韓国雑記帳~韓国草の根塾&日韓環境情報センター&ジャパンフィルムプロジェクトブログ

韓国に暮らして30年。なぜか韓国、いまだに韓国、明日も韓国。2022年もよろしくお願いします。

米韓FTAって何だろう?

2011-10-19 02:10:38 | 韓国あれこれ

 イ・ミョンバク大統領がアメリカに行って来て、米韓FTAがアメリカ議会で承認され、残るのは韓国国内での承認だけとか。日本でもPPT(でしたっけ)に乗り遅れるな、韓国に市場を奪われるなと、ネット上でもさかんですね。

 FTAやPPTが締結されたらどうなるのか、農業は犠牲になるけど輸出は増えるから大丈夫という主張が大勢のようですが、果たしてホントなのかな。というのも、韓国の新聞をネットで見ていたら、ある新聞記者がこんなことをコラムに書いていました。

 いつもコメントを求めるために大学教授などに電話をするが、今回はコメントできないとか、わからないという答えが通常の倍以上あった。例えば、貿易の専門家なので農業に及ぼす影響がわからないとか、農業経済はわかるが自動車の輸出がどうなるかわからない、といった答えだったそうだ。アメリカでは700名以上の研究スタッフがそれぞれの専門分野ごとにチームを作って、貿易の自由化に関する協定や対応策をねっているそうで、韓国にはちゃんとした専門家チームすらない・・・。

 とまあ、こんな感じの記事でした。本当に、どうなるのかな。

 こっちの生活レベルで考えると、まず、農産物の効率的で公平な流通と安定供給がほとんど出来ていない現状で、農産物の自由化が進むとどうなるのかなという感じです。米は外され、野菜は生を好むので大丈夫だと思いますが、肉はだめですね。僕も、生協の無抗生物質の豚肉とチリとかフランス・デンマーク産の豚肉を交互に買っているかんじです。値段は2倍から3倍近くの差があるし、味もあまり気にならないぐらいの違いなので、酪農はかなりやばいでしょう。去年末からの口蹄疫の影響もあり、養豚や酪農を再開したくても、地域の住民が反対するという地域もあるそうで、牛乳と卵以外はこれから厳しくなりそうです。

 そうそう、去年の今頃、白菜の値段が急上昇して1つ1万ウォン以上したのですが、今年の値段は10分の1ぐらいで、この価格の急変動はまいります。これだけ設備や流通などを整備しているのですか、もうすこりコントロールできないのでしょうか。ちなみに、今年は唐辛子粉がものすごく値上がりし、2倍以上になっています、このあたりの価格コントロールの大勢が整っていないと、これから大変ですよね。

 つぎに、ソウルの近くや大都会の近くは地価が上がりすぎ、いくら農業技術が進んでも採算が合わなくなっています。農地への固定資産税も大きな負担だそうです。パルダンの有機農業地区もそうですが、けっきょくソウルに近い農家は体験農業で現金収入を得るしかないわけで、選択肢としてはありだと思いますが、どの地域でも出来るわけではありませんし、どうなんだろうな。うまく説明できませんが、やっぱり体験農業などは変化球であって、これだけですべてが解決するわけではないですよね。

 というわけで、米韓FTA、どなたか手短に説明していただけないでしょうか?