韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

韓国に暮らして30年。なぜか韓国、いまだに韓国、明日も韓国。2022年もよろしくお願いします。

日韓環境弁護士懇談会&江原大学環境法国際シンポ

2011-05-14 03:09:19 | 環境保護&エコツアー(2011まで)


 7日の懇談会が終わった後、クロツラヘラサギの国際シンポの翻訳で身動きが取れませんでした。ようやく、仕上げたので先週の報告をしましょう。
 まず、この写真は7日の懇談会のあとの記念写真。場所は<民主社会のための弁護士会>です。このような<環境系>の日韓の弁護士の集まりは2005年以来とのこと。今回は韓国側は4大河川弁護団、日本側は有明弁護団の合同会議という形でおこないましたが、これからの課題がたくさん出てきた会議でした。



 じつはこの日、4大河川裁判のチョン・ナムスン弁護士の誕生日。ケーキを用意してイベントをしたのですが、会議の後の夕食の場に持っていくのを忘れ、冷蔵庫に置いたままです。どうなったのでしょうか、このケーキ。

 で、韓国側はこの、チョン・ナムスン弁護士、ヨジュ環境運動連合のイ・ハンジン委員長、ペ・ヨングン弁護士が報告し、日本側は吉野弁護士、後藤弁護士、支援する会の岩井事務局長が報告をしましたが、ものの見事に<ずれ>がありました。

 
 右から、堀弁護士、岩井事務局長、後藤弁護士、吉野弁護士、大久保教授、江原大学の関係者(すみません名前わかりません)

 この<ずれ>を<共通課題>と読み替えてもいいと思いますが、整理するとこんな感じです。
 
○韓国側の考え
1 事業者の環境アセスはいい加減、だから裁判所も正しい判断をしなくてはならない。それをしない裁判所は自ら任務を放棄している。これを食い止める法的な根拠を見つける必要がある。

2 現在ある具体的な被害に対して損害賠償などを起こすのは、工事の存在を認めたうえでの訴訟になるので、行わない。勝利したパルダン有機農地の裁判も、ごく一部の勝利であり、4大河川工事全体には余り影響しない。

○日本側の考え
1 正義を実現するために裁判で勝たなくてはいけない。そのためには力のある正義を実現することが必要だ。

2 いままでの公害裁判と同じように、被害で始まり被害で終わるのが原則。被害を受けた原告が直接前面に立たなくてはいけない。それと比べると、4大河川裁判は、原告が見えてこない裁判だ。

 この違い、たぶん、日本国内でも裁判や住民運動の中にいつでも存在する、運動の仕方や仲間の作り方の違いだと思います。僕などは韓国スタイルでやってきたなという感じがするので、非常によく分かります。

 だって、むかしのベトナム反戦運動の裁判では、当時の首相や大臣などを証人に申請するなんて、まあ、<遊び>でやっていたようなものですね。同じような時期に、水俣の裁判などは、本当に血のにじむ思いで証拠や証人を探し、原告を組織していたわけですから、あの時水俣の裁判などに関わっていたら、たぶん僕の人生も大きく変わっていたでしょうね。

 で、大久保先生の指摘なんですが、最高裁の判決で悪い事例を残してしまうと、全体の利益を考えるとマイナスになることがあるという事実も今回、気がつきました。つまり、いい加減な環境アセスでも問題はあるけれど、工事を中止にするだけの問題じゃない、という事例です。今回の4大河川では、アセスの期間も4ヶ月、やり方も既存の調査の流用なんですが、これで最高裁がOKだしたら、やばいですね。

 というわけで、日本側の指摘はこのぐらい。つぎに韓国側の<思い>を書きましょう。

 
 さいごに、おまけの写真。後藤先生、冬ソナ、観ましたか?


今日から有明訴訟弁護団と一緒にチュンチョンに行きます^^

2011-05-05 02:46:06 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 久しぶりのガイド&通訳です。

 お馴染みの有明訴訟弁護団の韓国ツアー。今度は6日に江原大学のロースクールでの国際シンポへの参加、7日が4大河川訴訟弁護団との懇談会です。特に、7日の懇談会では今後の日韓の環境訴訟関係の弁護士の交流についても話し合いがもたれますので、期待してください。

 というのも、今回の懇談会以前に、2002年や2005年に弁護士同士の交流があったそうですが、なかなか定例化しないという壁があったそうです。今回は、ぜひ定例化して、1年に1回はお互いに直接会い、また常に情報交換できる体制を作れればと考えています。以前に比べるとネットも発達しましたし、人的交流もいろいろな所でやっているので、充分可能だと思います。

 では、明日から報告記事を載せますので、お楽しみに。

福島原発が危ない!

