香川県も今週に入り急激にコロナウィルスの感染者が増え、
他人事ではなくいよいよ身近な問題になってきました。
WOC登山部も先週の山行を最後にしばらくの間は団体での行動を
控えることになりました。いつになったら再開できるかは判りませんが、
当分は各自で行動することになりました。三密、外出自粛と県独自の
緊急事態が宣言され、とにかく不要・不急という事です。
ただ外出といっても人ごみの多い場所と、誰もいない場所とでは意味合いが違うと思い、
週に一度の山歩きで体力維持をしている身としては、これからもできるだけ人との接触を避け
山歩きを続けていこうかと思っています。
WOC登山部での山行は事前に案内して参加者を募っていたのですが、
一人で出かけるとなるとその必要もなく、以前に独り歩きしていた時のように
今回も昨日の夜まで行き先を決めず、さてどこに出かけようかと考えていたところ、
目に付いたのが四国新聞に載っていた雲辺寺の積雪40cmという記事。
この冬は暖冬と云われていたのに4月に入って珍しく降った雪を
名残雪(なごり雪)、と書かれていました。
なぜか『汽車を待つ君の横で僕は・・・・』のフレーズが浮かんできて
『香川で見る雪はこれが最後ねと・・・・』雪見に出かけてきました。
丁度、今回もグランマー啓子さんが大川山のレポートを目にしたばかり。
雲辺寺で積雪があったなら大川山もまだ雪が残っているだろうと思いでかけてきました。
特にグランマー啓子さんが歩いた道は、いつも歩くだいせんみちの南側の支尾根を辿る古道?
これなら途中でまず人に会う事もなく歩いて行けそうです。題して『なごり雪と大川山古道』
地元で事前にお弁当とスポーツ飲料を購入して琴南公民館へ。途中の県道39号線からは
雪の残る白い山肌と芽吹いたばかりの新緑が朝陽が当たって輝いています。
公民館の駐車場から国道にでて、しばらく南へ歩いて行きます。
途中に『大川山のぼり 三十九丁十二間実測』の石碑があり、ここから『だいせんみち』がスタートします。
1丁(町)=109.09m、1間=1.82812mですから(109.09×39)+(1.8182×12)=4,276.3284mになります。
実測とあるのですが誰がどうやって測ったのでしょうか?
さらに進むと東からの県道39号線が合流する交差点を森林管理道へ西に入って行きます。
アスファルトの管理道を登って行くと啓子さんが書いていた通り、
切り通しの法面をフェンスに沿って登って行く道がありました。ここが登山口となります。
思っていたより道幅はあり、落ち葉の積もる道を登って行きます。
先週に続いてツツジの花が目につきます。
ユキモチソウは上に延びる葉が天女の羽衣のように見え、何とも言えないシルエット。
真ん中の花は名前の通り白いお餅(アイスクリームの雪見大福)に見えます。
陽のあまり当たらない場所ではまだまだ蕾も多く、これからまだしばらくは楽しめそうです。
花に見惚れて歩いていると、所々でこんもりとなっている“タヌキのため糞”を踏みそうになります。
谷側に目を向けると花の散った山桜が紅葉しているように見え、新緑とのコラボ!
人の歩かなくなった古道にしては道は明瞭ですが、この道はとにかく倒木が多く、
跨いだり潜ったりのまるで障害物競走をしているみたいです。
地形図に実線で載っている林道に出ますが、そのままテープの方向に進んで行きます。
ここで今日初めての残雪!
