里山悠々録

里山の家と暮らし、田んぼや畑、そして水墨画のことなどを記録していきます

原木シイタケの稙菌

2025年01月31日 | 山菜

原木シイタケの植菌をしました。
過日伐採した原木のナラの木は、作業場の下屋に搬入しコモを掛けてあります。


当地は長期間降水量が極端に少なく、原木自体が乾いています。切り口にはひび割れが見え始めました。


シイタケ原木は直径10~15㎝が理想とされています。
この原木で約15㎝。


多くは範囲内にありますが、15㎝を越えるもの、10㎝を下回るものも若干あります。
種駒は日本農林種菌の「すその360」という品種。


馴染みの農業資材店では取り扱っているのはこの品種だけ。現在作っている原木シイタケは全て同じ品種です。
開封すればこのようにシイタケ菌が繁殖した種駒が入っています。


今回は種駒500個入り2袋を使い切ったところで本数に関係なく打止めにします。
昨年稙菌した原木が1年目の秋から結構出たのは標準を上回るように打ち込んだことも要因の一つと思われます。
今年も不足しないように駒打ちをすることを心がけます。
作業前に簡単なマニュアルを確認。最初の1本だけは計測し確認しながら植え込みます。
まず電動ドリルでの穴開け。穴の直径は8.5㎜、深さ20数㎜。


マニュアルによると穴の数の標準は長さ1mの原木の場合、太さの直径の4倍以上となっています。
我が家の原木は長さは約90㎝なので換算すると直径の3.6倍。
平均的な原木の直径12、3㎝のものだと45穴くらいが目安になります。
穴の間隔は15~18㎝。


列の間隔は3~4㎝。千鳥に植え込みます。


切り口近くは数㎝のところに穴を開けます。


穴を開けたところに種駒を入れます。


ハンマーで種駒を打ち込みます。


実際には穴を開けたところに少し纏めて種駒を入れます。


そして、纏めてハンマーで打ち込みます。


節の所や枝切りした周辺は菌が回りにくいので多めに穴を開け種駒を打ち込みます。


原木1本打ち終わったところで50穴ほどになったので標準以上に達していると思われます。


1本打ち込みが終われば大体感覚がつかめます。あとは計測なしの目測だけで大丈夫です。
今回は原木23本で打止めとなりました。


1袋500個丁度だとすると、打った種駒は1本当たり43、4個となります。
ほぼ標準通りに打ち込むことが出来たようです。
コモを掛けて稙菌の作業は終了です。




アスパラ菜が再び盛りになる

2025年01月30日 | 畑:花菜類

アスパラ菜は11月早々から穫り始め、11月20日頃からは子茎(1次側枝)が穫れ始めました。
さらに12月半ばからは孫茎(2次側枝)が穫れ始め、1月始めにかけ盛りに。


しかし、株に疲れが出てきたのか外葉に斑点が目立ち、次第に枯れ葉になりました。
もしかするとこのまま終焉に向かうかとも思いましたが、さにあらず。
斑点が出た外葉は枯れてなくなったものの見事に盛り返しました。


一旦は穫れ方が疎くなりましたが、再び沢山の孫茎(2次側枝)が伸びています。


孫茎になると、株の力が落ち気温も下がってくるため伸びは鈍くなってきます。
茎も次第に細身になり丈が短くなってくることが多い。しかし、よく伸びています。


大寒になって逆に気温が上がってきたのも幸いしたかもしれません。
株の勢いがはっきりと蘇ったように見えます。


アスパラ菜はそもそも収穫するときには花がかなり咲いていることが多い。
しかし。当地の厳寒期にはさすがに花はあまり目立たなくなるのが普通。それが数日置いただけで花盛りと言った雰囲気になっていました。


この株を見ると、主枝(親茎)子茎の穫り跡はこのようになっています。


子茎は2、3芽で切るようにしていますが、孫茎も同様に2、3芽残しで切ります。


孫茎を切りました。


孫茎からはひ孫の茎(3次側枝)が伸びてきます。
今冬は「寒咲花菜」のわき芽(側枝)の穫れ方が予想よりも大分遅れました。
そんな中アスパラ菜は順調に穫れ続け、この先も期待できそうな姿です。


急激な低温を免れており耐寒性も増しているようです。
数株穫ってみます。


長さも太さも十分。孫茎でこのくらいのボリュームになれば言うことはないでしょう。
アスパラ菜は多少花が咲いても食べるのに支障はありません。
味に癖がなく嫌う人間もいないので助っ人もせっせと穫っています。
過去には春先までアスパラ菜が生き残りナバナ類が勢揃いしたこともありました。今年は可能性があるかもしれません。


