かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

ようこそ黄金王国へ

2021-10-28 01:26:29 | 日記
夏油三山のうち、駒形山は一昨年登っているし、経塚山への入り口の夏油川渡渉は昨日の雨のため増水しているため不安だし、であれば牛形山と考えていたが、夏油温泉から牛形山への登山道は、一部の道路崩壊のため立ち入り禁止となっていた。
ならば、昭文社「山と高原地図」に「美しいブナの巨木の森」と表記されている丸子峠への道を選択。その先の横岳まで足をのばそう、と薄日の差した未知の森に足を踏み入れる。道標は何十年も整備されず廃れていて、赤布もほとんどなかつたが、道は明瞭で峠から先は刈り払われた形跡もあり心配ない。鷺ケ森山から牛形山までも道はしっかりしていそうなので、牛形山から鷺ケ森の時計回りの周回、立入禁止が解除された来年以降の課題としたい。


よく読めない道標
クマにかじられた横岳の標識

それよりもなによりも「山と高原地図」の案内にある通り、丸子峠にかけたブナの森は見事で、いままさに黄金の王国という風情で、次第に雲がかかって暗くなってきたのにもかかわらず、この森だけは明るさを留めていた。オイラは、黄金色に染まった大木の前で何度も立ち止まっては、シャツターを何度も押した。




が、ブナたちのスケール感と個性に満ちた堂々とした風格の一部さえも取り込めてはいないのだろう。横岳の東側は、夏油スキー場開発によってブナたちの多くの仲間が伐採の憂き目にあったと想像する。スキー場から先、夏油温泉までの道路は、まもなく冬期通行止めのとなることからあきらかなように、山峡の険しさと雪深さが、この森を開発から守ってきたとも言える。横岳山頂から見渡すかぎり、夏油三山と焼石連峰の森は、ヒトの手から免れたブナの王国とみた。色づきの悪いこの年の秋でさえ、輝くことをわすれてはいないようだ。






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