里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

雑草の刈り払い作業で出会う野草

2024年07月25日 | 野山

7月中旬は水田周りの雑草を刈り払う時期です。
田んぼの害虫対策もあって時期はかなり限定されます。
毎年のことでイネの生育の具合で多少違いがあるものの数日前後するくらいのものです。
刈り払い作業をしていると色んな植物に出会います。それを確認出来る機会でもあるのです。
まずは一番気になるネジバナの咲くところ。


一目今年は少ない。
この下は大きな土手です。一部が2019年の台風19号被害で崩落。
復旧作業でネジバナの周辺も傷め付けましたが、生き長らえました。
この畦は珍しく野芝が多く日当たりが良いためネジバナが育ちやすいようです。
伸びている雑草はチガヤです。


もともと群生化していたほどではありません。しかし、数本纏まって生えていたところが何カ所かありました。
今年は明らかに少なく、せいぜい2、3本と言ったところ。


それでも咲いていれば取り敢えずは今年も会えたことに安堵。


この辺りでは通称ネジリバナ。右巻きと左巻きがありますが、確認する余裕はありませんでした。
花を刈り倒してもネジバナは再生します。でもそれはやはり忍びない。


手刈りまではしたくないので、どうしても近くのチガヤは残ります。
昔は方々にありましたが、今は自然に残っているのはここだけです。
こちらはナデシコ。


カワラナデシコが正しいでしょうか。


やはり昨年と同じようなところにありました。いい色合いのピンクです。


見逃しているだけでもっとあるとは思います。しかし、昔からみるとやはり少なくなりました。
こちらはヤブカンゾウ。


刈り払い作業をしていて一番目立つのはこのヤブカンゾウ。
濃い黄色の大きい花は遠目でもはっきりと確認できます。


こちらは方々にあるのであまり前年のことは記憶していません
一般雑草と同じように刈り払いますが、再生力が強いので必ず再会出来るはずです。
この花は特に鮮やかで形も整っていたので、そのまま残しました。


連日、汗だくの作業は楽ではありませんが、野草から一服の安らぎを得ます。


春を告げる野草「福寿草」が咲くも

2024年03月13日 | 野山

当地で春を告げる野草と言えば福寿草。
例年、ほぼ咲き揃うのは3月早々です。早い年には2月中に咲き揃うこともあります。
福寿草は春先の気候を表す格好の指標になっています。
今年は2月20日前から咲き始めました。それまでは暖冬、20℃に達するバカ陽気の日もありました。
この様子なら2月中に咲き揃いそうと見ていたところ、一転真冬の天気に逆戻り。
ここが庭の中でも日当たりの良いところ。


しばしば降雪もあって遅々として開花は進まず、未だ咲き揃ったとまでは言えません。


最も早く咲いたものから見るとすでに20日以上経過しています。
そもそも密度が薄くなっている可能性もあるでしょうか。
数年前イノシシが侵入して傷められ大分少なくなったもののかなり復活したはずですが。
例年なら最も早く咲くのがこの置き石の側。気温が上がりやすいからです。


しかし、今年は咲き出したのは3月になってからです。例年より遅いくらいになりました。
リュウノヒゲの中に花だけが顔を出した福寿草。


これからもう少し咲いてくるとは思いますが、少々寂しい咲き具合です。


早く咲き出したところはもう花びらが散っています。このように実になったものもあります。


これほど差がついて咲くのは珍しい。
こちらは裏山の土手。


群生とまでは言えないものの纏まって生えていましたが、やはり数年前にイノシシに荒らされました。
こちらも庭先と同じ状況。


南傾斜なので日当たりの良いところは2月20日前に咲き始めました。
もともと竜のひげが群生しているため福寿草が劣勢ではあります。
それにしても早いものと遅いものの差が大きすぎます。2月下旬以降の真冬並の寒さの影響が甚だしい。
福寿草は蕾の状態で芽を出し、茎が僅か伸びたかと思うと花が咲きます。それから茎が伸び葉が展開してきます。
こちらは、花が咲いている中にすでに実になっているものがあります。


こちらも同様。


こちらは蕾からほんの咲き始め。


蕾の出始めからこれから出てくるものもありそうです。


残念ながら、今年は一斉に多くの花が咲いている姿は見られないで終わりそうです。
それでも、今年も健気に咲く福寿草を見ることができたのは嬉しい。


クヌギの林を清々しい気分で歩く

2024年02月02日 | 野山

暫くぶりで里山の林を歩きました。
中まで入ってゆっくり歩くのはほぼ1年ぶり。
夏の暑い時期、日陰の林を歩くのは気持ちがよいものですが、残念ながらその頃は余裕がありません。
この時期は余裕はあるものの大雪になれば入れなくなります。今年は極端に雪が少ない。
今年の冬は山歩きも楽勝です。
ここは山と言うより林という言葉がぴったりの所です。傾斜が緩いので散策と言った軽い気持ちで歩けます。
竹林を抜けると間もなく落葉した木々が見えてきます。


樹種は大半がクヌギ。我が家の山林の中では他と違い特異的にクヌギが多いところです。
かなりの大木になっているクヌギの木が多くあります。


昔はここで大量の落ち葉を集めていました。
通常、クヌギやナラのような広葉樹は2、30年ごとに伐採し、薪、木炭、ほだ木等として利用します。
しかし、ここのクヌギの林は伐採せず落ち葉を集めやすくしていたのです。
木が大きくなれば落ち葉の量も多くなるだけでなく、下草も少なくなり運び出しが楽になります。
落ち葉は温床の熱源の材料として使われ、その後は良い腐葉土となります。
小生もよく落ち葉集めの手伝いをしたものでした。
当時でもかなり大きくなっていたので、現在は相当な樹齢になっているはずです。
樹齢100年級のものもあると思われます。
正面の木は2本立て、3本立てになっていますが、根元周りは巨大。


