KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

里山に遊ぶ2020.04.28 女体山

2020年04月29日 | 香川の里山
4月29日は昭和の日の祭日。会社は総務や経理が休みを取るので

金庫番がいなくなり出勤しなければならない水曜日。

いつもならどうしようかと考えるところだけれど、

WOC登山部も休止となっているので水曜日に拘ることもなく気兼ねなく今日を休みとした。

それじゃ、どこを歩こうかと色々と考えて先ずは近場の山に出かけることに。

先週歩いた矢筈山からの女体山は長尾女体山と呼ばれ、

さらに東に石田女体山東女体山(五名女体山)と続き、

その三つを合わせて女体三昧と名付けたのはエントツ山さんでした。

今回はその女体三昧の言葉がキーワードとなり三つの女体を巡ることにした。ウッヒヒー!

以前に何度か歩いた道だが同じように歩いても面白くないので、

違うルート考え思いついたのが、東女体山から東に辿る道(未踏)。

地形図を見ると電力の電線が続いていて、おそらく保線路があるだろうと推測して、

大窪寺をスタート地点として周回することにした。

今日のテーマは『四国のみちと電力保線路』と小さく女体三昧


朝出かけに奥様に『今日は何処に行くん?』と聞かれ、『大窪寺辺り!』と言うと

『女体山?』と返ってきた。『??』と思ったが、子供が小さいころに家族四人で

『女体山に登るぞ!』と出かけたことがあった。その時に大窪寺からの登りで

奥様がギブアップして途中で引き返したのを憶えていたようだ。

当然奥様には女体三昧などと口せず、『そう、そう!』と応え不埒な気持ち?は抑えて出発!


大窪寺の第一駐車場に車を停めて門前のお店を横目に見ながら歩いて行く。

秋には紅葉で染まる参道も今は新緑で覆われている。




門前からは東に四国のみちの案内板に沿って歩いて行く。一旦国道377号線に出て少し下ると

南に下がる標識あり折り返すように民家の見える道へと下って行く。







民家の横を通り里道を進むと道の脇には大窪寺までの丁石が点在している。







道が小さな川沿いになると山側から崩れた土と石が堆積して少し荒れ始める。

歩きづらい道を進んで行くと川の反対側に渡る場所にでた。川と石段が何とも言えず良い感じだ。







最近使っているデジカメが接写のピントが上手く合わずせっかく写した花がいつもピンボケで、

今日は久しぶりに以前に使っていたデジカメを持ってきた。すると思いのほか上手くピントが合っていくので

ついつい道の脇の小さな花を立ち止まっては写しの繰り返しで、なかなか前に進まない。










国道に出る手前で水の張られた田んぼに周りの景色が映り込み、のどかなのどかな里の風景。

国道に出た後反対側の里道へと四国のみちは続いている。しばらくの間はアスファルト道を歩いて行く。










すると道の斜面を走って行く小さな影。お猿さん!

一匹ならまだしも集団となるとやはりビビる。小心者はストックでガードレールを叩きながら、

『こっちに来ないで!』と念じながら歩いて行く。

中生代和泉層群と書かれた説明板のある分岐を長尾東浄水場へと左に曲がると

今度は県指定自然記念物のあかの淵の説明板と道の下に流れる川にはみぞおちの滝

落差20mほどの滝の上部は長年の浸食で花崗岩がなめらかに削り取られている。

この滝が落下する宮川は、日開谷川を経て吉野川(徳島県)に合流しているそうだ。

と言う事はこの辺りの矢筈山山系が香川と徳島の分水嶺になる。




あかの淵を過ぎるとカーブミラーのある分岐。ここは右手にさらに奥へと進んで行く。




コンクリートの急な坂道を登ると一旦下り坂になる。『ありゃりゃ?』本当に合ってるんかなと

思いGPSを確認しながら進んで行くと築山釜と書かれた看板と建物。







谷地の地形が広がり民家が点在する中を進むと廃屋のある分岐に出た。

地形図ではここから左に実線が続いているのでそのまま進んで行くと目の前に大きな砂防ダムが現れた。

これは道を間違えたかと思い引き返していくと、少し下った所に地形図にはない立派なアスファルト道が続いている。

Googleの空中写真でも確認して三差路となった分岐から左に山手へと登って行く。

道の奥に大きな桐の木が薄紫の花を咲かせ、足元では先週も見たタケノコの食い散らし。

タケノコを刺身で食べられるなんて里山ならでは、なんて贅沢なんだろうねお猿さん!







