10月26日にソウル市長選挙があります。オ・セフン前市長が学校給食の無償化をめぐって住民投票をしかけ、結局開票に必要な投票数を得られず、開票すらできずに辞任をしました。
まあ、この市長さん、どこか根本的に発想が間違っていて、学校給食の無償化という政策をめぐって、国政野党の民主党(ただしソウル市議会では多数派)とまったく妥協をせずに、対立をあおるという、何を考えているかわからない市長さんでしたので、やめてもらって、ほっとしています。以前、ハンガン・ルネッサンスのことで書いたことがありますが、次の市長さん、後始末で大変だろうな。
今、市長選の主な候補者はつぎの4人になっています。
A ナ・ギョンウォン(ハンナラ党最高委員、元裁判官、女性)私は美人で頭がいいのよ、と顔に書いてあるタイプの政治家で、はっきり言って大嫌いです。
B イ・ソックヨン(弁護士、保守系の統一候補?)まったく知りません。どこか探してきたのでしょうか?
C パク・ソンソン(民主党政策委員長、元MBCアンカー、女性)テレビで討論会などをするとよく出てきます。説得力のある話し方、女性らしいあたたかさを感じられる政治家です。
D パク・ウォンスン(弁護士、NGO団体「希望製作所」代表)今回の選挙の本命ですね。たぶん、野党系の統一候補になるでしょう。アン・チョルスソウル大学教授と話し合いでパク弁護士の立候補となりました。この件については、次の新聞記事を見てください。
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ソウル市長補欠選出馬を検討していた安哲秀(アン・チョルス)ソウル大融合科学技術大学院長が、結局、選挙には出馬しないことを決めた。 その代わり朴元淳(パク・ウォンスン)希望制作所常任理事を支持するという立場を表明した。
安哲秀氏は6日午後4時、ソウル光化門(クァンファムン)世宗文化会館で記者会見を行い、「尊重する同僚の朴元淳弁護士に会い、抱負と志を聞いた。 朴弁護士が私たちの社会に献身し、市民社会に新しい花を咲かせたのを見て、ソウル市長職を遂行できる美しくて立派な方だと思った」と述べた。 また「私に対する期待が大きいことは知っている。 しかし誰も民心を容易に得る権利は持っていないと思う」とし「私への期待も、社会リーダーシップの変化に対する熱望が私を通して表現されたものだと考える」と述べた。
続いて「今回のソウル市長補欠選に出馬しないことにした。 その代わり私に信頼と声援を送ってくださった方々の期待を忘れず、自分ではなく社会を優先して考える誠実な生き方で報いたい」とし「私たちの未来の世代を心より激励し、慰労する」と語った。
安氏は記者の相次ぐ質問に対し、「何よりも心情的に持つ志をうまくやっていければいい」と答えた。
一方、この日、朴元淳弁護士は安氏の記者会見が終わった後、「美しい関係をずっと続けて、この時代を新しい時代に変えていく」と述べた。
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この辞退でアン・チョルスの評価はワン・ランクアップ、来年の大統領選挙で一番注目される人になりました。今回のソウル市長選挙は、国家公務員(ソウル大学教授)という立場なので、応援はできないと言っていますが、アン・チョルスに連なるさまざまなネットワークが積極的に動いていくと思います。
そのなかで進歩的、民主的、そして良心的な勢力がどれだけひとつにまとまるかが勝負です。その第1歩がソウル市長選挙。今回のソウル市の住民投票でコアの保守層は25%とわかりました。ですので、進歩的・民主的・良心的な人たちの積極的な投票で投票率を60%以上に上げれば、ソウル市長選挙は勝利するでしょう。
ここでポイントなのが「良心的勢力」の結集でしょう。たとえば、不平等を許さないとか、不正を許さない、汚職や天下りを許さないといった「良心的勢力」という層がいると思います。今の日本なら、原発は即時に停止という主張が「良心的勢力」を形作るためのポイントになるでしょう。
韓国の民主化の運動を見ていると、「良心的勢力」の結集の度合いが高ければ高いほど、運動が広がり前進して言ったように思えます。これから1ヶ月の間、ソウル市長選挙から目が離せません。