道は林道に合流して、作業小屋のようなプレハブの右側から回り込みます。
次第に雪が増えてきました。
『ありゃ~また倒木が!』。以前からではなくこの週末に吹いた強風で倒れたような木もあります。
いよいよ積雪が多くなってきました。雪が降ってから晴天が続いたので
アイゼンまではいらないだろうとふんで持ってこなかったのですが、
ざらめ雪とはいえやはり斜面になると足が滑ります。
さらに道幅の広い車道にでました。ただ車道の手前で猪避けの柵があり、しかも柵の上には電気線。
出入りができるはずの正面の入り口には南京錠がかかっていて開けることができません。
柵の上の電気線で乗り越えることもできず、ここまで来て引き返すこともできずお手上げです。
仕方がないので脇の柵のジョイント部分を繋いでいる針金を十徳ナイフを取り出して解いてみます。
意外と固く結んである針金に悪戦苦闘する事十数分、なんとか解いてジョイント部分を広げて潜りました。
(もちろん結んであった針金は元に戻しました)それにしても啓子さんはどうやって越えたんだろうか?
南に向かって開けた場所ですが、結構な積雪です。これだと日曜日はもっと積もっていたんだろうな~。
積雪の後、だれも歩いていないはずでが、可愛い足跡は続いていました。
雪原の向こうに見える竜王山に続く稜線の奥の、徳島の山にも雪が積もっているのが見えます。
アスファルトの上に積もった雪もズルっと足が滑り注意深く歩くので疲れます。
車道を道なりに歩いて行くと天文台に着きました。
自然科学館へと続く道にもまだたっぷりと雪が積もっています。
WOC登山部では他の人の写真ばかり撮っていたのですが、
ひさしぶりの独り歩き。久しぶりの自撮りをしています。
キャンプ場もひっそりと静まり返っています。少し離れたバンガロー棟の間を下って行く男性の姿が見えましたが、
今回は声を掛けるのは控えました。
いつも休憩する炊事棟の屋根の下でザックを降ろして休憩。
お弁当を食べるのにはまだ時間も早いので、行動食をお腹にいれます。
山の名前を記した案内板も雪に埋もれていて、南側に見える峰々も特定ができません。
屋根から雪が融けて落ちる雫の音と離れた場所から聞こえるヤマガラの鳴く声。
でも今日はヤマガラも姿を現せてくれません。
大川神社の境内に入ると今日一番の積雪。神社の石段にも強風で木が倒れています。
雨乞いと安産の神様の大川神社。今はどちらも必要ないので、コロナの終息を願いお参りします。
社殿の裏に回ると三角点。1042.8m点名『大川山』二等三角点、県内では2番目に高い三角点です。
大川神社の北側から遊歩道を下って行きます。先ほど見かけた男性のものか、雪には踏み跡があります。
すると下から登って来る女性が3人。すれ違う時にさすがに無言ではおかしいので
距離をおいてお話をします。『あと少しですから、頑張ってください!』
遊歩道から車道に出る手前の急坂。気温の低い冬場なら斜面が凍っていていつも一番危ない場所ですが、
今日は融けかかった雪。と思っていたら板に桟を打ち付けた場所でツルっと滑って最後に尻もちをつきました。
車道から少し北側にある展望台へ歩いてみます。
展望台からは中讃から西讃にかけての眺望が春霞の中開けています。
展望台から戻り杉林の中の雪に埋もれた階段を下って行きます。
急な坂。先ほどの事もあるので慎重に下ります。
車道に出るとここでも強風による倒木で道が塞がれていたのか、撤去作業が行われていました。
道の雪が消え、14丁石の辺りまで来ると先ほどの冬景色から、いっぺんに春の様相になりました。
足元からくる冷気もなくなり、陽が当たる道の脇には可愛らしいスミレの花が目につき始めます。
歩いてきた往路の支尾根の山肌も春色!正面に笠形山も少し霞んで見えます。
車道から脇にある隋神門に寄り道してまた車道歩き。
最後までツツジが目を楽しませてくれます。
標高差800m、歩行距離約10km、行動時間5時間30分の
久しぶりの独り歩きが新鮮な一日でした。しばらくはこうした休日が続きそうですが、
また興味の沸きそうな山やを探して出かけてみようと思います。
帰り道で見える山もまさに『山笑う』そのもの。
立ち寄った公渕公園もボタン桜がそろそろ満開。季節は世間に関係なく何事も無いように移っていきます。
今日のGPSトラック
今日の3Dトラックです!