KAZASHI TREKKING CLUB

四国の山を中心に毎週楽しく歩いています。

再開したばかりの線で繋ぐはお休みしての花巡り

2023年04月21日 | 四国の山

今週の予定は先週の続きで堂ケ森から二ノ森を歩く予定だったが、天気がどうも

落ち着かない。予報もころころ変わり雨予想から曇り予報の間を行き来している。

予定のコースは四国でもトップクラスの稜線歩き。せっかくなら青空の下で

絶景を愉しみながら歩きたい。『線で繋ぐ石鎚山~引地山』を先週再開したばかりだが、

今週は諦めて別日にする事になった。そうなるとこの所そろそろ開花の情報が

入っているアケボノツツジを今年初で見てみたい。YAMAPではギッチャンさんが

杖立山(高知)を、グランマーさんが工石山をアップしていた。当初は歩いた事のない

杖立山に的を絞ったが、よくよく調べてみたらどうやら先々週歩いた徳島の杖立山

同じように、舗装路歩きが結構あるような感じだ。それなら何度も登っているけれど

自然豊かな工石山をのんびり歩いてみようと言う事になった。


天気予報通り朝から空はどんより曇っていた。高速道路を走る途中でパラパラしたが

瀬戸内側より山間部の方がまだ雲の色が明るかった。大豊ICで降りて、国道439号線を

本山町から土佐町へと走る。途中道の駅土佐さめうらでトイレを済ませて、県道16号線を

赤良木峠へと登って行く。するとあっちゃんが、『こんな道走ったかな?』と。もう何度も

走ったこの道を憶えていない?『ハイハイ、お二人はいつもお話に夢中ですから』。

峠のトンネルを抜け青少年の家の体育館の下に車を停めてスタートする。




青少年の家から登山口までの道に沿って、ドウダンツツジが釣鐘状の花を咲かせている。

そのドウダンツツジの奥に黒滝峰山頂近くの岩肌が見えた。その手前の伐採地からは

朝からチェーンソーの音が鳴り響いてここまで聞こえてくる。











登山口の手前に車が二台。こんな天気でも、やはりお目当てはアケボノツツジかな?

『今日は天気ももちそうなので、黒滝峰と三辻山にも登ってから周回しますか?』、

『黒滝峰まで行けばヒカゲツツジが咲いていると思います!』と二人に問いかけると

『ヒカゲツツジが見たいです!』と即答。

最初は砂利道の林道。その林道の途中から登山道へと取り付いて行く。














杉林を抜けると道の両側は新芽と新緑のプロムナード。緑のシャワーを浴びながら

足元の草花を見つけては立ち止まるルリちゃんとあっちゃん。



タチツボスミレ





ジロボウエンゴサク



今日は急ぐ旅でもなく、あっちゃんが新しく買った登山靴の足慣らしでのんびりと。

相変わらず花の名前はほとんど分からないので間違っていたらゴメンナサイ!









