風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

世界一幸福な国民 327号

2008年07月26日 09時50分38秒 | 随想
健康で、健全な教育が保証された国に住む者を幸福な国民とするならば、デンマーク人が世界一幸福な国民で、次点はスイス人である。共に酪農が盛んな農業国である。

高負担・高福祉政策の福音ルーテル派を国教とする立憲君主国であるデンマーク。「受け取りたいなら、与えなさい」の共生の精神。納税者の国民と徴収側の国家・分配者の行政の信頼関係で成立する完全で公平な所得の再配分。

所得税は一律50%で消費税25%。教育費と医療費は生涯無料、年金は国民一律18万程度で最低の生活は全国民に保障されている。自動車はすべて輸入車で100万の車は税金を支払うと305万円になる。日本は所得税が平均で20%、消費税5%であるが、貯蓄率は平均30%程度になるのだろう。一律でなく平均であるから、貧富の差の大きいアメリカの一卵性双生児である。そして凶悪犯罪が増えている。

デンマークはGNH(国民総幸福量=Gross National Happiness)という概念を国是として掲げているヒマラヤの仏教が国教の小農業国ブータンの思想に似ている。

フォルケホイスコーレ=国民高校学校の特徴は寄宿制で歴史や詩などいわゆる教養科目を重視する。共同生活をとおして利己的自己を超えて、社会性を持った利他的自己に変身する。そして国を自衛する徴兵制度が国と国民の信頼関係や愛国心を植え付け、中学生でも政治活動に参加し、「自国を愛するが為に」高額な税金を納める主体的な意識が生まれ容認する国民性が根付いた。

機械化と合理化、農業従事者の教育を通じて農業経営の改善をする一貫した農業政策が、牛・豚・鶏などの動物性タンパク質だけで約300%の食料自給率を確保する農業輸出大国にする。

国民の健康を脅かす大気と水の汚染対策として、自国の北海油田の石油の消費を減らす自然エネルギーの風力発電。地下水の汚染防止を兼ねた家畜糞尿利用のバイオマスエネルギーのメタンガスに移行する施策を構築している。

昭和初期の不景気な時、デンマークに習い、愛知県碧海郡(現安城市周辺地域)は官民の協力による米作の効率化や農産物の開発・生産、加工品の生産・販売、独自の宣伝・販売活動による経営の多様化による先進的な農業振興をした。「愛知県立農林学校」による農業教育の向上。当時は珍しい「女子専門学校」や農村地域医療の「更生病院」設立、「農業図書館」による教養教育の充実が暗い世相を一変させ、日本デンマークと言われた。その歴史が近郊に「安城デンパーク」なる農業テーマパークを創らせた。

アメリカ物質文明の麻薬患者に成り下がった日本は心の時代に方向転換する時期である。聖徳太子の様に、仏教を国教と思い、愛国心を復活し、質実剛健・質素倹約の助け合い精神のある農耕民族回帰が安全で安心の日本人に残された可能性である。

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