コルドバのメスキータ 2016年6月
岡本太郎という人は、私たちの世代だと、あの大阪万博の太陽の塔のデザインをした人として記憶されていると思う。
また晩年、「芸術は爆発だあ」というCMに見られた存在感、天衣無縫のもの言いなど、エネルギッシュな芸術家としての活動も印象に残っている。
この本はまだ海外旅行が大変だった1967年頃、インド、スペイン、メキシコ、韓国などを訪ね、民衆の生活の中に生き生きとした芸術を見つけ出す紀行文である。
親本は1972年、その本が今年夏、文庫本として再版された。その意味を考えてみるに、芸術にはその時々の流行があるけれど、この本の中には普遍的な何かがあるからだと思う。
いわゆる美術史に取り上げられる芸術ではないものに心を動かされる岡本太郎。その視点は独特で、しかし、とても文章力があって、エネルギッシュだけど、説得的なのは今回読んで初めて分かった。
岡本太郎が海外で何を見てどう感じたかがよく分かり、なかなか得難い読書体験でした。
昨夕から、夫体調不良。二階で寝ている。
私が下で動く音も気にするので、夫仕事場へ避難。おかげで本一冊、たちまち読了。
これからは何かするときは、空き部屋で集中するに限るようですね。
夕方には少し良くなったようです。やれやれでした。