シコクスミレ




杖塚の手前で黒滝峰へのトラバース道へと右に折れて歩いて行く。途中にある

ドロマイトの採掘跡の横を通り、少し下って行くとな・な・なんと通行止めの標識。

先ほどから聞こえてきていたチェーンソーでの伐採作業の為の危険回避の様だ。

ただ伐採地は恐らく黒滝峰近く。この場所から少し先が三辻山への分岐になっている

ので、伐採地を通らずに三辻山・黒滝峰と行けない事もないが、これだけ派手に

立入禁止としているので、今回は諦めることにした。










杖塚へと引き返す。それにしてもあちらこちらで小さな草花が目に入る。






ヤマナシ



シロバナネコノメソウ







杖塚から少し東に進むと尾根道が山頂に向かって続いている。いつになく緩やかな

登坂に奥様たちは『これじゃ足慣らしにならないわね』と宣う。

暫くすると根曲がり杉。ほぼ横に曲がった後に真っすぐに伸びた杉の木は、いつ見ても

『すっごいね~』と感心する。














白鷲岩では今年お初のアケボノツツジが待ってくれていました。

手前のアケボノは割と濃い目の色。岩の下に見えるアケボノは薄いピンク色。

そして岩の上に立つルリちゃんもアケボノ色だ。

















山肌の木々の芽吹きの色も様々で、グラデーションになっていてとてもきれいだ。

東には三辻山が見えるが、その奥の山並みはやはり雲がかかっていた。







途中ではコミヤマカタバミがあちらこちらで咲いていた。まだ陽の当たらない場所では

花が閉じ加減。『私はこれくらいが初々しくて可愛らしくて好き』とあっちゃん。

『私は開いているのが好きだな~』と言うと『あら、私たちみたいに!』と。

思わず『枯れる前・・・。』と口に出そうになったが飲み込んだ。

コミヤマカタバミ



白鷲岩から杉林の中を進み、少し登って行くとこのコースの代表的な場所の一つの

天然ひのき風倒根。このひのきもだが、木の大きさの割には根が浅い。これじゃ

強風の時にひっくり返ってしまうわな~。














いつもはここから山頂北峰に向かうのだが、ひのきの風倒根の横から道が続いている。

直ぐ近くの道標には赤良木展望台と書かれている。今まで何度も来ているがこちらの

展望台には行った事がない。途中にはヤマグルマやヒメシャラの巨木が点在していた。














途中の分岐は赤良園地と展望台との分岐になっていたが、園地の方は規制線が張られていた。

展望台はコンクリート製の古びた感じのする展望台だった。階段の横にはミツバツツジ。

アケボノツツジとはまた違った濃い色で主張している。
















ひのき風倒根まで戻って山頂を目指す。工石山は北回りと南回りのコースが

あるが。その間にもいくつもの道がある。スズタケの道を抜けると、道の脇にも

チラチラとアケボノツツジが目につき始めた。














途中にあるトド岩でもアケボノちゃんが迎えてくれた。いつもは怖がって登らない

ルリちゃんも恐る恐る岩の上まで登って来た。あっちゃんは相変わらず岩の

尖端まで行っている。それを見ただけでこちらは股間がゾクゾクとする。

















『やっぱりアケボノツツジは青空が欲しいね』と言うと、『それは贅沢』とあっちゃん。

確かに雨が降らないだけでもまだマシか。岩の上では小さくツツジが咲いていた。








工石山北峰の手前で今まで比較的緩やかだった道は、九十九折れの道になる。すると

あっちゃんは単調な道に飽きたのか、登山道ではない斜面を直登し始めた。

『急がば回れですよ~』と言いながら、我々はそのまま九十九折れの道へ。







北峰に近づいてくるとアケボノツツジがまたチラホラ。山頂の広場になった場所では

その山頂を囲むように咲いていた。白鷲岩でお会いした女性二人も先に着いて

うっとり眺めている。『素敵ですね』と声を掛けると、『ほんと今日来て良かった』と。











後から来た奥様たちからも歓声が上がる。山頂に置かれた山名盤の後ろには

手が届く高さに大きな花が咲いている。遠目に見ると一色に見える花弁も、

間近に見ると一枚一枚グラデーションが掛かっているのを始めて気づいた。











アケボノツツジを存分に鑑賞した後すぐに『ここでお昼?』とあっちゃん。

『いやいや山頂でお昼でしょう』と言うと『え~~』と。唇を尖らせた。

北峰から山頂までは200mほどだが、先ほど物足りないと奥様たちが言っていたので

校倉展望台の方へ回り道しましょうと言うと、『何分くらいかかるん』とあっちゃん。

歩き足りないと言ったばかりなのに、お昼ご飯で頭がいっぱいの様だ。




大きく丸い山名盤の脇から校倉展望台への道へ歩いて行く。北峰からは一旦下り、

山頂から南西に続く尾根へと回り込むようにして道は続いている。

道の途中には岩肌にしがみつく様にして根を張ったヒノキの大木が何本もあった。










