KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

今週もまだリハビリ山歩き!

2022年03月17日 | 四国の山


十数年ぶりのスキーで転倒の末、腰痛を再発してはや2週間。

年を取るごとに益々回復するスピードが遅くなってきた。

『あとは日にち薬』とよく言うが、下手すると『月日薬』に

今後はなってくるかもしれない。あ~いやだいやだ!

と言いながら、今週も奥様たちにはリハビリにお付き合い頂くことになった。

ただ何かテーマがないと同意頂けないと思って、今回は題して『花と岩』。

予定では東讃の里山を歩いた後、白鳥町の湊川の河津桜を見物する予定だったが、

先週、吉津の河津桜を満喫したので、里山から県外のお山に目を向け、

スプリング・エフェメラル(春の妖精)の一つの福寿草を目当てに出かける事にした。

ここ最近、福寿草と言えば寒峰より鶏足山に出かける事が多くなってきた。

登山としては歩く距離も少なく、奥様たちにとっては物足りないが、

行場コースの鎖場の話をすると、予想通りあっちゃんが食いついてきた。

あっちゃんはWOC登山部でも来たことはあるが、その日は雨で行場コースを歩いていない。

その1年前に来た時はルリちゃんは、最初のカニの横バイで怖い思いをしたのだが、

あれから3年、『私も進歩したはず!』と言って再チャレンジする事になった。


大歩危駅から祖谷方面に県道を進んで、タイヤショップの手前の脇道へと入り、

集落の中を『鶏足山キャンプ場』の道標に沿ってクネクネと車を走らせる。

集落にはけっこうな数の民家が点在しているが、最終民家を過ぎると途端に

道は荒れてくる。路面状態も悪く落ち葉や枯れ枝、小さな落石もあって

その度スピードを落としながら、車の底を擦らないように慎重に運転をしていると

目の前、道の真ん中に大きなキジが立ち止まっていた。写真を撮りそこなったが

逃げる様子もなく、しばらくじっとしていて、妙に落ち着いたキジと対照的だったのが

後部座席の奥様たち。『キジよ・キジ!』と二人ではしゃいでいる。

キジとのご対面で盛り上がった後、着いたキャンプ場にはすでに3台ほど車が停まっていた。




キャンプ場の広場の南側が行場コースの入り口になる。その南には鶏足山の岩壁そびえ立ち、

その岩壁の北側で陽が当たりにくいのか、苔蒸した大きな岩や倒木がゴロゴロ転がっている。













下から見上げると、『こんな所、登れるのかな?』と一瞬思ってしまうほど

垂直で白く冷たい岩肌が目の前に迫ってきた。岩壁の足元まで来ると左に

踏み跡が続いている。岩壁の足元特有の土溜まりはザレて歩きづらい。










見上げた岩壁の丁度鞍部になった場所が、岩への取付きになる。

上から男性が一人、降りてきているのが見えた。

左に左に登っていたのをここから右に振ってまずは岩穴に入って行く。

穴を潜ってまた左に登ってその男性と離合。そしてまた右に進むと、

例のカニの横バイがある。













まずは私が手本で足の置き方を奥様たちに見せながら渡って行く。

その後にルリちゃんが続く。前回は途中で身動きが出来なくなったが、今回は

少し腰が引けているものの立ち止まることなく渡ってきた。

そしてあっちゃんと言えば、何食わぬ顔をして通ってきた。










カニの横バイを過ぎ一段上がると。4~5mほどの岩壁に鎖とロープが掛かっている。

前回WOC登山部で来た時は、この岩壁は登らず巻き道を登ったが、

今日は当然あっちゃんはチャレンジ。そしてルリちゃんは当然巻き道へ。

この鎖の岩壁と、もうひとつ上のロープだけの岩壁を登りきると、

最後の鎖の足元に着いた。この鎖は長さは子持ち権現の鎖と比べると

35m程で半分もない長さだが、とにかく角度が違っている。











後ろから来たあっちゃんに、『これが例の鎖です!』と指さすと、

見上げたあっちゃんから『わ~!』と声が漏れた。

ほぼ垂直の岩壁に、赤錆びた鎖がぶら下がっている。目を凝らしても

その頂部は見えない。流石のあっちゃんも少し二の足を踏んでいる。

リハビリに来た私はもちろん最初から登る気もない。




鎖の取付きから少し左に登って行くと、斜めに一段上の岩まで登って行ける。

その事をあっちゃんに教えてあげると、さっそく上まで登って行った。

ただそこから鎖は宙ぶらりんになっていて、身体をどうもっていったらいいのか

判らず何度か挑戦するものの、諦めて降りてきた。







