KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

まだまだリハビリ登山の寒峰

2022年03月26日 | 四国の山


ほんと、ギックリ腰の治りが遅くなって、寄る年波には勝てないと

つくづく実感している今日この頃。

先週、鶏足山から降りてのコーヒータイムで、次週の予定は?と

奥様たちと話をしていて、『川井峠の枝垂桜と天行山・東宮山』を

歩いて見ませんかと話したが、家に帰って調べてみると、過去には

4月中旬辺りで出かけていた。ネットの情報にも3月末から4月中旬が

見頃と載っている。しかも今年は花の開花が少し遅い感じがしたので、

予定を変更して『春の妖精をもう一度観に、寒峰に登りましょう!』

と奥様たちに連絡した。その時は一週間後には当然もう腰の状態は

良くなっているだろうと思っての事だった。

だが1週間経ってまだ腰と背中に張りがあり、鎧を着ているような感じで、

変な動きを少しでもしようものなら直ぐ再発しそうな感じなのだ。

とは言ってもこのところ奥様たちには軽めのリハビリ登山に付き合ってもらっていて、

そろそろ二人の不満が爆発しそうなので、今回予定は変更せずに出かけてきた。


昨年から奥様たちと3人で行動してきたが、3人だと天気予報をみながら

日程を気軽に変更できるのが少人数のいいところだ。今週は水曜日の天気が

怪しかったので、雨降り後の中一日あけて今日金曜日に出かけてきた。


登山口となる住吉神社までは集合場所の道の駅さいたからでも

意外と時間がかかる。吉野川沿いの国道32号線、そして大歩危からは県道と

国道を祖谷川に沿ってくねくねと走り続けて約1時間30分で住吉神社に着いた。

道中で『今日はピストンと周回どちらにしますか?』とルリちゃんに聞かれ、

『山頂までの時間と様子で決めましょう。』と答えたが、本音を言うと時間と

言うよりは、自分の腰の状態の様子見だった。距離的には上の登山口から

スタートした方がいいのだが、周回するのなら住吉神社に停めた方が最後に

登り返さなくていいので、『どちらになってもいいように住吉神社に車を停めます!』

と話をした。神社の上の道の脇には2台の車とバイクが1台停まっていた。







神社の左奥に小さく寒峰道と書かれた札が掛かっていて、竹林の中からのスタートになる。










登山道は竹林から徐々に杉林の中の道になる。間伐され枝打ちされ手入れされた杉林は、

人の手が入らなくなった薄暗い杉林と比べると、日差しも届いて歩いていても気持ちがいい。







道は作業道と登山道が交互に続いて行く。スタートから20分ほど歩くと、前方の上の方に

ガードレールが見え始めた。道は右に振っているが、あっちゃんはガードレールめがけて

直登したいと言う。『ハイハイ、それじゃお独りでどうぞ!』と言って、ルリちゃんと私は

道なりに歩いて行くと、林道の真下にでた。そのままコンクリートの擁壁に沿って歩いて

行くと、上の登山口の正面に飛び出した。







登山口の脇には6台程車が停まっていたが、その内の5台の香川ナンバーは

目いっぱい間隔を詰めて停めていたので、おそらく同じグループなのだろう。

二人で一息入れていたが、あっちゃんがなかなか登ってこない。

大きな声で呼びかけても声がしない。しばらくするとあっちゃんから電話がかかってきた。

『もう直ぐ林道に出ます!』と。このところのいつものパターンで、あっちゃんは

とにかく直登や難しそうな道を歩きたがる。そしてルリちゃんは巻き道、安全そうな道を選ぶ。

そして大抵はあっちゃんの方が時間がかかって、その度ルリちゃんに『急がば回れやで!』と

言われているのだが、今回もそのパターンで結構時間がかかってあっちゃんが現れた。


最近は県内の里山ばかりでストレスが溜まっていたのか、奥様たちは快調に飛ばして行く。

右手に見えるのは落合集落だろうか?周りの山並みも見渡せる場所に来た。

里山だと登山と言うよりは山歩きといった感じだが、ここまで登ってくると久しぶりに

山登り、登山をしているという感じがする。








下の群生地の手前にも、登山道の下に一ヵ所群生地があった。道に苔のついた大岩か点在し始めると

下の群生地も近い。道の脇には花の開く前の白いミツマタが数本。