高さもあるので木全体を撮るのは難しい。


しかし、大概の樹木には寿命があり、枯れてきます。


案の定、倒木が目立ってきました。


立ち枯れ状のものもあります。


昔、父は冬場に木炭も生産していました。クヌギは木炭にすると硬く火持ちが良いため高値で取引されます。
数十年前の在庫が未だ残っており、郎党のバーベキューやキャンプなどに重宝されています。
小生もくずの木炭を土壌改良に利用しています。
さらに進むと一段と開けたところに出ます。


下草も殆どなくなります。


1年だけで十分な厚みの落ち葉です。


その下は自然に腐葉土化し土となります。


しかし、腐葉土といえる部分はごく薄く、腐葉土はやはり落ち葉を集め人為的に腐らせる必要があります。
理解はできても、今や実践するのは困難です。
それでも、色んなことを想像しながらクヌギの林を歩くのは気持ちが良いもの。
この時期にしては気温が高く好天で清々しい気分に浸ることが出来ました。


ヤブコウジの群生発見、オモトも健在

2024年01月28日 | 野山

藪柑子(ヤブコウジ)は当地の野山にはごく普通に見られます。


大概はこのように数株が生えていたり、単独で生えていることが多い。


時に沢山自生するリュウノヒゲの群青の実とのコラボを見ることが出来ます。


たまに群生とまではいかないまでも、まとまって生えている所があります。
極々最近、群生と言って良いほど纏まっているところを発見しました。
遠目には全く分りません。ここ全体がヤブコウジで覆われています。


これまで何故気付かなかったかと言うような場所です。
毎年、三度は必ず刈り払いをしています。


たまたま、水路をチェックしようと思い歩いていて分ったのです。
赤い小さな実を見て気付きました。


あまり冬場には歩くようなことがないため気付かなかったのでしょう。
夏場は草が伸び、ヤブコウジは地べたに這うように生えており、赤い実も着けていません。
また、刈り払いに精一杯でそちらに目が向くような余裕がなかったことも確かです。
それにしてもびっしりと生えています。


これなら群生と言って良さそう。


株数を数えれば100の単位になることは間違いないでしょう。
いつ頃からこのようになっていたのか。


ヤブコウジ自体が小さく目立たないので、その気にならなければ容易に分りません。
赤い実を着けてようやく気付かれる存在なのです。
それほどにヤブコウジは気にも留められない存在なのかもしれません。
小生、長い間ヤブコウジは縁起物の千両、万両にあやかって別名を一両と勘違いしていました。
実は一両はアリドオシでヤブコウジは十両と知ったのは近年です。
ヤブコウジもこのくらいあれば千両分くらいの価値がありそうに思えてきます。
そして、こちらは万年青(オモト)。


大きな栗の木の下に纏まって生えています。


ここにオモトがあることに気づいたのは大分前です。記憶に定かではありませんが。
オモトもいわゆる縁起物。覆われていた落ち葉や笹竹を除いてやりました。
自然に殖えてきていると思っていましたが、今年は逆に減っているような気がします。


それでも今年も健在で実を着けてくれました。


自然に生えているので見栄えはよくありません。今年は実も少ないようです。


何故ここにと考えてきましたが、鳥が種を運んだのだろうと推測しています。
何故栗の木の根元なのかは想像がつきません。
ここでもリュウノヒゲとの共演が楽しめます。


赤い実と群青の実が今年も見られました。


こちらは少し離れたところにあり、昨年気付きました。


これは実の数が少し多く大きいようです。
我が家には縁起物の千両、万両はありませんが、多くの南天と万年青、藪柑子が楽しめるのは嬉しい。


シイタケ原木にするナラの木を運び出す

2024年01月20日 | 野山

前日切ったシイタケ原木にするナラの木を運び出しました。
これがナラの木。正確にはコナラ。


シイタケの原木には、切ってから3、4週間置いて玉切りするのが良いと言います。
しかし、大雪などに見舞われると容易に運び出しが出来なくなってしまいます。
リスク回避のため、ベストではないとは思いますが、このようにすぐに約90㎝に玉切りしています。


今回はここからがかなりの重労働です。
運搬車がいけるところまで人力で運び出さないといけません。
まず玉切りしたナラの木をまとめます。


足場も悪く、一挙には運搬機のいけるところには運べないので、4回ほど運んでは置きを繰り返します。
大した本数ではないものの生木なので重く、距離も結構あり相当にくたびれます。
体は汗ばむほどになり、手だけは冷たい。ようやく運搬機のいける平坦なところまで運びました。


運搬機に積み込みます。


年代物の運搬車。一昨年、中古のエンジンに取り替えたものの不調で昨年修理しました。
今度はエンジンはまずまずの状態ながらキャタピラーには亀裂が多数。ゆっくり時間を掛けて動かします。


ハラハラながらも作業場の下屋に搬入しました。


全部で20本余り。
本数としてはこれまでで一番少ないですが、種駒1,000個で打ち止めにするので、この程度だろうと思います。
シイタケ原木にするのは直径10~15㎝が適当とされます。
しかし、20㎝を越える太いものもあり、重すぎるものは少し短くしました。


直射が当たらないよう古いコモで覆いました。


この後、乾き具合を見ながら植菌します。今年は雨も雪も非常に少ないため水分は少なくなっていると思います。
体力を大分消耗したので、補強用に切ったクリの木は暫く放置します。