しつこいようですが・・・
くちこはね、掃除も整理整頓も得意ではないし、好きでもないけれど・・・
汚いのや、散らかっているのは嫌い。
で、しぶしぶ我が身を叱咤して、身辺については頑張ってきた次第。
そこで既に、くちこのキャパはいっぱいなのに・・・
夫の実家が・・・
小バエ百万匹状態
何度も、決死隊(隊員一名)となり、掃除、片付け、除菌したものの・・・
なにせ、アルツの母の一人暮らし。
元々、家を片付ける、習慣、能力は相当に欠落していたらしいし。
若所帯(くちこと夫)は、くちこの天文学的パワーと叡智で、6部屋のうち、4部屋は、完璧綺麗にしたものの、
母屋は、くちこの限界レベルを軽くオーバー
困ったことに、義母も、くちこ所帯の綺麗さが気に入ったのか、くちこ達がいない時に、どうも入り込んでいろいろと・・・
磨き上げて帰った流しの中に、カビだらけの桃の種とか・・・
テレビの横に、見慣れぬ古いぬいぐるみとか・・・
ぞーーーーーーーー
でも、鍵をかけて入れないようにするのもかわいそうで・・・
くちこは義母を嫌いでない。
学ぶべきことも、たくさんある。
なるべく喜ばせてあげたいのも本意。
寂しさも理解している。
三日間、繰り返し、巻き返し、同じ話、同じ質問に付き合う。
親子丼の上に、トマトのシロップ漬けを載せて食べる義母。
くちこの心の中の我慢の器が埋まっていく・・・
夫は、実の親なだけに、情けない思いが消しがたく、義母を責める。
義母は、お茶碗を持ったまま下を向き・・・・涙が・・・
夫の切なさも、義母の切なさも分かる
翌朝。
義母と二人で、広縁に座り、じっと雨を見る。
義母が小さな声で話す・・・
「はたから見ると、呆けているんだろうけど、
本人は、自分はしっかりしていると思うんだよ。
呆けていないと思うもんなんだよ。
同じ人を見ても、
ある人は、その人を呆けていると思い、
ある人は、しっかりしていると思う。
見方はいろいろあるんだよ。
80年も生きてきたんだから、
忘れるのはしかたないよ。」
二人で、じっと雨を見ていました。