かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

牧野富太郎博士の珠玉のことば

2020-05-22 15:40:12 | 日記

「日本の植物学の父」と謳われる牧野富太郎博士。彼の著作ではないが、愛弟子の中村浩博士が牧野博士の研究をもとに編集した「牧野富太郎植物記」(あかね書房1973年発行全8巻)を読みだした。

児童書に分類されているが、中村博士の「はじめに」によると「・・・博士が、その九十余年の生涯中、親しく観察記録した膨大な植物の研究をもととし、身近な植物について少年少女のみなさんやお父さま、お母さま方のためにやさしく解説したものです。」とあり、万人に向けられた著作物であることが分かる。

この植物記の1巻目、「野の花1」に中村博士が牧野博士の生前に口述録音し、テープをおこした「牧野富太郎博士のことばー植物はわが友」が記載されている。

この文章が、あまりにもすばらしく、宮澤賢治の「注文の多い料理店・序」を初めて読んだような衝撃を受けた。

全文を掲載するわけにはいかないが、この珠玉のような文章のエッセンスを書きとどめておきたい。

(総論または序論的ことば)

① 自らを「植物の精」と思うほど、子供のころから植物に親しんできた。

② 人の一生で、自然に親しむほど有益なことはない。

③ 自然に親しむには、植物や動物に親しみ、そうすることで岩石や雲などあらゆる自然に親しめるようになる。

④ 自然に親しむには、相手をよく観察し、学ぶこと。これによって、自然は様々なことを教えてくれる。

⑤ 私は、一生貧乏で過ごしたが、みじめな気持ちやさみしい気持ちになったことはない。その理由は、大自然に抱かれて、植物を友としてきたからである。

(各論的ことば)

① 植物に親しむには、その名を知ること。(名前を知らずして友だちになれない。)

② 植物の名前を知ると、親しみを覚え、花のしくみ、葉の形、実のすがたを調べるにしたがい、その植物を覚えるようになり、さらに親しみがわいてくる。

③ 植物の知識を深めるためには、フィールドワークが重要で、採取し、標本をつくることも重要である。

④ 標本をつくることで、分類してキク科やユリ科など検索可能になる。

⑤ 個々の植物の知識が増すにつれて、小説にもまさる面白しろいエピソードも知ることができ、ますます親しみは深くなる。

(結論的ことば=植物礼賛)

① 緑の地球にあって、植物がなければ動物なく人間なし。植物は、人間のエネルギーの源泉である。

② 植物は、人間に役立つばかりでなく、花に代表される美しさから古来人間を楽しませ心を豊かにしてくれている。

③ 科学文明は、人間と自然を引き離し、人間の心を荒ませる要因となっているが、人間はもっと自然に対し謙虚にならなければ、自然にほろぼされる。

④ 植物を友とし、大自然を相手にすれば、荒んだ気持ちもいやされ、自然を大切に思うようになる。

⑤ 植物を知れば知るほど、面白さが増し、さらに知りたいことが増えていく。

 

牧野博士の言葉は、

「たとえあと百年生きたとしても、とうてい植物の全部を知りつくすことができないでしょう。学問というものは、それほどおくゆきの深いものです。」といことばで締めくくられているが、学問に興じて、生涯、野山を仕事場とし、ひたすら植物の研究に実を捧げた姿は、なんともうらやましい。(なんと学歴は小学校中退で、65歳で理学博士となった波乱万丈の人生。!)まさに、「好きこそものの上手なれ」を地でいったヒト。

牧野富太郎Wikipedia

 

牧野博士は94年の生涯、植物に身を捧げ、私たちに、この著作のほか図鑑をはじめ多数のお土産を残してくれている。かぜねこ花鳥風月館も「花」の師をまず牧野先生とし、これらお土産袋を開きながら、その小説よりも面白いという世界を訪ねよう。

まずは、植物の名を知ること。オイラは、まだ牧野宇宙の入り口の前に立っているにすぎない。


ようやく野草園が開園したので歩いてきた。1か月以上ワープし、もうすでに花が終わったものもあったが、いままさに百花繚乱の季節を迎えようとしていた。

その一こまを写真に収めてきたが、写真が牧野先生の標本に代わるものかはなはだ疑問であるが、まさか、野草園の草を採取することはできまい。

 

5月21日 ロックガーデン付近で見られて花々

 

ラン科エビネ属  エビネの仲間だろうが同定できず

 

 

こちらはエビネ ランの仲間は、登山道で出会うことはまずない。だれかが、持っていくのだろう。

 

センリョウ科フタリシズカ  二人なのに三人

 

ユリ科ネギ属 ギョウジャニンニク    北海道で美味しすぎて食べすぎたな あとが臭かったが

 

 

ユリ科チゴユリ属 ホウチャクソウ  寺院や五重塔の軒先にぶら下がっている宝鐸(ほうたく)が名の由来とか

 

キク科ウスユキソウ科 ハヤチネウスユキソウ  早池峰山固有種 日本のエーデルワイス 今年は会えるか?

 

 

ミズキ科の草本 ゴゼンタチバナ 御前橘という高貴なお名前の由来は?

 

キンポウゲ科オダマキ属 ミヤマオダマキ   キンポウゲの仲間はみんな好き

 

 

キンポウゲ科オキナグサ属  花の終わったオキナグサ  翁草の由来はこの白い毛

 

ケシ科コマクサ属  コマクサ   今年も元気に咲いていてくれました 女王様

 

 

バラ科  タカネバラ  ハマナスとは葉の質感がちがうな

 

 

バラ科シモツケ属  マルバシモツケか? はながようやく開いたばかり

 

ツツジ科スノキ属  ツルコケモモ    小さい花で美しさを見失いがち

 

ムラサキ科イヌムラサキ属 ホタルカズラ これは野生で見たことがないが美しい

 

サクラソウ科サクラソウ属   クリンソウ   九輪草  これからどんどん花の輪を重ねていくのだろうか

 

キク科ムカシヨモギ属  アズマギク   もうちょつと赤いのがミヤマアズマギクか

 

   

キンポウゲ科センニンソウ属  カザグルマ  誰がつけたかまっとうな名前だ

   

 

 

 

 

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