KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

WOC.登山部 2018.12.05 志保山~真平山

2018年12月06日 | 香川の里山
昨年秋に小豆島で数回に渡り遊んでいた時に、登山部に初参加したナカちゃんから、

四万十川でテント泊をしながらカヌーで下るツアーが、とても楽しいと聞いていました。

その後なかなかメンバーの都合がつかず、今回初めてWOCカヌー部

設立する運びとなりました。しかしナカちゃん以外はなんせカヌーに乗るのは初めての事。

事前のミーティングで入念に打ち合わせをして、準備物や服装の確認をしました。

ひとしきり話が進んだところでメンバーからナカちゃん隊長に質問が!

メンバー  :  『ところで冬やけん、寒いわな~??』

         『川に落ちたら、冷たいわな~??』

隊長    :  『う~ん、たぶん?僕も冬は行ったことがないから判りません!』

メンバー  :  『なぬ~ ( ゚Д゚) 』

メンバー一同、開いた口が塞がりませんでした。


そう言いながらも家に帰り、テントや寝袋の準備をするため押し入れから引っ張り出すと、

一人用のテントは経年劣化のため、ナイロンの表面がベトついていて使い物になりません。

残りの寝袋やシートはちょこちょこと使っていたので、なんとかモノになりそうです。

そこで『讃岐里山の会』の忘年会の時に、エントツ山さん

テントを貸してもらえないかとお願いしたところ、テントだけでなく冬用の寝袋やシートさらには

ダウンの上下まで用意していただきました。よ~し!これで準備万端。

残るは先週に悪化したギックリ腰を治すのみ!

でも山歩きなら普段から腰痛を抱えながら歩いているので、大体の様子は分かるのですが、

なんせカヌーは初めての事。少し不安を抱えながら数日を過ごしていると三日前になんと!

ナカちゃん隊長もギックリ腰を発症したとの連絡が入り、あえなく今回は中止となりました。

残念ですが来年の暖かくなってカヌー部設立は順延となりました。

(エントツ山さん、せっかくのご厚意ありがとうございました!)

その後、せっかく休みを取ったのだからメンバーで温泉でも!と話も持ち上がったのですが

結局都合がつかなくなり、急遽、定例の登山部に参加する事になりました。



今回は先週歩いた『七宝山』の433mから『志保山』そしてさらに北の『真平山』

線で繋ぐ縦走コースです。2年前に一人で縦走した道ですが、

WOCのメンバーはそれぞれの山は登っているものの、

恐らく線で繋がっていないと思われるコースです。


先週と同じくピカソ詫間店の横に集合した後、『加嶺峠』に車をデポ。

その後2台の車で『七宝トンネル』の西側の駐車場に車を停め、ここから438mを

目指して登って行きます。(8時45分)

今日のメンバーはセニョさん・やっさん・麺法師さん・杉さん・ルリちゃん・しおりんと私の

総勢7名での山行です。




駐車場から離合はできない幅の狭い車道を途中まで道なりに登って行きます。

次第に周りにはみかん畑が広がってきます。







途中で急な斜面に寄り添うように建つ集落があり、それぞれの家の横の作業場では

みかんの選別の作業が朝早くから行われていました。

集落を過ぎると道はさらに狭くなり、どんどん急な坂になって行きます。










七宝山の山肌も、もう晩秋の気配です。







所々で車道から離れ、ミカン畑の中のコンクリートの道をショートカット。

ところがこれがなかなかの急坂で、朝までの雨で濡れたコンクリート道に

何度も足を滑らせそうになります。あまりの急坂に

師走に入ったというのにこれでもか!という位に汗が噴き出てきます!

こんな急な斜面でよく作業ができるもんだと、ミカン農家さんの苦労が偲ばれます。







ミカン畑が終わるころに293mのピーク着きました。ハンググライダー基地のあるこのピークが

最初の目的地です。足元には仁尾町の景色広がり、少し視線を移すとこれから歩く真平山の

肩越しに、小さく瀬戸の島々まで見渡せます。(9時20分)










香川の里山で時々見かけるハンググライダー基地の鉄製のスタート台からも絶景が広がっています。

スタート台の先端で恐る恐る下を覗き込みますが、股間がざわッとしてきます。







ここでさおりんにリクエストしたのが下の写真です。

いや~やっぱり若い!。おっさん・おばさんにはとてもできません!




おっさん・おばさんは安全に静止画です。







ハンググライダー基地から少し上が293mのピークです。ここでセニョさん恒例のバンザイ!







293mのピークから尾根に沿ってしばらくは車道が続いています。

車道が終わるころに山道を尾根へと入って行きます。







尾根の等高線を直登するかたちで登って行くと、どんどん傾斜が急になって行きます。

前を歩くセニョさんからも思わず『キツイな~』と声が出ています。





やっと登りきると438mのピーク。先週、高屋神社から歩いて折り返した場所です。

ただ先週は曇り空で真っ白で何も見えなかった景色が、今日は遠くに『伊吹島』まで見渡せます。

(9時50分)





腰を降ろして一息入れた後、次の『志保山』へと歩いて行きます。

落ち葉の積もった縦走路を楽しくおしゃべりしながら歩きます。













438mからゆっくりと一旦下り、登り返すと『志保山・426m』です。(10時10分)




西側のまばらなきぎの間からは仁尾の街並みが見下ろせます。

三角点で麺法師さんのバンザイ!