2011-03-17 01:23:59 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 最悪の事態が起こりそうです。連れ合いは、大丈夫、信じなきゃと言っていますが、果たして無事に収束するのでしょうか。

 韓国の環境保護団体も、日本からのニュースを連日チェックした発信しています。今回の地震に関する会議も行われ、日本への支援や原発事故の情報などについて意見交換をしたそうです。今後、落ち着いたら日本への調査団の派遣とか、日本のNGOメンバーが訪韓してのシンポジウムの開催など、日韓のNGOが協力して脱原発の流れを作る必要があるなと思います。

 僕のフェイスブックと<日韓環境情報センター>のHPを軸にして、今回の原発事故の日韓での情報交換を行いたいと思います。賛同の方、情報をお持ちの方、ぜひ書き込みをしてください。とりわけ反原発NGO名や参考資料、そして各地での最新情報をお知らせください。

 また、農業はめちゃくちゃだそうです。民間稲作研究所の稲葉さんのメールによると、東北の米はほぼ全滅ですし、ほかの農作物も放射線に汚染されたということで、買い手がつかないですし、なにより長年改良を続けてきた優秀な種が、これで途切れてしまうそうです。

 どちらにしても、あと1~2日がヤマでしょう。これで冷却に失敗したら、菅首相が元連合会長との会談で言った「東日本がつぶれる」というのが現実化を帯びてきます。東日本まではいかなくても、日本が<西日本>と<北海道>の2地域になるかも知れません。
そうならないことを祈っています。
 


福島原発の事故に関連して

2011-03-15 00:01:55 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 今、NHKをネットで見ながら、書き込んでいます。福島原発で燃料棒がむき出しになったとのこと、このまま行くとメルトダウンですね。大丈夫なのでしょうか? とても心配です。

 福島原発の事故を受けて、韓国でも原発反対の声が上がっています。ウルサン環境運動連合が、コリ原発1号機の停止を求めて記者会見をしました。

 YTNニュース(韓国語)

 また、ドイツでも原発反対の世論が高まっています。

 朝日新聞 

 今回の事故を教訓にして、原発の即時中止と脱原発社会をめざして、世界のNGOが協力していく必要があります。他の国の情報をご存知の方は、教えてください。



砂漠化対処条約COP10に参加しませんか?

2011-02-28 02:24:15 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 今年の10月、韓国の慶尚南道にあるチャンウォンで「国連砂漠化対処条約(UNCCD)第10回締約国会議」が行われます。この条約の内容は、次の通りです。

 正式には「深刻な干ばつ又は砂漠化に直面する国(特にアフリカの国)において砂漠化に対処するための国際連合条約」という。1994年6月17日、パリのユネスコ本部で120カ国の出席のもと開催された第5回砂漠化対処条約の政府間交渉委員会において採択された国際条約。1996年発効。日本は1994年の採択時に署名、1998年批准。2005年11月現在の締約国数は、190カ国とEC。
 本条約は、「国際的に連帯と強調をすることによって、砂漠化の深刻な影響を受けている国々、とくにアフリカ諸国の砂漠化を防止するとともに、干ばつの影響を緩和すること」を目的としており、条約本体(前文及び40か条)では開発途上国(特にアフリカ諸国)において深刻化する砂漠化(干ばつを含む)問題に対し、国際社会がその解決に向けて協力することを規定している。また、地域ごとの実施附属書(アフリカ、アジア、ラテンアメリカ・カリブ、北部地中海)が添付されており、条約に基づき策定される砂漠化防止行動計画の策定手続、実施調整メカニズム等が規定されている。(EICネット環境擁護集より)


 気候変動、湿地保全、生物多様性、とりわけ水や森の問題と密接に関わっているこの会議について、まだ日本では余り話題になっていないようです。というか、いつどこで行われるかの情報が、僕のHPぐらいでしか提供されていないというのは、ちょっと問題があるのではないでしょうか。