血気盛んなあっちゃんも心配だが、独りで巻き道登りにしたルリちゃんも心配になってきた。

岩の上からは姿は見えず、随分と下の方から声がする。

『お~い、こっちだよ!』と呼びかけ誘導する。間違って行き止まりの穴に入ってしまった

ようだが、何とか潜り岩穴まで登って来た。

潜り岩穴のすぐ上は鎖場の巻き道になっていて、段差のあるヶ所にはロープが掛かっている。

















岩壁の横の巻き道を登って行くと一旦尾根に出た。そこから左にもう一段岩を登ると見晴らし岩に出る。

正面には大きな山容の黒滝山。そして右には随分と高い場所まで民家のある西祖谷山村地区。

そして左は山頂の電波塔で直ぐに同定できる梶ケ森が見える。










岩の端に腰掛けてしばらく目の前に広がる眺望を眺める。

人工林の山肌は濃い緑、自然林の落葉樹の山肌は薄い茶色で、

山全体としてはまるで迷彩色の山肌の様にに見える。














見晴らし岩の北側は最後の鎖の頂部にもなっている。あっちゃんと二人で覗き込んだあと、

ルリちゃんの待つ巻き道の出合いまで戻って、山頂への岩尾根を進んで行く。







岩尾根は巻き道もあるが、そのまま岩尾根をアスレチック気分で山頂へ。













山頂には真新しい山名標が立てられていた。すっかり葉を落とした木々の間からは

明るい日差しが差し込んでいる。山頂から南に尾根を進んで行くと

左に福寿草がチラホラ見え始めた。










踏み跡を辿って尾根から左に下って行くと、上の群生地。







上の群生地から急斜面をさらに下って行くと下の群生地。以前に比べるとこの下の群生地の

福寿草の数が随分と増えているように思った。

全体的に群生を撮ろうとしてもコンデジでは見た目ほど上手く撮れない。

北に向かって広がる斜面を埋め尽くすように黄色の絨毯が広がっている。

近づいて花弁を見ると、陽に当たって飴のように光っている。

パラボラの様に反り返った花弁の中心に日光を集め、その熱で虫を誘引しているのだそうだ。


























春の妖精をたっぷりと鑑賞した後はキャンプ場まで下って行く。

2時間もかからない周回だったので、お昼ご飯にするにはまだ時間が早い。

まずはフォレストアドベンチヤー祖谷まで車を走らせる。

駐車場には徳島の北島中学校のバスが6台停まっていた。『いまごろ遠足?』と思って、

あっちゃんが生徒たちに声を掛けてみると修学旅行だそうだ。

コロナ下で県外には行けずに、県内の観光施設での修学旅行とは・・・・。










フォレストアドベンチャーは傾斜や木の高さなど、自然を丸ごと生かしたパークづくりが特徴で、

木の間に張られたロープを渡ったり、梯子を上ったり、木の間に吊るされた丸太を足掛かりに

向こう側まで渡ったりと、スリル満点の体験ができる施設。

いかにもあっちゃんが好きそうな施設なのだが、今日は中学生の貸し切りで利用できなかった。

施設は公園にもなっていて駐車場の下の東屋でお昼ご飯にすることに。

今日はのんびりできると思って、来る途中でおかずを買って来た。

チーズハンバーグとウィンナー。食事の後はコーヒーとワッフル。














お昼ご飯を食べた後は、せっかくなのでかずら橋まで行ってみる。

ずいぶん昔に渡った憶えはあるけれど、今は対岸にかずら橋夢舞台の大きな施設。

そしてかずら橋の横には車が通れる祖谷渓大橋が掛かっていて、秘境感が全くなくなっていた。







ルリちゃんは恐る恐る。あっちゃんはトントンと渡って行っている。

私たちが丁度真ん中あたりまで来ると、渡りきったあっちゃんが引き返して来た。

すると大音量のマイクで『お客さん、橋は一方通行です!』と注意されてしまった。

バツ悪そうにしたあっちゃんだったが、今度は橋の上に居た若い青年に声を掛けて

写真を撮ってくれと頼んでいる。若い男性にちやほやされて嬉しそうなあっちゃん!














周りの環境も随分変わってしまったが、何より気になったのは祖谷渓に架かる橋の高さ。

記憶ではもっと高さがあったように思ったが、意外と低い位置にかかっていて

『あらら?』といった感じだった。







かずら橋からは少し遠回りして県道32号線を車を走らせる。

奥様たちはどうやら初めての道らしく、途中にある小便小僧や祖谷渓展望台を

楽しみながら、山間の春の訪れを感じて帰路についた。














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