志保山からは道に沿って延々とトラロープが伸びています。最初は広い尾根を。

途中からは尾根から左に外れて急な斜面をこのロープに伝って降りて行きます。

落ち葉とたっぷり水を含んだ土に何度も足を滑らせます。







次第に展望が開けてきました。最終目的地の真平山も正面に見えます。

景色に見とれて足元から視線を移すと滑りそうになるので油断ができません。







しばらく歩くと麓にある『風穴』の石を切り出したという

石切り場に着きました。凝灰岩の石をここから切り出し下の風穴まで運んだそうで、

調査によるとこの石切り場は1400万年前の『三豊湖』の湖底だったということです。

こんな景色が広がる山の中腹が湖底だったなんて想像できません。

『爺神山』『三条山』奥には『我拝師山・火上山』

その左奥には薄く『飯野山』まで見渡せます。香川独特のビュート(孤立丘)の広がる里山の風景です。













石切り場からは一旦下がって218mのピークに登り返します。

鞍部から左が風穴への道ですが、そのまま直進します。







218mのピークには『真山竜神』の案内板が立てられていました。

その少し下にはその竜神の祠はなく、代わりに比較的新しい小さな石碑があります。










竜神からは支尾根に沿って『吉津峠』を目指して下ります。

里山の小さな尾根らしからぬ籔いてもなく歩きやすい尾根道が続いています。









その内に竹林が現れました。竹林になったと言う事は里が近づいてきた証拠です。

竹林を過ぎると峠の南側の農道に飛び出しました。(10時55分)




道にはちゃんとした登山口の標識があり、ここから吉津峠へと周ります。










農道の途中には風穴への案内板が。峠にもガードレールに案内板が取り付けられていました。







峠からは東に県道220号線を『八柱神社』まで下って行きます。

以前一人で縦走した時は、途中から無理やり真平山へと直登したのですが、けっこうな藪だったので

今日は無難に神社からの登山道を歩きます。(11時35分)







八柱神社の入り口には立派な木製の『真平山登山道』のモニュメントが設置されています。

真平山登山道整備のボランティアの人たちが6ケ月もかけて制作したそうです。




『真平山』は地形図では『七宝山』となっていますが

地元の人たちが『まひらやま』と呼んでいる山です。

八柱神社の横を通り登山道へと入って行きます。







途中には『本ルートと赤ルート』の案内板があり分岐になっています。

今日は本ルートを登って行きます。




ところがこの本コースは予想以上の急登です。先ほど八柱神社の休憩で引いた汗が、

また一気に噴き出してきました。








少しぬかるんだ土道には猪の足跡があります。さらによく見るとその猪も足を滑らせています。

四本足でも急な坂。二本足がしんどいはずです。




樹林帯のトンネルを抜けると桜の木を植樹された明るい場所に出ます。

依然として急な坂は続いています。








植樹広場のさらに上には『見返り坂』と書かれた案内板。

セニョさんが案内板通りに振り返ってくれました。










『看板に偽りなし!』この中腹からは振り返ってみるだけの価値のある、

三豊市の展望が広がっています。











見返り坂からもまだまだ急登は続きます。普段滅多に口にしないセニョさんの

『キツイな~』の声を、今日は何度聞いたことでしょう。

最後まで楽をされてくれないコースです。




所々にある案内板を横目に見ながら登って行くと、『次第に羊歯が』

(麺法師さんが言いそうな親父ギャグ)現れると、

傾斜は少し緩くなり先ほどまで切れていた息を整えます。







羊歯の道が途切れると北側の景色の広がるベンチの置かれた展望台がありました。

正面に大半を削られた『汐木山』。その奥には『竜王山・毘沙古山・貴峰山』

そして『黒戸山・天霧山』峰々が続いています。




やっとのことで『真平山』に着きました。高い樹木に囲まれた山頂は薄暗く、

今日最後のフィナーレの山頂としては少し残念ですが、取りあえずここで昼食にします。

もうすでに腰の張りがかなり出てきました。(12時10分)

メンバーがお弁当を広げてる横で、用意し忘れたセニョさんはみんなの行動食の支給品でお昼です。










お昼を食べ終えた後は加嶺峠へ下るだけです。(12時40分)

最初はトラロープに沿って下りますが、途中でどうやら峠ではなく仁尾に降りて行く

道だと気づき、少し戻って尾根へと登り返します。




ここからは登山道もなく踏み跡も見当たりません。とにかく尾根を外さないように下り、

最後の243mとの鞍部まで下ります。

鞍部からは少し藪ぽくなった道を進み最後のピークを踏みます。





243mのピークからは広い尾根を所々付けられたピンクのビニールを見つけながら進みます。

広い尾根が終わり終端から左に曲がると今日最高の急な下り坂です。

右に左に体を移動し木々に掴まりながら下って行きます。下って行くというよりは

落ちて行くといった感じです。
















木の根元に足を置かないと止まれないほどの傾斜の坂の途中でやっさんが、

『カメラ落とした!』と慌てています。





これは一大事。一旦降りた坂を足元を注意しながらカメラを探しに登り返します。

しかし一向に見当たりません。下りが始まる尾根まで登ってみてもダメです。

やっさんは『仕方ない、もういいですよ!』と言っていますが、折り返して下りながらも

何とかないかと目を皿のようにして降りて行くと、ほぼ最初の場所の少し上で光るものが。

思わず『あった!あったよ!』と大きな声を上げてしまいました。

99%諦めかけていたので見つけた時は本人と同じくらいに喜びが沸いてきました。





何とか事なきを得たあとは色褪せた杭に沿って歩くと鉄塔広場に出ました。










鉄塔広場の先には電波塔。そこからさらに左に直角に降りると加嶺峠へ飛び出しました。

(13時55分)







余力があれば『高尾木山』までと思っていましたが、山から下りた途端に

どっと腰と背中の張りがピークに達して、メンバーも今日の急登と急滑降に疲れた様子で、

デポした場所での解散となりました。




里山の特有の登山道のない道を歩いて藪いたり、予想もしない急な登りや下りにだあったりした

なかなか楽しい一日でした。