 ヤフーでちょっと検索すると、10個近く中国やモンゴルで緑化活動を行っている市民団体がヒットしますが、それらの団体のHPにも10月に行われるUNCCDのCOP10については、情報が無いようです。

 韓国側のPRが不足しているのか、日本のマスコミやNGOがフォローできていないのか、あるいは余り重要でない会議なのでスルーしているのか、ちょっと気になるところです。今年の9月には南陽州で世界有機農大会が行われ、そのすぐあとに行われる会議ですので、僕としては日本から多くのNGOが参加するだろうと期待しているんですが。みなさんのお知り合いの中に、中国やモンゴルで砂漠化防止の活動をしている方々がいましたら、ぜひ紹介してください。お願いします。韓国側でも全国のNGOが集まって、つい先日会議を行ったそうです。ぜひ、韓国のNGOと協力して、この砂漠化対処条約の国際会議を成功させましょう。

 日韓環境情報センターHPはこちら 環境保護カテゴリーの<気候変動>に関連記事があります

  

鳥インフルも広がっています

2011-01-14 04:34:27 | 環境保護&エコツアー(2011まで)


 インターネットから拾ってきた地図です。高病原性の鳥インフルエンザの発生場所。時間を見て、地名を日本語にしますが、全羅道と忠清道を中心に、かなりの勢いで広がっていて、最近ではあまりニュースにもなりません。

 口蹄疫も拡大し続けていますし、韓国の畜産業は壊滅的なダメージです。食肉の出荷量が減って、卸価格は上がっていますが、消費量も減ってしまい、小売価格は下がるという、異常事態が続いています。

 防疫担当の公務員もたいへんです。心理的なストレス、厳寒の中、つなぎの服を着て殺処分(韓国の場合は埋めています。中には生きたまま埋めている例もあります)、消毒ポイントでの24時間体制の消毒作業、この消毒液が凍ってしまう寒さですから。

 あと、2週間ほどが山ですが、2月の第1週が旧正月のため、人々の移動が激しい時期。このとき、また爆発的に広がるのではないかと、心配です。

 おかげで、訪韓する団体の取り消しも続いていて、僕の仕事も2つほどキャンセルになりました。今回の口蹄疫と鳥インフルのダブルパンチ。しばらくさまざまな面で後遺症がでそうです。もちろん、僕の家の家計も含めて

口蹄疫、韓国全土に広まるか?

2010-12-26 04:30:09 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
  鹿児島の出水での鳥インフルが問題なように、韓国では口蹄疫が大問題です。もしかすると、韓国全土に広まり、全国で牛や豚の殺処分が始まるかもしれません。

 

 この地図でも分かると思いますが、200キロ以上はなれた京畿道でも発生しています。別ルートによるものなのか、あるいは糞尿処理の車がウイルスを運んだのか、まだはっきりしていません。どちらにしても、他の地域でも発生する可能性がとても高く、毎日のように新しい場所で発生したと報道されています。すでに、慶尚北道、京畿道北部、江原道、そして江華島。50箇所近くで発生し、すでに30万頭以上が殺処分されています。

 そのうえ、今日もソウルは朝の最低気温が-10度以上の寒い日が続き、ポイントに置かれている検疫所で消毒液が凍ってしまい、十分に消毒できない状態です。寒いため、ウイルスも長生きしているのではないかという判断もあります。韓国の場合でも殺処分を担当するのが公務員ですが、心のケアも考えないと、あとで大きな問題になりそうです。

 僕の住んでいる南揚州もアパートと農家が半々ぐらいのところで、牛を飼っている人も多いです。ちょっと細い道に入って、田圃や雑木林の中に行くと、あちこちで牛や豚を見ることが出来ます。まだ、南揚州では発生していませんが、これからが心配です。

 昨日から、ワクチン接種が始まりましたが、ワクチンも万能ではありません。これから、口蹄疫がどれだけ広がるか、あるいは収束していくか、注目したいと思います。

鹿児島出水平野のナベヅル、鳥インフルに感染

2010-12-25 02:46:40 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 心配していたことが現実になりました。
 
