風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

心の時代の心 328号

2008年07月28日 18時42分33秒 | 随想
三浦雄一郎は冒険家として活躍、富士山、エベレストのサウスコル8000m地点からなど世界七大陸最高峰からのスキー直滑降を成し遂げた。

世界最高峰のエベレストに世界最高齢となる70歳7か月での登頂を果たす。同時に二男・豪太との日本人初の親子同時登頂も遂げた。最近75歳でエベレスト再登頂を果たした。

植村直己のチョモランマ遠征は自己負担金を用意できず、荷揚げ、ルート工作要員としての労働者の参加であったが、抜群の体力等が認められ、1970年エベレスト南東稜から登頂に成功する。 しかし、大量の隊員を荷物運びとして過酷に使い、ほんの一握りのエリートしか登頂できない極地法による高所登山に疑問を持つ。

アルパイン・スタイル(アルプス風登山)は山男の自力にのみ頼る登山スタイルで、単独で世界初の五大陸最高峰登頂者になる。1978年、1年半の歳月を費やして犬橇を操って、人類史上初の北極点単独行に成功し、極点に到達した。そして世界初のアラスカマッキンレー厳冬期単独登頂を目的に入山する。43歳の誕生日だった。そして行方不明になり、氷河に眠っている。

物量作戦の極地法による登山は、西洋科学物質文明の象徴と思うのである。一人の英雄を創造するために、多くの人の献身的努力が隠されている。ルートを開拓し、道を作り、橋を架け、ロープで安全を確保し、野営のテントを設営する。十分な食料、燃料、そして酸素。不眠不休の隊員の保護の下、安全・確実に頂上に到達できる。一将功なって万骨枯れる。そして成功の暁には、巨額の報酬が隊員に転がり込む。

500日掛けて北極点到達、原子力潜水艦なら50日程度で可能である。乗組員全員が安全確実で予定通りに。その事が価値の有る事だろうか?ロマンがあるのだろうか?

四国遍路旅の朱印墨蹟掛け軸が30万円で売買される。自動車やオートバイで収集する仕事があり、繁盛している様子である。

四国88ヶ寺歩行遍路で頂戴する朱印墨蹟代金は5万円弱である。60日の月日と宿代、食事代など経費は60万程度になる。

心の時代が叫ばれる今、掛け軸の需要は多い様である。金の力で手に入れた掛け軸と歳月と自身の体力を消耗して手に入れた朱印墨蹟を床の間に飾れば同じに見える。本当に同じ物だろうか。心の時代ならその視点が重要なのである。

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