かぜねこ花鳥風月館

出会いの花鳥風月を心の中にとじこめる日記

ブナの実こぼれた

2021-10-19 15:57:51 | 日記

きのうは朝から晴れ予報だったので、北面白山に「モミジ狩り」気分で登ってきたが、一昨年とはちがい、色づきがさっぱりだった。まだ早いのかもしれないが、すでにナナカマドの葉は落ちているし、山頂付近のブナも茶色になって葉を落とし始めていた。朝方、山頂の霧氷が見えたので、これから一段と寒さを増して色づくのかもしれないが、どうも温暖化のせいか、だらだら暖かかったので、蔵王、船形山系は、今年は期待できないなと感じた。週末、晴れ予報なら船形山と後白髭に出かける予定であるが、北面白山から眺める船形山系もくすんでいた。

北面白山の下山ルートは長左衛門平からのゆるいブナの森がお気に入りになっているが、下の方はまだまだ緑で、期待していた西日で黄金色に輝くゴールデンルートとはいかなかった。来週末当たり、もう一度行ってみようか。

ブナの実がほとんど落ちていないので、ことしも不作の年かもしれないが、道端に1個落ちていたので拾ってきた。家に帰って白い小皿に置いていたら、朝になって毬が弾けて、2個の可愛いタネが現れた。育ちそうもないが、あとで鉢に土を盛って春に芽吹くかどうか試してみよう。

ブナの実は、ほとんどがネズミやリス、クマなどに食べられてしまい、育つ確率は9分9厘ないのだというが、それでも豊作の年は数知れないタネを落とし、リスが遠くに運んで貯蔵していた場所を忘れた場合など奇跡的にその場所で育つものがあるのだろうが、それが親もとで子供を育てないというブナの戦略かもしれない。

ブナは、真っ当に育つと200~300年と気の遠くなる時間を生きるのだというが、成長して実をつけ始めるのが、芽吹いてから40~50年後とこれも気が長い話だ。しかし、ブナは実をつけるようになっても、「意識的に」数年に一度しか実をつけないのだという。それで、豊作の年に味を占めて子孫を増やしたクマやネズミは不作が続くと困って、あるいは命を落とすのかもしれないが、ブナ一族の永遠のを繋ぐ意図なのだろうが、クマやネズミが増えすぎるのを調整してやってもいるのかもしれない。

きのう拾ってきて、こぼれ出た2個のタネ。水を入れたコップに入れたら1個は沈んで、1個は浮いた。沈んだ方が芽を出す可能性があるのだという。生きる可能性がある1個のタネ、ぜひ芽吹いてほしい。少し成長したら育ちやすそうな場所に埋めに行こう。

 

 

   

    こんな大人になるなんて、可愛いタネのころは夢にも思わなかったろう。

    

 

     

 

 

 

 


深田日本百名山登頂の思い出  32 苗場山(なえばさん・2145米)

 

頂上一帯が広大な高層湿原の苗場山には、1975年から80年までに2回、みつまたかぐらスキー場方面から登っているが、あるいは1990年代にもう一度同じ道から登って、頂上の小屋に泊まって花の写真をとったのかもしれない。90年代半ばは、ラムダのザックに三脚を括り付けて、あちこち花の撮影をしていたが、苗場山頂で撮ったトキソウの思い出があるからだ。書棚の中から、当時撮っていたスライド写真を探せばメモぐらいあるのだろうが、今はそれを躊躇している。どこか別の湿原で撮ったトキソウを苗場山のトキソウだと幻想していて、真実が分かってがっかりしたくないからだ。それだけ、苗場山の山頂湿原はこれまで目にした湿原で、トキソウたちの花咲く最も美しい場所だと、ひょっとすると浄土なのではと幻想している。

1980年ごろの二度目の苗場山は、当時勤めていた事務所の同僚をK君を連れて行った。埼玉の強豪サッカー高校でゴールキーパーをしていたという屈強な好青年で、山を登ったことがないとのことだったが、苗場山にはとても感動していたので、冬には、冬用の山靴、アイゼンやピッケルなど買わせて秩父の金峰山にも一緒に登った。しかし、オイラは、その事務所を1年9か月で辞めたので、その後彼と山を登ることはなかったし、彼からその後も山に行ってるとは聞かなかった。ずいぶん、無駄遣いさせたようで、申し訳ない。

 

 

 

     

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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