群生地には先客が何人かいた。明るく日差しが降り注ぐ谷あいに、春を待ちわびた黄色い

妖精たちがあちらこちらで踊っているように見える。










鶏足山では群生地にはロープが張ってあって、あまり近づけないが、ここでは遠慮なく間近で撮れる。

ただその分小さい花を踏まないように注意して歩かなければいけない。

蕾の花も多く、まだしばらくは登山者の目を楽しませてくれそうだ。














群生地からは上部を回り込むようにして山頂への道が続いている。

雨の降った一昨日から中一日おいて路面は乾いていたが、これがぬかるんでいたら

けっこう歩きにくそうな急登が続いて行く。










群生地からの斜面を登りきると杉林の尾根に出た。『ここから急登ですよ!』と

あっちゃんに言うと、『ここまでもけっこう急だったわよ』と。

道標の脇で休憩していた男性3人組が先に登って行った。間隔を開けたかったので

しばらく休憩した後急登に取り付いて行く。右は緩やかな杉の人工林、左は群生地に

向かって急な斜面になっていてその際を急登は続いている。斜度でいうとストックで

登れるのでそれ程でもないが、とにかくこの急登は延々と続いて行く雰囲気がする。

腰の張りはそれほどでもなかったが、ふくらはぎと太腿の張りが半端ない。

それでも何とか15分ほどで登りきった後、広くなった尾根でたっぷり掻いた汗を拭き、

スポーツ飲料をゴクリと飲む。立ち止まって変な姿勢をとると足が攣りそうになる。

















緩やかに広い尾根を歩いて行くと先行していた3人組が見えた。

1415mの三角点まで来ると、奥様たちが違う男性の3人組と話し込んでいる。

少し遅れて着いて話を聞くと、奥様たちの高校の先生と同級生だそうだ。

今日は三豊の七宝山周辺を毎週火曜日に歩いている会で、総勢20名以上で来ているという。

上の登山口で停まっていた車はやはり一緒のグループだった。














その先生と同級生に別れを告げ四等三角点 栗枝渡 1415mから北に向かって尾根を進んで行く。

この辺りからは所々で残雪が目につくようになる。













1518mの西寒峰の東側を回り込むようにして歩いて行くと、

上の群生地だろうか、大きな木々の根元に福寿草が咲いている。










上の群生地の先はいつも雪が最後まで残っている広い窪地に出る。







足の張りはピークに差し掛かっていたが、コースタイムでは後25分で山頂だ。

道の両側に大ブナが立つ尾根を登って行っているとあっちゃんが

『ねぇ~お腹空かん!』と聞いてきた。『ハイ、私もペコペコです。』と答えると、

『ルリちゃん、お腹空かん!』と今度はルリちゃんに聞いている。どうやらここで

おにぎりのひとつでも口にしたいらしい。するとルリちゃんが『私は空いてない!』と

つれない返事。それを聞いてしょんぼりするあっちゃん。

『え~まだ20分以上も歩くんやろ』『私が行き倒れになったらどうするん』と

小さな声で愚痴を言いいながらも、仕方なく先を行くルリちゃんについて行く。













冬枯れた木々の中の道を抜けると、山頂近くの笹原の道になった。

ここで先行していた団体さんに追いついた。団体さんの中にはあっちゃんの先輩の顔もあった。










山頂は360度遮るもののない大パノラマ。祖谷の深い谷あいの奥に、

雪の残る剣山から天狗塚への稜線がまず目に飛び込んできた。奥様たちも大感激のご様子。




南には四国のゴールデンルート



東は太郎・次郎から矢筈山・烏帽子山方面



矢筈山とさがり禿



次郎笈と剣山



西には中津山と国見山



山頂では三人の写真を団体さんの男性に撮ってもらって、後ろから続々と来る人に、

少し東に下った風の当たらない場所でお昼ご飯をとることにする。













腰を降ろした場所からは落合峠へと稜線が続いている。

以前に独りで落合峠から往復した時は、天気が良くなく、最後はくたくたで

あまりいい印象はなかったが、ここから見る限りではいい感じの尾根が続いている。







お昼ご飯を食べ終えると、奥様たちはすでに周回コースの心づもり。

足と腰に不安は残るが、下りなら何とかなるだろう。

それよりも久しぶりの笹原稜線歩き、山に来た~って感じがして気持ちがいい!