「寒玉キャベツ」穫り始めるもこれまでと姿が違う

2025年01月29日 | 畑:葉菜類

冬キャベツを穫り始めました。
今、畑には秋キャベツ、冬キャベツ、春キャベツの3種があります。
これが秋キャベツ。


僅かながらまだ残っています。品種はトーホク種苗の「あまいキャベツあまみさき」。


酷寒の年なら凍害が出るのでここまで残しておくことはありません。今年は冬キャベツと比較できます。
穫ってみます。


残っている秋キャベツは凍害らしき症状も殆どなく変わりません。
そして、こちらが穫り始めた冬キャベツ。


品種はトーホク種苗の「寒玉キャベツ」。
当地では冬キャベツのことを通称「寒玉」。そのものズバリの品種名です。
低温に強く、積雪になれば雪中甘藍としても使える品種です。

種播きは8月13日、9月3日に植付け、10月7日に追肥土寄せ。
概ね順調な生育で大概の株がほぼ完全結球しています。


遅れているものでも8分結球以上になっており、全て完全結球となるでしょう。
冬キャベツはこれまで何品種か作っていますが、近年はこの品種です。
この品種の特徴は外葉が大きくやや垂れ気味ながら生育旺盛で大玉になること。
そして、低温に晒されるとアントシアニンの色素が強く出てきます。
酷寒の年には紫キャベツのようになることがあります。ところが、今年は様相が少し違います。
アントシアニンの色素があまり出ていません。葉の縁が僅かに紫っぽくなっている程度。


ところが所々にアントシアニンの色素が強く出ている株が混じっています。これがこれまでの「寒玉キャベツ」です。


種を播いたときに古種が少し残っていた可能性もあるのですが、失念してしまいました。
たまたま並んでいる株を比較するとよく分かります。


全体の姿や葉脈の形も少し違って見えます。
個人の好みの問題もあり、どちらが良い悪いと言う訳ではないものの少々気になります。
これまでも品種名はそのままで種苗会社で品種の性質を変えることはたまにありました。
そこでトーホク種苗(現在の正式名は株式会社トーホク)に照会してみました。
結論は予想通り地方営業所に回されての「昨年までの品種と変わりません」と言う回答。
育種技術者の回答を期待するのは無理というものでした。
多くある方のタイプを穫ってみました。


姿形は整っており、しっかり結球しどっしりしています。
外葉を1枚外し秋キャベツと並べて比較してみます。右が秋キャベツ、左が冬キャベツ。


冬キャベツは2㎏強、秋キャベツは2㎏弱で丁度適当な大きさでした。
葉の厚みや葉脈の違いなどが写真からでもよく分かると思います。
寒玉キャベツは耐寒性が強い分当然に葉は硬く、秋キャベツは柔らかい。
寒玉キャベツは煮崩れせず甘味、旨味が濃いので炒め物や煮物に最適とされます。小生はあまり気にしませんが。
こちらは春キャベツ。


品種は「金系201」。小振りな苗を植え付けたもののその後の生育は順調。
年越し時点では例年並の生育進度と思っていましたが、ここにきてやや進んでいる印象です。
キャベツは10月から6月に入るまでの長期収穫を目指しています。


ナバナ「寒咲花菜」は少し遅れて側枝(わき芽)を穫り始める

2025年01月28日 | 畑:花菜類

生育は順調ながら暖冬だった昨年とは大分様相が違い予想より1週間ほど遅れました。


例年よりも揃っていると見ていましたが、一斉収穫とはならずまだ主枝の花芽が若干残っています。
最低気温-5℃以下が連続するような酷寒の年だと凍害を受けやすい。幸い今冬はたまに単発で遭遇する程度。
厳寒期を迎え葉がやや垂れているとは言え全体の姿としては非常に旺盛です。


しかし、側枝(わき芽)の収穫は予想より半月ほど遅れようやく始まったところ。
ただ、穫り始めが遅れたからと言って特にマイナスと言うわけではありません。
収穫期間が長くなり茎立ち菜にスムーズに繋がり上手くナバナ類のリレーができるメリットがあります。
ナバナ類の中で花菜(はなな)は店では菜の花の名で売られることが多い。
花菜は普通は春になって花が咲くナタネですが、これは寒咲きなので「寒咲花菜」と呼ばれます。
こんな風に外葉が大きく茂り、花芽もあまり伸びてこないため一見どこにあるか分かりにくいと思います。