かと思うと、道の途中大きなヒノキが何本もひっくり返っていた。太平洋から

遮るものもなく厳しく吹き付ける風に耐え切れずに倒れてしまった木々ふが目につく。

県民の森として親しまれているこの山のでも、厳しい自然の一面を垣間見ることができる。



ツルシキミ



山頂からの支尾根になるとシャクナゲが道の両側を覆っている。5月になればシャクナゲの

花のトンネルになるだろう。そのシャクナゲの木々の間にもアケボノツツジが咲いている。

また登山道から少し下がった所にはタムシバが白い花を咲かせている。








山頂で最初に目についたのはミツバツツジだった。紅紫の鮮やかな色をした花。

アケボノツツジと比べるとやはり派手な色。控えめな色のアケボノツツジの方が好みだな。











ベンチに腰掛けてお昼ご飯。晴れていれば太平洋まで眺められるこの山頂も、

今日は霞がかかっていて南側の景色はほとんど見えない。














お腹を満たした後はサイの河原へと下りて行く。こちらの道もシャクナゲの道。

山頂からは170mほどを一気に下って行く。









クロモジ




途中にもあちらこちらでアケボノツツジは咲いている。最初に見た白鷲岩のアケボノツツジは

花弁の先が少し茶色がかっていたので、そろそろ終盤の様だ。








途中の大岩からも南側の眺望が広がっているが、今日はどこから見ても霞がかかっていて

ほとんど見えないが、石灰岩の採掘場の土佐鉱山の削られた山肌が何となく見える程度だ。








サイの河原では、あっちゃんが前日に見たYAMAPの活動日記で、サンショウウオを

見たという人がいたので、ぜひ私も見てみたいと言って河原をうろつくが、

私自身も何度も来たが一度も見た事がない。やはり今日も空振りに終わった。














『あ~あ残念!』と意気消沈して歩くあっちゃんを待ち受けていたのは、テンションが

速攻あがるヒノキ屏風岩だった。











屏風岩の横に回り込んで見ると、名前の通り切り立った岩。足元はスパッと

切れ落ちて高度感がある。

今まで曇っていた目がランランと輝き始めたあっちゃん。その様子を見てルリちゃんが

それを察したのか『いらん事せんでええよ!』と岩の下から声を掛ける。

それでも耳に入らないのかナイフリッジの岩を登って行こうとするあっちゃん。

見ているこっちがザワザワしてきた。『は~い、そこまで!』と声を掛けて何とか

途中までで引き留める。

















不服そうな顔をして下りてくるあっちゃん。安堵するルリちゃん。仕方がないので

一旦降りて木々の生えた正面から登ってみせると、当然後ろから付いてきた。

木の根に掴まりながら登ると屛風岩の突先に立った。後から登って突先に立てた

あっちゃんも一応満足したようだ。登るより降りる方が難しい。慎重に下りて行く。














『サンショウウオは見られなかったけど、屏風岩に登れたから良かった!』と

ルンルン気分であっちゃんの足取りも軽い。逆に『もう、いい加減にしとこうで!』と

ルリちゃんはお怒りの様だ。アケボノツツジもサイの河原の辺りだけかと思ったら、

意外とあちらこちらに咲いていて、最後まで目を楽しませてくれる。











ヤッホーポイントから見える山肌にもピンクの色が散りばめられていた。

三人で『ヤッホー』と叫ぶと、きれいにコダマした。『ヤッホー』って叫ぶだけで

童心に帰って気持ちが若返るのはなぜだろう?















屏風岩から杖塚まではほぼ等高線上の緩やかな道。複雑な等高線に沿って道は続いて行く。



杖塚のトサミズキ







春の訪れと共に、山々は若葉の色に包まれ、生命力にあふれている。木々の葉は輝き、

風に揺れるたびに色彩が変わっていく。山の中腹にも緑色のじゅうたんが

広がっているように見え、爽やかな空気が満ちている。緑豊かな山並みが

目に飛び込んでくる春の光景は、まるで新しい命が吹き込まれたかのように鮮やかだ。














新しい登山靴の足慣らしだった今回。天気予報通りの終日曇り空だったが、

思っていた以上にアケボノツツジを見られ、奥様たちはこれだけ見られたのは

初めてだったと喜んでいる。帰り道に立ち寄った高須の棚田には水が張られ始めていた。

季節は春からまた少し移り始めている。











さらに高須の棚田から県道に出る途中で土佐町の町議選のポスターが貼ってあった。

その中に『ん?』見覚えのある人の顔があった!!仙人も街に降りてきてたんだ!(笑)




そして高速での帰宅途中。雨は土砂降りになり遠くで雷の音も。帰宅すると家族が

随分と心配をしていたが、工石山では一切降られることなく楽しい花散策だった。

これもひとえに私の日頃の行いと、来週奥様たちには自慢してみよう!


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