稜線の北には椀山の放牧場が見える。

その椀山の北側にはあの井川スキー場がある。そうなのだ今回のギックリ腰の

原因となった大転倒した井川スキー場なのだ。













寒峰山頂の東側のピークの手前で、周回コースの分岐になる。

道標に従って下って行くのだが、これがなかなかの急坂だった。

雪が融けたばかりの道は踏み跡も薄く、度々その薄い踏み跡を確認しながら下って行く。







東に向いていた道が南に振ると、右が自然林、左が人工林の広い尾根道になる。

その道が杉林だけの道になるとモノレールが道の脇に現れる。

資材を運ぶにしては小さすぎるし、『何のためのモノレールかな?』と言いながら

そのモノレールに沿って続いている登山道を下って行く。
















標高点の1279mまで来ると、前にいた二人が立ち止まってスマホを覗き込んでいる。

周回コースとしては、ここから左に1094mの標高点を回り込むような道になっている。

ただモノレールは右に折れて続いていて、地形図でもそのまま真直ぐ下ると林道の近くまで

降りられるように見える。

破線もなく登山道でもないのでルートとしては不安だが、モノレールに沿って下って行けば

そのうちに車道に出るだろうと思った。もちろんあっちゃんはそのつもりで、

こちらを見てニヤニヤしている。そして少し考えているルリちゃんを説得するため、

私に賛同を求めてきた。周回コースだと回り込んでまだ距離がありそうだし、

道はないがモノレールがあるしと、あっちゃんのショートカットしようという案に、

安易に賛同したのが大きな間違いだった。





最初に、私がこれから急坂が始まるという何でもない場所で足を滑らせ、

また大きく前のめりに転倒した。しかも今回は最初に地面に着いたのは手でも背中でもなく

顔だった。一瞬、首の骨が折れたんじゃないかと思うくらい大きな音がしたが、

幸い起き上がって見ると痛みは無くなり、少し寝違えた感じの凝りが出ただけになった。

考えてみるとどこの山でもミカン畑でも、この手のモノレールは人が歩けないような斜度の

場所に運搬用に造られている。当然、ここの斜度も半端なくまともに立っていられない。










自然林の中から杉林の中になるとさらに傾斜は急になり、足元は杉の枯れ葉と枯れ枝で

覆いつくされ、足を踏み出すのも困難になってくる。時々奥様たちからも悲鳴が聞こえてくる。

いよいよ地形図の沢筋まで降りてくると視力2.0のルリちゃんが、モノレールが川を

渡っているのが見えると言っている。さすがに平均台の様にしてモノレールの一本橋を渡るのは

無理だと判断して、モノレールからは離れて左にトラバースをしていく。

傾斜がいくら急でも、足元がどれだけ悪くても、モノレールを手摺代わりに下れば

何とかなったが、モノレールから離れると途端に進み辛くなる。














最後の沢への下りでは掴まる木もなく、足元が柔らかすぎて

さすがの奥様たちも困難を極めている。こんな道わざわざ歩かなくてもと言った感じで、

ルリちゃんが『こんなにお尻を汚したわ!』と、お尻をつきだしてアピールしている。











沢まで降りると対岸の上に先ほどのモノレールが川下に向かって続いているのが見えた。

手前の沢筋は水際まで斜面になっているので、取りあえずモノレールに向かって渡渉する。







右岸へ渡り、モノレールと給水パイプが並行した間をしばらく歩くと、林道に飛び出した。