先ほど道を間違え見上げた砂防ダムを左に見ながら進んで行くと、橋の手前で谷筋に電力の鉄塔番号を書いた杭。

『これこれ!保線路はたしかにある!』地形図から予測していた東女体山の取りつきとなる

保線路があることを確認できてまずはひと安心。さらに先に進んで行くと少し広場になった場所に

75番鉄塔への矢印の杭。ただ地形図の実線と歩いている道ははさっきからズレている。








ところが矢印の方向に進んで行くと保線路らしからぬ幅の広い道。さらに道が崩れている。

しばらく歩いても頭上高くに見える電線をすでに越えている。

『果たして本当に保線路はあるのか?』

保線路は当然地形図には載っていないのでGPSは頼りにならず次第に不安になってきたところで

山の斜面に向かって次の杭を発見!『良かった~これで正解!』

ここまで四国のみちと里道を約7km歩いてやっと取り付きに着いたことになる。










保線路は地形図では複雑に入り組んだ尾根を九十九折れに続いていてどんどんと高度を上げていく。

道はあまり歩かれていないのか平ではなく山側から谷側に土が崩れて傾斜が付いてとても歩きにくい。

『よっこらしょ~どっこいしょ~』などと言いながら、鳥のさえずりだけが聞こえる

静かな道を登って行くとそのうちに75番鉄塔に着いた。







鉄塔広場からは北に木々の間から檀特山らしき山の頭が見える。




しばらくは歩きやすい道になって気を緩ませてくれたのに、またすぐに急登が始まる。

立ち止まって一息入れているとすぐ横の新芽の産毛が何とも言えず可愛らしく見える。







603mの標高点まで急登は続き時間は10時20分。下道歩きが長かったせいか、

思ってた以上に時間がかかっている。74番の鉄塔広場で一息入れさらに先へと進む。










道は次第に保線路と言うより登山道といった雰囲気になってきた。

左手奥に今日最初の女体が見えてきた。フ・フ・フ~! (*´▽`*)

相変わらず鳥の鳴く声だけが聞こえてくる道。鳴き声で鳥の名前が判ればさらに楽しく歩けるだろうな~。

自慢じゃないけど唯一判るのは山鳩の図太い声とホーホケキョだけ。







二度ほどアップダウンをすると鞍部の上から道が分かれている。左は保線路。右は東女体山への道。

ここから短いけれど今日初めての直登。道の脇には地面近くにツツジが咲いている。







東女体山の山頂には石の祠と石灯篭。まずは一つ目の女体、ゲットだぜ!

しかしここで疑問が残る。何故この山域に3つもの女体山、神社があるのだろうか?

特にこの東女体山は保線路が無ければ麓からは参拝できるような場所には無い。

それとも参拝に使っていた道を保線路として利用しているのだろうか?

いずれにしても疑問を抱えたままだが残り二つをゲットするぞ!




女体神社の北側に山頂札と三角点がある。四等三角点東女体山







ここからの保全路は踏み固まれていて歩きやすい道。何度かアップダウンをして気持ちよく進んで行く。

女体三昧などという煩悩を、目に映る若葉の緑が浄化してくれる?







ここで今日初めて木々にされぎられずに遠くまで見渡せた。方角から言うと大相山かな?




以前は倒れていたお地蔵さんが綺麗に台座に座って見守ってくれている。

手を合わせて横を過ぎると林道手前の急登となる。保線路らしい樹脂の階段が続いている。







『なんだ坂、こんな坂』と言いながら登ると苔むした間地ブロックとガードレールが見え、

『よ~いしょ』と言って林道に飛び出した。







ここからしばらくは山の北側をはしるアスファルトの林道歩き。

途中からは北側の眺望が開け、場所によっては東側の景色も見える。

二つ目の山が檀特山その奥が笠ケ峰ぽいな~!