 鹿児島県出水は毎年、1万羽以上のツルが越冬するところとして有名ですが、21日のニュースで死んだナベヅルから高病原性の鳥インフルエンザが検出されたそうです。

 JNNニュース

 まだ韓国では報道されていないので、こちらのHPにも概要を載せました。

 日韓環境情報センター

 ナベヅルは、10月から11月の間、韓国のナクトンガンのヘピョン湿地などで1~2日、一休みして日本に向かうそうです。また、最近はスンチョン湾で越冬する個体も増えてきました。
 
 ただ問題だったのが、越冬地が一箇所に集中している点。出水だけで1万羽以上越冬し、これが全世界のツル、とりわけナベヅルの場合は、80%以上がここに集まっているのですから、心配です。鶏やカモのように、鳥インフルエンザに弱かったら、本当に大変な話になってしまいます。

 そういえば、トクスリ(ハゲワシ)をコソンで見たと書きましたが、コソン以外にもイムジン江が越冬の地として、知られています。今年、このイムジン江でトクスリが30羽以上死んでいたそうです。いま、解剖して原因を調べていますが、まだどのようなことで多くのハゲワシが一度に死んだのか、こちらのほうも心配です。

 

開門、おめでとう!

2010-12-18 04:29:32 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 このタイトルで、どんな内容か分かった人は、このブログをきちっと読んでいる人ですね。たぶん、日本のテレビで大きく報道されたと思いますが、諫早干拓訴訟で国が上告をあきらめ、潮受け堤防の常時開門をすることになりました。

 特に、10月に長崎に行って実際に裁判を傍聴し、また11月にはスンチョン湾ツアーで弁護団や支援の人たちと韓国を一緒に旅行したので、いっそう身近に感じる勝利です。

 弁護団や漁民市民ネットワークの声明文が<日韓環境情報センター>のHPからダウンロードできますので、ぜひ見てください。

 <日韓環境情報センター> 海、湿地を守る

 ぜひ、この裁判のことを、じっくりと韓国のみんなに伝えたいと思います。まだまだ、この裁判のすばらしさ、ものすごさ、勝利への貪欲さが十分に伝わっていない気がします。例をひとつとると、スンチョン湾ツアーの言いだしっぺの後藤先生は、今まで月に2回は上京して、東京の仲間と一緒に国会議員にチラシを渡すという地道な活動(その上、お金のかかる活動です、全部自腹なので)をしてきています。

 これが当たり前のように行われた「有明訴訟」。来年、ぜひ韓国の弁護士や環境保護の関係者といっしょに、じっくりと話し合う場を作ろうと、いま準備をしています。もちろん、有明の再生まで、まだまだ多くの試練があると思いますが、この勝利は韓国の運動にも大きな励みになりますし、どこか&いつかプラスになるはずです。

 韓国は4大河川関連の裁判で、ハンガンもナクトンガンも負け、パルダンで測量に反対した地域の人に有罪判決(罰金300万ウォン)が下りました。また、京畿道を名誉毀損で訴えていた訴訟もダメでした。ちょっと、いま、正直言って、厳しい状況です。でも、どこかに展望があるはずです、諫早の闘いでもこんな局面はあったはずです。僕たちは絶対勝つんだ、なぜなら、勝つまで闘い続けるからだという、弁護団の言葉をもういちど、心に刻もうと思います。


日韓トキシンポジウム(2)

2010-12-17 01:26:13 | 環境保護&エコツアー(2011まで)
 さて、ハゲワシ観察の後は、お昼ご飯。

 

 キム・ドクソン先生の紹介のお店。タラやビクニン(カサゴの仲間、韓国語では물메기と言いました)のスープがおいしいです。さっぱりして、体が温まります。(すみません、食事の解説と通訳と食べるのに忙しく、写真がありません)コソンに行ったら、ぜひどうぞ。

 

 

 さて、その後、コソン郡が作った農業技術関係の研究所を訪問。ここではお金のかからない有機農業を目指しています。というのも、韓国では有機農業で使う肥料も専門の業者(だったと思います)から購入するため、かなり高いそうです。有機肥料を購入するという話はパルダンでも聞いたことがありますが、どうなんでしょうね。堆肥を作るにしても無農薬の草木や葉を集めるのですから、大変なのは分かりますが。
 また、ここでは除草剤や農薬の代わりに漢方薬を使っています。農業もやっている土谷さんや植物生態学が専門の本間先生、いろいろ聞きたかったようですが、時間がなく、残念でした。ぜひ、次の機会にどうぞ。(もしかすると、この研究所のスタッフが6月に佐渡に行くかもしれませんね)