昨年から三人で歩いてきて、道を外したりした時に荒れたり籔いていたりした斜面を

何度か下って来たが、今日のこのショートカットは意図してコースを外したものの、

今までで最高に近いワイルドな下りだった。奥様たちは二人とも、帰りに買い物に寄れないくらい、

ズボンの表も裏も登山靴も滑ってドロドロに汚していた。

1094m経由のコースタイムは1時間15分。ショートカットの時間は約1時間だった。

今回確かに時間短縮にはなったが払った代償(疲労度)は大きかった。

林道に飛び出した瞬間に『あ~楽しかった!』と満面の笑みのあっちゃんと

疲労度MAXのルリちゃん。そして私はと言えば、アドベンチャーコースのお陰?で、

腰の痛みも足の張りもいつの間にか忘れてしまっていた。













林道からは住吉神社まで30分のコースタイムになっていたが、道の脇のミツマタの

群生地を眺めながらも、意外と早く15分ほどで車を停めた場所に着いた。











住吉神社から国道まで下り、朝来る途中で話をしていた落合集落展望所に寄り道をする。

祖谷川を挟んだ高台にトイレと東屋のある展望所からは、祖谷川から山の頂部に続く落合の集落が

正面に見える。高低差390mの急傾斜地に集落を形成していて、国の伝統的建造物群保存地区に

指定されている。ここでベンチに腰掛けコーヒータイムにする。










しばらくその山村風景を眺めていると、徳島県と書かれた車とジャンボタクシーがやってきて、

その車から降りてきた職員らしき男性が、ジャンボタクシーに乗ってきた女性陣に

色々と説明をし始めた。コーヒーを飲みながら何気にその説明を聞いていると、

保存地区に指定されているのはいいけれど、この落合地区には新しい家も建てられず、

桜の木の一本も植えられないそうだ。暮らしも景観もそのまま残しておくと言う事か。

それが住む人にとっては果たしてどうなのか・・・・。







谷あいで少し陽が落ち始めると肌寒くなってきた。落合地区展望所を後に竜宮崖公園の

吊り橋を渡りに最後の寄り道。太いワイヤーで張られた吊り橋は、先週のかずら橋と比べると、

随分と安心感はあるが、深いV字の祖谷谷に架かる橋の高度感は半端ない。対岸にも福寿草が

咲いていたが、あまり陽が当たらないせいか開いた花がとても小さかった。










久しぶりの急登と少しだけだったが笹原の稜線歩き。そして奥様たちには鶏足山の福寿草より

この寒峰の群生地の方が自然な雰囲気があって良かったそうだ。

このところ下り坂で大きな転倒をしている私は、毎回落ちた場所が悪かったら酷いことになっていた。

今日も奥様たちがびっくりするほど大きく一回転した。足の筋力がいよいよ弱って来たのか

それとも集中力がなくなって来たのか。

川井峠の枝垂れ桜はまだ先の様な雰囲気なので、来週は別子銅山の鹿森社宅跡と辻ケ峰

歩く予定にしている。グランマーさんがアップしていた一枚の写真に写る

鹿森社宅跡の長い石段に一目ぼれして、春になったら歩こうと話していた場所だ。

ただ延々と続く石段で、新鮮組の階段落ちにはならないように注意しなければならない。

今までは運よく柔らかい斜面だったが、石段で転倒したらそれこそシャレにならない。

来週からは『注意一秒ケガ一生』を念頭に歩こうと思う!(笑)


今日のトラツク


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