先ほどの東女体山への分岐から600mほど歩くと道の南側に今日二つ目の女体山の入り口の立派な鳥居。

ここから段差のある急な階段を登り詰めると石田女体山







神社の手前のもう一つの鳥居を潜ると石祠とベンチがあり、展望台にもなっている。

予定では最後の女体山あたりでお昼にしようと思っていたが、けっこう疲れてきたので

ベンチもある事だし、少し日陰で寒いけれどお昼にすることにした。








お湯の沸く間付近を散策。道の途中には四等三角点北ケ原の石柱がほとんど土に埋まっている。

少し南側にあるもう一つの展望台からは、先ほどよりも高度が上がって東側の峰々が遠くまで見渡せる。







珍しく買った焼きそばは乾いた喉にはあまりよくなく何度もむせる。

展望台の案内板には屋島や五剣山の名前の他に、栗林公園や玉藻公園が書かれているけど

『そりゃ~見えるわけない無理でしょう!』と独りでツッコミを入れる。







少しむつごい焼きそばを食べた後階段を降りて行くと、まだ消化していない胃がむかついてくる。

階段を降り林道を西に歩いて行くと、道の脇には小さな紫色の草花があちらこちらに咲いている。

何故か『セクシャル・バ~イオレット』と口ずさんでいる自分に独りで笑う。

もしここで他の人に見られたら『変な人がおる~』と思われるだろうな。







最後の長尾女体山への階段を登って行くと東屋の横に山頂札。ここで今日の女体三昧は無事終了。

これで何か御利益があるわけではないけど、先ずは今日の目標の女体を三つ制覇して達成や~!。







先週も同じ場所で写真を撮ったけれど今日も一応記念撮影。

見渡す限りの新緑の緑。岩の先のツツジの赤紫色がその緑のアクセントになっている。










林道までの階段を下った後、大窪寺までの四国のみちの今日最後の登りとなる階段を登って行く。







階段を登りきると後は下るだけだが、残りの1kmはほぼ階段。所々で段差が高くスピードは上がらない。

途中で大窪寺の奥の院の標識。『そう言えば何度もこの道を歩いているけれど一度も寄ったことがない』と思い

時間もあることだし寄り道をすることに。







高い岩壁の下にひっそりと小屋らしき建物の奥の院があった。その脇には2対の石仏。

大窪寺の方によってか石仏にはきれいな花が供えられていていた。







奥の院をあとにさらに下って行くと標識にあった展望休憩所。ここで初めて人と遭遇。

若い女性だったがいつもなら色々と話しかけるところだが、今日はソーシャルディスタンス。

『こんにちは』と軽く挨拶をしたら、そのまま女の子は登って行った。

展望所からは朝歩いた国道が見える。石田女体山だろうか、険しい岩肌も見える。







残りの大窪寺までの道も相変わらず階段が続いている。乾いた花崗土は滑りやすく

一段一段注意しながら下って行く。







下りきったところで大窪寺の境内に着く。ここで腕章をした二人の男女。

その腕章には朝日新聞と書かれていて、『すみません、ちょっといいですか?』と声を掛けれた。

非常事態宣言で納経所も閉まり、その取材に来たそうだが『人影のいない境内を見てどう思いますか』と聞かれた。

雪の日にも訪れた事のある大窪寺だが、お遍路さんの姿もなく人っ子一人いないのは初めての事。




少し質問に返答した後大師堂に向かうと途中の藤棚で、青空の下で藤の花が輝いていた。

本来なら色々と祈りをささげる場所さえ人がいない、こんな状況が早く終息する事を願い境内を後にした。




今日は計画では12kmくらいの距離かなと推測したが、結局15kmの歩行距離。

『先週よりも歩いているじゃん!』と。やはり万年腰痛の右の腰が重く、駐車場で登山靴を脱いだ途端に

窮屈な足元も解放された。窓を開け放ち風をめいいっぱい受けながら家路へと車を走らせた。


今日のトラック




今日の3Dトラック