 

 

 その後、コソン郡の役場に行って、郡知事と挨拶。実は、名古屋のCOP10のとき、飲み屋であった方で、有機農業や環境にとても関心がある知事です。
 下の写真は、コソン郡役場の前庭にある恐竜の模型。コソンには世界でも有数な恐竜の足跡が化石で残っているところ。このあと、恐竜エキスポの会場にも立ち寄りました。

 

 さて、コソンでは田圃に入って、トキの餌場になるかどうかのチェックをして見ました。
 
 

 根っこの周りにミミズが作った穴があったり、モグラが通った後があったりすればOKです。また、わらを敷いておくとその下にクモが棲みつき、クモを食べるほかの生物がくるので、トキの餌場になるそうです。

 また、水路を点検してみました。この写真の水路よりちょっと幅が広ければ大丈夫だそうです。ただ、壁の部分が90度に近いのはだめで、トキが歩いてあがれるぐらいの傾斜が必要です。もちろん、水路がコンクリートで固められているのもだめです。

  

 やはり、こうやって経験者と現場を歩くと、よく分かりますね。ウポ沼に行かなくても、どんな田圃にトキが来るか、トキはどんなやりかたで餌を食べるのかも調査しましょう。
 
 

 さて、翌日の10日がシンポジウム。PGA湿地生態研究所のハン・ドンウック所長から10月の佐渡での調査を踏まえて、どのような基準でウポ沼周辺の餌場つくりをするかという報告があり、そのあとは、日本からの発表が中心に行われました。

 
  
 トップバッターは新潟大の本間航介教授。トキはアジアの鳥だという言葉が印象的でした。放鳥のあと、トキがどのようなところに暮らしているかがよく分かりましたね。

 

 次が環境省野生復帰ステーションの笹渕保護官。今までの放鳥の方法とその後の様子を具体的に説明してくれました。特にハードリリースとソフトリリースの違いで、その後のトキの生息の状況がまったく違うのに驚きました。

 

 三番打者が土谷さん。毎朝、モニタリングを行い、夕方にはモニタリング担当者で報告会をして、その間に働いているという、ものすごい方です。中学生ぐらいからトキや鳥を追いかけ始めたそうで、本当にトキをよく知っています。でも、いつもトキから教わっているそうです。

 
 
 最後が佐渡市役所の池さん。エンターテーナーというか営業部長というか、この方もすごいですね。善意やボランティアでは長続きしない、生業(この言葉は使っていませんが)と結びつかない限り、トキの餌場つくりは失敗すると言う話には説得力があります。この発想は、僕たちが関わっている湿地保全の<賢明な利用>にも繋がりますし、僕がやろうと考えている<日韓環境情報センター>も生業としてやらない限り長続きしないでしょう。
 このことを<認証米>という形で実現させた佐渡の人たちの底力には圧倒されました。でも、みんなでわいわいやりながら始めたみたいで、土谷さんをはじめとする佐渡の人たちがバス1台で豊岡に行ったのがきっかけだったというのも、興味深い話でした。(こんど佐渡でゆっくり聞かせてください)

 

 

 最終日は移動日。早めにソウルに戻って、延世大学、インサドン、清渓川公園や広蔵市場(クァンジャン・シジャン)を見学。夜、18時の飛行機で新潟へ帰国。お疲れ様でした。ということで、嵐のような4日間でした。(それなのに、通訳費は3日分とはいったいどんな計算なんでしょう?)

 さて、韓国でのトキの放鳥ですが、来年中には国の保護鳥に復活する予定です。そうすれば政府予算も付くので、僕も通訳費だけでなく事前の打ち合わせ費やネットワーク運営費などもちゃんともらえるように、ならないかな…。

 それはさておき、6月の第2日曜日に佐渡で行われる<田圃の生き物調査>に、ウポ沼やコソン、慶尚南道や環境部の担当者なども参加して、懸案事項を一気に解決するのが早そうです。日本の環境省の担当者も参加すれば、いろいろ突っ込んだ話もできるわけで、これが当分の間、ポイントになりそうです。まあ、僕個人としては、20名から30名ぐらいのメンバーで参加できれば良いなと、思っています。

 今後、多くの人の協力や支援が必要になると思いますが、ぜひよろしくお願いします。