今日の登山部は来週の六甲山遠征に備えて足慣らしで
高知の鷹羽ケ森を登る予定にしていたのですが生憎の雨。
さすがに雨降りで登るのも厳しそうなので県内の里山を歩くことにしました。
ここのところ世界中で吹き荒れている嵐は、ひょっとすると都から遠いこの讃岐の地に流され、
怨霊となった崇徳上皇の怨念がこの現代に復活したのかもしれないと我々は推測。
西行法師が御陵で和歌を詠み上皇の怒りを鎮めたように、WOC登山部も
その西行法師の道を辿り、御陵にお参りしこの嵐が静まるようお参りをすることにしました。
雨にもかかわらず8名のメンバーが参加。青海神社の駐車場からスタートします。
この青海神社は崇徳上皇が白峰山で荼毘に付した際に、たなびいた煙がこの地に降りて
文字になり、消失した後に一つの玉が残った不思議な現象に心を打たれた
福家安明が社殿を造営し、上皇の霊をお祀りしたといいます。
まずは我々もここから崇徳上皇の霊を弔います。
参道の脇から西行法師の道が始まります。道の脇にはソメイヨシノが満開です。
ここから御陵まで1.3km、標高差230mの登坂は約800段ほどの石段になっていて
道の脇には崇徳上皇や西行法師の歌を刻んだ88基の歌碑と石灯篭93基が並んでいます。
その石灯篭には寄贈した個人や社名が刻まれていますが、
神聖な気持ちで歩き始めた横でやまじいが、
『この石灯篭いくらするんやろ?』と言い出しました。
すると麺法師さんが『10万円?』
ルリちゃんが『そんな安ないわ!』などと
下世話な話が始まりました。『あ~いやだ、いやだ!』これだから・・・・・!
しばらくの間はきれいに製材された石段が続いた後、石畳の坂道。
濡れて苔の付いた石の表面はとても滑りやすく、やまじいが
ブツブツと『滑る~、滑る~!』と小声で独り言を言いながら歩いています。
横で聞いているとひょっとしてボケ始めたかなと思いました。
石畳の坂道が終わると、表面が粗い石段です。
見上げると遥か上までその石段は続いています。
先頭をあっちゃんが3週間ぶりにもかかわらず元気に登って行きます。
前回登った時は恒例の二日酔いで脂汗を掻いて登った石段です。
一番長い石段を登りきると御陵の前の広場に出ました。
ここでも背の低い可愛らしいソメイヨシノが咲いています。
厚く敷き詰められた玉砂利をシャリシャリと音をたてて歩くと
次第に神聖な気持ちになってきます。そして御陵の前の最後の石段を登ります。
石の玉垣で囲まれた御陵の正面には横倉山と同じような形をした門があります。
✖を二つ重ねたようなこの門扉には何か謂れがあるのでしょうか?
それとも単純に絶対に入るな!のバツ印なのでしょうか?
それでは隊長が今日の目的の崇徳上皇の怨念を鎮める為の参拝をします。
『よしや君 昔の玉の 床とても かからん後は 何にかはせん』
(死んだ人には現世の栄光も権力の座も無縁のもんですよ!)
『どうぞ静まり返ってください。世界が平和になりますように!』
この参拝によって今の嵐が静まり返るかどうか解りませんが、取りあえず今日の目的終了です。
御陵の横から白峰寺へ。やはりこのご時世、しかも雨の日。
境内には人影はなく静まり返っています。まずは崇徳天皇の御廊所の頓証寺殿へ。
社殿の横には天狗?
崇徳上皇との謂れが深い西行法師の石仏は、なぜか品祖?
境内には至る所に花が咲いていました。
本坊の前には今が満開!シダレサクラが見事に咲いていました。
珍しくシャクナゲとサクラの競演!
人気のない白峰寺を後に、まだ時間も早いので前回歩いたへんろ道を辿ります。
霧がかかり薄暗い遍路道に色鮮やかなツツジ!
自衛隊の演習場の脇を抜け県道へでるとしばらくはアスファルト道。
白峰パークセンターでトイレを済ましてから白峰展望台に。
ここでは満開のサクラの花に霧がかかって幻想的な景色が広がっていました。
白峰展望台から往路の西行法師の道へと降りて行きます。
ひなちゃんのご主人が転んでけがをしたと聞く石段を二の舞を踏まないよう下ります。
最初の石段は下に傾いていて滑りやすく、一歩一歩注意しながら下って行きます。
注意しているはずが後ろですて~ん!
やっさんが尻餅をついてしまいました。幸い怪我はなくホッと。
石段を今日ほどゆっくり注意深く降りたのは初めてです。
相変わらず雨が降ったりやんだりの天気の中、山肌のヤマサクラが一瞬あざやかに!
雨の日の単調な山歩きに今日は予想以上のサクラが花を添えてくれました。
山を下りてメンバーのリクエストで国分寺町の山下うどんへ!
この山下うどん。ある意味でレベルの高いうどん屋さん。
一抹の不安を抱えながらお店に入り『かけ・そのまま』を注文。
(麺そのもののコシを味わうのなら、そのままだ!と店主に言われないように)
注文してお金を払って出汁の入ったウォータークーラーから出汁を注ぎ席に付くと、
ルリちゃんがカウンターの横にあったヤカンからどんぶりに注いで
『ギャ~!出汁じゃなくてお茶や!』と。
その横でまゆゆが『かき揚げもうないんですか?』と聞くと
『あるだけや!』とそっけい返事。
さらにやまじいが『玉売りできる?』と聞くと『だいぶん待ってもらわないかんで!』
『持って帰って食べても美味しいないで!』と。
いやいや、やはり普通のお店では味わえないやり取りで、
傍観者としてはとっても楽しいお店でした。
雨の日の山歩きは眺望もなくつまらない山歩きになるかと思っていたのですが、
至る所で桜!桜!の思ってもいなかった桜三昧。風情のある幻想的な景色を楽しめた里山歩きでした。