなって重たそうに見えるが、思ったより丈夫らしい。
秋風に揺れるダリヤに優しい眼差しで見守られている我が家の空である。
  霧島市 口町円子 2011/11/18 毎日新聞鹿児島版掲載

彼岸花

2011-11-18 23:01:48 | はがき随筆


 毎年、ある日、突然夏草の茂る庭に秋を連れてくる花。
異国の香りともの悲しさが漂うのは「ジャガタラお春」の歌のせいだろうか?
 「敗戦の秋、兄が夢半ば、まっさらの運動靴を枕辺に、十代で逝った。
野辺に咲き乱れる彼岸花を手向けた日を思いだして……」と切ながる人がいる。
 アーチを彼岸花で埋め尽くした谷あいの高校の運動会。
真っ赤な花の根元で、大きな声で甘えた耳の聞こえぬ真っ白い猫の姿がなつかしくよみがえる。
 幾つもの思い出を集めて、彼岸花がメラメラと燃えている。
  鹿屋市 伊地知咲子 2011/11/17 毎日新聞鹿児島版掲載

はがき随筆10月度入選

2011-11-18 22:24:20 | 受賞作品
 はがき随筆10月度入選作品が決まりました。
▽肝付町新富、鳥取部京子さん(72)の「秋を探しに」(22日)
▽同町前田、永瀬悦子さん(61)の「親指も」(7日)
▽出水市高尾野町下水流、畠中大喜さん(74)の「熟した柿の実」

──の3点です。

 今月は軽妙な味のある文章が沢山ありました。優れたものを数編紹介します。
 中種子町増田、西田光子さん(53)の「8月の思い出」(21日)は、夫婦で韓国に旅行し、映画館で言葉が分からないまま、館内の人々の笑うところで、ご主人の指示で自分たちも笑ったというおかしな内容です。
 鹿児島市魚見町、高橋誠さん(60)の「ロイド君」(7日)は、夫婦だけの生活で、「両手をついて玄関で送り迎えをしてくれる」のは、三毛猫だけだという侘びしいようなおかしいような内容で、猫の格好が彷彿と目に浮かびます。
 出水市武本、中島征士さん(66)は、中学の田植えの授業で、雨が降ると、女子学生のシャツが肌にピッタリくっつくのがまぶしかった、というのを、現在魚拓の取り方を教えていて思い出したという内容で、連想の妙ここにきわまれりという感じです。
 志布志市有明町野井倉、若宮庸成さん(72)の「千代美」(6日)は、老衰の愛猫が犬小屋で眠っているのを、愛犬が入り口で守っているという内容です。それが親子のように見えてしかたがない。
 肝付町前田、吉井三男さん(69)の「良か晩な~」(15日)は、頂き物の秋茄子の、調理法が羅列してあるだけの文章ですが、すごく豊かな晩酌付きの夕餉にみえてきます。
 次に入選作を3片紹介します。
 鳥取部京子さんの「秋を探しに」は、弟さんが姉さんの真似をして、連休は秋を探しに行った、と言ったら、みんなに笑われてしまった。同じ言葉でも、その言葉が似合わない人がいるものだという内容です。「言葉が似合わない」という表現はすばらしいですね。
 永瀬悦子さんの「親指も」は、親指を怪我して以来その不自由さに困ってしまい、母親に手助けしてもらっている。指も家族も親が有難いという内容で、肉親と手の指との対比が面白い文章にしています。
 畠中大喜さんの「熟し柿の実」は、庭に熟した柿の実がそのままの形で落ちていることがある。それを静かに拾って食べる至福の時が、読んでいる人にも感じられるような文章です。私もかつて物置の籾殻の中から熟柿を取り出した感触を思い出しました。
(鹿児島大学名誉教授・石田忠彦)

孫のいたずら

2011-11-18 22:12:19 | はがき随筆
 息子の悲鳴に、走って外に出た。両手にガラスの破片をいっぱい受けて突っ立っていた。
 4歳の孫が私の部屋に鍵をかけて出てきて、外から開けられないようにしてしまい、息子が外から窓を持ち上げようとして割ってしまったのだ。
 庭や部屋に散乱したガラス片。孫は息子にしかられ、体を丸くして泣きじゃくり、そして寝入ってしまった。
 息子の腕はえぐられ、縫うほどだった。治療費とガラスの取りかえは2万円になった。
 いたずら好きの子ども心には大いに共鳴するが、時にハラハラしながら見守っている。
  薩摩川内市 馬場園征子 2011/11/16 毎日新聞鹿児島版掲載

分を安ず

2011-11-18 22:08:14 | はがき随筆
 人には無くて七癖のことわざの通り、各自さまざまな癖がある。
 自分にも亡き父から受け継いだ癖があると妻に指摘されて、なるほどと思う。 
 山本七平さんが日本人の癖について書かれていたが、それは己の分をわきまえており、それに安んじているとのこと。それは江戸時代には確率されていた日本人の癖というか、生きざまだそうだ。
 自分も昔、プライドも高かったが、時世と共に鼻も低くなり角がとれてきたと思う。やはり身分相応という分を安んじたからであろう。
  鹿児島市 下内幸一 2011/11/15 毎日新聞鹿児島版掲載