主枝はできるだけ数芽で切るようにしていますが、下位の節間が詰まっているため実際には10芽くらい残ることが多い。
旺盛にわき芽が伸びています。


近づくとわき芽が沢山伸び花芽が出ているのが分ります。
花菜はわき芽が伸びてくれば1株から穫れる数が飛躍的に増えるので最盛期入りです。
但し、気温が低い時期は花芽が葉の下に蕾のままで留まり花が咲くようにはなりません。
そのため葉をかき分けないと蕾は見えにくい。蕾が容易に見えるような株はむしろ勢いが良くない株です。
旺盛な株だと多くの側枝が伸び、主枝の穫り跡も見えなくなっています。
一番進んでいる株で見てみます。
中央の変色した切り跡が主枝、手前の2本の側枝(わき芽)はすでに穫っています。


後方の側枝を収穫してみます。脇から見るとこのようになっています。


収穫する時は、側枝のわき芽を2、3芽残して切ります。
切りました。


後ろに隠れていた側枝も切ったので、纏めて3本の収穫です。


すでに側枝にもわき芽が見えています。これが伸びて孫茎になり、また先端に花芽が出来ます。
数本でも十分なボリュームになります。


これはまだ残っている主枝の花芽。主枝の蕾は大きい。厳寒期なので容易に咲くまでには至りません。


比べてみると右側が側枝、左側が主枝。一回り主枝の方が大柄。


今季は暖冬だった昨年と比べると気温が低いものの強い霜に見舞われていないのが幸い。
徐々に低温に晒されたため「寒咲花菜」も次第に耐寒性が付いているように見えます。
花菜は蕾、茎、新葉と余すところなく食べられ、用途も多様。
我が家郎党でも人気があり、小生も特に花菜の卵とじには目がありません。
今季はこれから最盛期に向かうところで、一層軟らかく風味が増し美味しくなります。


畑に残したままのダイコンとニンジンをまだ穫る

2025年01月27日 | 畑:根菜類

今作のうち畑に残したものと冬囲いにしたものそれぞれ半数くらいにしました。
これまでよりは畑に残す割合を少し多めにしています。
こちらがダイコン。


近年は大きくなりすぎる傾向があるので9月9日とゆっくりの種播きです。
この時期でも丁度手頃の大きさになっています。
やはり温暖化していると言うことでしょう。昔なら晩限とされたこのくらいが冬ダイコンの適期のようです。
「耐病総太り」は根が地上部に半分くらい出るので最低気温-5℃以下が連続するような酷寒だと凍害を受けやすい。
しかし、今冬は暖冬だった昨年よりは低いもののー2、3℃と言ったところ。
凍害らしい症状は全く見られません。


凍害を受けると肌が飴色に変化して傷んできます。
「耐病総太り」は葉が大きく根を覆うように被さるため、この程度の低温なら十分耐えます。


大寒に入った厳寒期になって逆に気温が上がっています。
味の方はと言えば甘味、旨味は一段と乗り「耐病総太り」の品質の良さが際立ってきました。
一方、生育期間が長くなり根が長大になってくるとス入りが問題になります。
このス入りに抜群に強いことが「耐病総太り」の最大の長所です。


「耐病総太り」は綺麗な青首と総太り型の姿、甘く滑らかな肉質、そしてスが入らない3拍子揃った品種なのです。
1本抜いてみました。


肌も綺麗です。長大でない約2㎏の手頃なダイコンでした。


残りは僅かながら一斉には抜かず必要な都度穫ることにします。
畑に残したダイコンを穫り終えた後に取り出すのがこの葉付きのまま冬囲いしたダイコン。


2月に入ってから取り出すことになります。
こちらがニンジン。


ニンジンは秋ニンジンと冬ニンジンの2回に播いており、品種はともに「黒田5寸陽彩」。
冬囲いする時点で秋ニンジンを穫り終えたばかり、冬ニンジンには手つかずでした。
冬ニンジンのうちこれまでより少し多めの約半数を畑に残したままにしました。


ニンジンは根が土中のため凍害を受けることは殆どありません。しかし、いつまでも放置すると根が割れてくるのが問題。
少し纏めて抜いてみます。


すぐ使わない場合は土付きのまま袋に入れて置けば暫く大丈夫です。
助っ人が洗って我が家の分と置いていった冬ニンジン。まずまずと言ったところです。


こちらは冬囲いしているニンジン。


良いものだけ7、80本ほどが埋められています。取り出しは来月半ば以降になりそうです。