冷たい初夏の日が二日ばかり続く。雨は、午後になってようやく止んだようだ。
緊急事態宣言が解除され、野草園も動物園も水族館も図書館も美術館も開きはじめ、不要不急の外出にもゴーサインが出たというのに、この寒さではだれも外に出たくないのであろう。街中を除いて郊外はひっそりとしているようだ。
広瀬川の河畔に、白い花。ノイバラ、ハリエンジュ(ニセアカシア)などにまじって真っ白なアジサイのような花が咲いている。
最近は、「はなせんせ」のようなサイトで容易に助け船を求めることができるのだが、図鑑とにらめっこし、何とかその花の名前を言い当てることができた。。
「ヤブデマリ」(スイカズラ科ガマズミ属 藪手毬)に違いない。雨の上がった頃合いを見計らって、その花の下に行き葉っぱを子細に観察した。というのは、同じ仲間にケナシヤブデマリという名の付く小高木があって、葉に毛のないのがケナシにあたるとのことで、どうしても実地観察してきたかった。
そもそも、ケナシは日本海側とあり、こちら側には住んでいないのだろう。が、図鑑ではヤブデマリでさえ、関東以西などと表記してあり不安であったが、東北森林管理局のHPで盛岡あたりが北限であることが確認できた。
葉裏に微かに毛が認められたので、「ヤブデマリ」と同定。ノリウツギに似ているがアジサイ科アジサイ属のそれとは別種のようだ。
それにしても、ヤブデマリといい、ノイバラといい白さがまぶしい。
「白い花が好きだ」と言ったのは作家の新田次郎。
白い花、紫の花、オイラはどちらも好きだ。
いきなり、田部京子さんが弾く「夏のなごりのバラ」というメロディーがよみがえる。
石垣島の仕事場の昼休みに、目をつむりながら、遠い世界のバラの香を嗅いで、夢見心地に聴いていたYoutubeのあのメンデルスゾーン。・・・・庭の千草。
ヤブデマリの花
五弁の一つが異様に小さい アジサイと違い五弁は装飾花という花で、真ん中のツボミが両性花なのだという。
ノイバラの黄色いおしべとそうではないおしべはどういうちがいなのだろう。匂いを嗅ぎたくても川面に離れていてあきらめた。
田部京子さんの「夏の名残のバラ」Youtube