母に似て

2011-11-18 22:06:20 | はがき随筆
 靴下を履こうとして母の足に似てきたことに驚く。母の外反母趾はひどく、足の親指が内側に曲がっていた。 「変な足だね」と笑ったことがあったのに今、その変な足に似てきて亡き母を思い出した。
 母の靴は変形していた。足と同じような形に靴の革が伸びていて、そこに足がすっぽり収まった格好。それでも歩くたびに靴擦れで赤くなり痛そうだった。そんな母の思いに比べれば、私の足は幸せだ。「4E」のゆったりした靴で楽に歩けることを思いながら、母似の足をそっと撫でてみた。
  鹿児島市 竹之内美知子 2011/11/13

新聞の大切さ再認識

2011-11-17 10:22:56 | 岩国エッセイサロンより

2011年11月17日 (木)

  岩国市  会 員   片山 清勝

 2週間と少し入院生活を送った。この間、新聞もテレビも見ないまま過ごしたが、特に不便を感じることはなかった。

 入院中の新聞に目を通した。欧州を中心とする金融不安と連鎖する円高に株安、環太平洋連携協定(TPP)など国の経済、将来を左右する文字が次々と目に入る。

 そんな中、周南市八代の餌場でくつろぐ「冬の使者ナベヅル」の写真にはほっとさせられた。

 遅ればせながら多様な報道をベージをめくるだけで知ることができた。

 情報としての総合力や資料としての新聞の力をあらためて思い知った。速報性はネットに任せても詳報は新聞という自分流スタンスに納得をした。

 新聞は膨大な情報を整理し、載せられた記事には、詳細な内容と掘り下げられた分析が備わっている。

 読者はそこから社会を知り、考え、そして動かす力に変えるものを学び取る。紙面をじっくり見ながら情報の大切さを思い、新聞への期待を膨らませた。 

  (2011.11.17 中国新聞「広場」掲載)岩國エッセイサロン より転載

安納芋

2011-11-15 23:45:43 | アカショウビンのつぶやき


今年もペン友のMさんから、種子島の安納芋が届きました。
掛け干しすれば、もっと美味しくなるからと、
芋の蔓を付けたままで送って下さいました。
Mさんが作った立派なお芋です。

各種ビタミン、ミネラル、食物繊維の豊富なサツマイモは
その価値を見直され、高級食材まで出現している昨今…。

有り難い贈り物です。焼き芋にして頂きましょう。
by アカショウビン

今世紀最大の?

2011-11-12 17:25:41 | アカショウビンのつぶやき


 我が家の狭い庭には、実のなる樹が3種類…。
それぞれに季節の味覚を楽しませてくれる。

樹の勢いが弱り今年はダメかな…と
一時は諦めかけた「フェイジョア」は、
数は少ないけれど、実は太り、
今までにない巨大な?? 実になった。

夫がよく言っていた「こりゃあ、史上最大だぁ!」と、
私も言いたくなるほど。
残念ながら、お味はイマイチなのだが。

夫の存命中は、白桃が良く出来た。
摘果をサボるので、粒は小さめだったが、たまに大きな実があると
「お-い、お母さん、こりゃあ今世紀最大だぞ-」
と嬉しそうに叫ぶのである。
その桃は夫が逝った翌年に枯れてしまった。

初めて見る巨大フェイジョアを見たら、夫はなんと言うのだろう…。

初冬の夕暮れはちょっぴり寂しいアカショウビンです。


生きがい!

2011-11-12 17:04:18 | はがき随筆
 大阪へ移転、慣れない土地の小学校へ入学した孫娘から突然「爺ちゃん携帯電話欲しい」とせがまれた。入学以前は、独り絵本や折り紙で遊ぶ人前に出たがらない照れ屋さんだった。
 妻と相談、人見知りすることなく活発でものおじしない明るい子に育てばとの思いで願いを込め、かなえてやった。
 我が家は息子3人。孫は4人とも女の子。おしやまで特別かわいい。鹿児島水族館や桜島爆発の話題、大阪で生まれ元気で育つ赤ちゃんや友達についてのメール交換が続いている。
 日曜日、爺やの指先は軽やかに動き喜びもひとしおです。
  鹿児島市 鵜家育男 2011/11/12 毎日新聞鹿児島版掲載

ドライブ

2011-11-11 21:31:16 | はがき随筆
 運動会シーズンのドライブはワクワクする。通りすがりの小中学校で運動会を見ること。出来たら山あいの小規模校であること。
 今回は福山まで海岸線を走り岩川のおおすみ弥五郎伝説の里まで、運動会らしい光景に出会わずじまい。
 少子化で学校は統廃合され、小中学校合同の運動会も増え、様変わりした。
 弥五郎伝説の里で和室の広間に「自由にお入り下さい」の張り紙。何組かがお昼寝中。私たちも横になったらウトウト。こんなドライブでもいいな。スッキリ気分で帰路につく。
  垂水市 竹之内政子 2011/11/11 毎日新聞鹿児島版掲載