先週の土曜日、今年初めてホトトギスの鳴くのを聴いた。記録の持ち合わせがなく、例年により早いのか遅いのか分からないが、いよいよ初夏の主役たちがやってきた。昨日の日曜日には、早朝広瀬川の河原でオオヨシキリも聴いた。土曜日から、北風が南風に変わった。夏鳥たちは、南風によって背中を押されながらやってきたのだと思う。
ホトトギスの鳴き音も好きだが、やはりこの時期になると聴きたくなるのが、カッコウである。晴れ模様の高原の早朝、まだ深い靄が立ち込めるカラマツやシラカバの森の向こうからカッコウの鳴き声があちこちと聞こえ、やがて靄が薄れはじめ、お日様の光が梢のあいだを通っていくすじも差し込んでくる。陽を浴びた草むらには、レンゲツツジのあざやかな朱色が映え、夏鳥たちの歌声が森に響き渡る。
そんなシーンを思い浮かべる。菅平、勢至平、滝沢牧場・・・人生の大半の初夏をカッコウを聴きながらあちこ歩いてきたような気もする。今年は、これらの高原にいまだ足を踏み込んではいない。きっともう蔵王山麓では鳴き始めているのだろう。
カッコウやホトトギスなど托卵をするカッコウ属の鳥たちは、卵をほかの小鳥の巣に産みっぱなしにし、いわゆる子育て放棄の無責任なヤカラと思われているが、そうやって生き延びることを運命づけられているかと思うと、哀れにも思う。卵のあたため、ヒナへの餌やりや巣立ちのしつけなど愛情シーンを経験せぬまま、わが子の顔も知らずに一生を終える、そんな彼ら彼女らの一生というものは、なんて孤独で悲しいんだと思う。そんな、気持ちがあるからなのか、初夏に歌いだすカッコウ属には、さわやかな季節の到来を喜ぶと同時に、ある種の寂しさも感ずるのかもしれない。
芭蕉の句を思い出す。「うき我をさびしがらせよかんこどり」
が、カッコウ属には、まだ知らないことがいっぱい。ほんとに、わが子を知らずして南に帰るのか。一度の交尾で、♂は♀と二度と寄り添わないのか、托卵されたウグイスやノビタキなどは、親よりでかい子らと旅するのかなど。。。
相手の名を知り、生き様を知り、小説よりも面白いエピソードか、花ばかりでなく、野鳥の世界も読み解いていこう。
広瀬川おさんぽ図鑑
5月23日・24日
マメ科ハリエンジュ属 ハリエンジュ(ニセアカシア)
なんという甘い香りだ。アカシアのハチミツはこの花か。どんなハチがやってくるか、見てみよう。
ミズキ科サンシュユ属 ヤマボウシ
甘酸っぱくおいしい実は、小鳥たちも好きなのだろう。
キリ科キリ属 キリ
紫いろも濃い薄いさまざまあって美しい花だ。
スイカズラ科ガマズミ属 ヤブデマリ
ようやく両性花の細かな花が開いてきた。
ケシ科 ナガミヒナゲシのつぼみか
オレンジ色の美しいケシは、外来種で生命力が強いのだという。つぼみは可愛すぎる。
ミズキ科サンシュユ属 ミズキ
小鳥たちの好物の黒い実がたくさん育つのだという。バードウォッチの対象木だ。
クワ科クワ属 ヤマグワ 雌株
クワの実が赤らんできた。
ニシキギ科ツルウメモドキ属 ツルウメモドキの雄花
雌雄異株とのことで、雌株を捜し歩いた。真っ赤な木の実は、小鳥たちの好物らしい。
ニシキギ科ツルウメモドキ属 ツルウメモドキの雌花 雄花株から4~5m隣にひっそり咲いていた。
キク科ヨメナ属 カントウヨメナか
キク科の花は種類が多く、同定はむつかしい。紫いろの種類は好きなので、ていねいに区別していきたい。
アカバナ科アカバナ属 アカバナ ではないようで検索中
花の下で休んでいる蝶はどなた?
ヤマトシジミ 美しい瑠璃色です。
カエデ科 ヤマモミジの翼果 うつくしい淡桃色だ。
トチの花のそれから
すっかり落ちた花の後にめしべだけが残ってお腹が大きく膨らんできた。両性花は、クリスマスツリーの上の方のあることが分かった。
どちらかというとツリーの下方にめしべが多く、ふくらみが大きい。
まだまだ咲いている花に、ミツバチハッチがやってきた。