ちょっと、この木の名前はまだわかりません。もっと開いてから。遅い芽吹き。宝石のようだ。
ビートルズ結成から60年、解散から50年。NHKFMが1年かけて「DISCOVERY BEATLES」という番組を四月からやりだしている。その聞き逃し録音を、歩きながら聴いていたら、懐かしくも甘いインスツルメントが流れていた。
曲名を思い出すまで、どんなにか時間がかかり、悶々としたことか。
「ヒア ゼア アンド エブリウェア」
「Here,There And Everywere」
To lead a better life
I need my love to be here
(ただしく 生きるためには 愛が必要なんだ )
・・・・・・・・
I will be there
and everywhere
Here,
there and everywhere
(そこにも どこにも ここにも 生きていくための愛が 存在している)
トチノキの花が開いて、蜜を集めたクリーム色の部屋 蜜が空っぽのピンクの部屋
今日も ハナバチの仲間 クロマルハナバチだろうか 太ももにに昨日おしべからもらったオレ
ンジの花粉をいっぱいくっつけてやってきた。
「トチノキさん おはよう! 今日も少しづつ甘い蜜をくださいな!」
「ハナバチさん おはよう! もうすぐ部屋の蜜は空になります。あるだけ吸っていってください、そして頼みますよ、この黄金の花粉をよその花に届けてくださいね!」
「ガッテンでやんす!」
そんな、声が届いてきそうな夏日の森。ここにも、愛があふれている。季節と花と蜂の愛が結ばれようとしている。
広瀬川の河原。
オニグルミの雌花は、もうすっかりお腹を赤らめて、今年の子供たちを宿そうとしている。
「風さん、ありがとう 川の上流から 強い風が吹いてきて どなたのかはわかりませんが
オスさんの 種をいただきまして 今年も 子供たちをさずかることができました。」
「オニグルミのメスさんこんにちは、今日はそよ風のなりふりですが、こないだは駆け足であちこちの メスさんに オスさんの種を届けることができました。お礼はいりません、すべてはお日様と地球というお星さまたちの約束事のせいですから。」
ここにも、お日様と風と雄花と雌花たちの愛がささやかれている。
ビートルズの固有名詞ぬきのバラード、普遍性に満ちている。宇宙音楽。