風来坊参男坊

思い付くまま、気が向くまま、記述する雑文。好奇心は若さの秘訣。退屈なら屁理屈が心の良薬。

何故、援農するの? 570号

2009年06月20日 06時54分52秒 | ワーキングホリデー飯田
登山家マロリーが「なぜ、あなたはエベレストを目指すのか」と問われて「そこに山があるから」と答える。

「キリマンジャロの頂上付近に凍った豹の死体がある。豹が何を求めてこの高さまで来たのか?」の問いに、多くの人は「道に迷ったのだろう」と答える。

足繁く、飯田の果樹園に援農に行く。16日から四日間、市田柿の摘果作業を手伝った。

「何故、行くの」と問われると、「援農があるから」あるいは「ものずきだから」の両極端の答えがあるが、「単なる自己満足」である。

自然相手の農業は宗教に似て、晩霜や降雹の被害に怯えつつ、万事を尽くして、秋の収穫を只管祈る行為である。

孤独な老漁師サンチャゴは巨大なカジキとの格闘の末、獲物を曳航して港に戻る途上アオザメに食われ、頭と背骨と尻尾だけになってしまう。そして疲労で倒れ、ライオンの夢を観る。

西洋科学のライオンが厭世観を払拭しモノで栄える豊かさを獲得したが、ヘミングウェイの「老人と海」の男のロマンの夢を見る事は無い。

小賢しい知識が偏重され、自然相手の過酷な食料生産が軽んぜられる風潮は危険なのである。太陽の光に包まれる長時間の農作業が教えてくれる貴重な教訓である。

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