5千年前に、ティグリス川とユーフラテス川にかこまれた地域に、ギリシャ語で「2つの川の間」を意味するメソポタミアのシュメール人によって世界最古の都市文明が築かれた。
ウルクの王子ギルガメシュは、ウルク王ルガルバンダと女神リマト・ニンスンの間に生まれ、66%が神で33%が人間だった。ギルガメシュは暴君であったため、神はその競争相手として粘土から野人のエンキドゥを造った。エンキドゥは33%が人間で66%が野獣であった。
二人の長い闘いが逆に、友情を醸成することになった。ギルガメシュの神の善が消え、エンキドゥの野獣の悪が薄れ、お互いに100%人間に成ったのである。ウルクの王に即位したギルガメシュと野人エンキドゥの二人はメソポタミアには無いレバノン杉を求めて旅に出る。
杉は森の神フンババという怪物により守られていたが、二人は神に背いて怪物フンババを殺害し、伐採した杉をウルクに持ち帰った。神の棲家の森を破壊して、自分達の家を建てた。自然に対する畏敬の念が消え、自然破壊のスタートである。
そしてレバノン杉の森が破壊尽くされた時が、文明の終焉であった。生活環境は森が始まりで、自然を搾取し尽くした砂漠が終りである。そこは人の生活できない空間となった。神が怒ったのだ。文明は森を破壊して滅びるのである。バビロニア神話の抜粋である。
ネットショップでギルガメシュ・エンキドゥ・フンババの像を発見したので手に入れた。神話に則った像かどうか知らない。ある本の記述によると、フンババは一つ目の怪物であるが、そのフィギャーには二つの眼がある。
Once upon a time の少年時代にカバの姿を真似た自動車で知ったお菓子屋のカバヤのオマケである。7cm程で一個240円である。心の中での想像のフンババは色々な姿であったが、フィギャーを見ると、イメージが固定して、想像を膨らますことを停止する。
たった240円の像が心の空想の世界を破壊してしまった。物は心をコロコロ変える武器なのである。その視点ならテレビを見るのを控えて、読書して思索することが見直されてよい。質素倹約の心を鍛えて、物に動じない人間になりたい。それは丸腰で殺害されたフンババの心と思い、その遺産である森を大切にしたいと思っているのである。
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