以前2019年4月にも投稿した「居酒屋ぼったくり」
https://blog.goo.ne.jp/kenchi5429/e/9076b8db093fbbf8d0406e6276866161
ずっとこのシリーズを読んできましたが、11でいよいよ大団円。最終巻です。
結構人気シリーズみたいで、この最終巻は図書館ネットで予約して順番が回ってくるまでに3か月以上かかりました。
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今回は主人公の美音がめでたく要と結婚式を挙げ新婚旅行に行って、改装なった居酒屋ぼったくりが新築開店するまで。
前にも書いたと思いますが、このシリーズでは悪人は出てきません。結婚を決めるに際せては要の祖父と兄が悪辣な手を使う悪役となりますが、それもいつの間にか和解で来て、応援団になっています。お金持ちなのですが根はいい人で、いろいろな難問も最後は金の力も使って気持ちよく解決してしまいます。
ご常連の商店街の人々はみんないい人ばかりで、癖の強いお近所の困ったさんが出て来ても、うまくいいところを引き出して、問題を解決するとぼったくりと商店街の応援団にしてしまいます。
今回は最終巻と言うこともあってみんな丸く収まり、いい人合戦と言うか、お客にも夫とその親族にもいい人に囲まれた前途に何の不安もない居酒屋ぼったくりの開店となります。
世の中いい人ばかりではなくて、何ともならない付き合い難い人と言うか悪意の人と言うのはいるのですけど、このシリーズでは出てこない。ありそうもないファンタジーなのですが、疲れている時はこういう世界もいいのか。
このシリーズのもう一つの魅力はお酒と肴に関する薀蓄。こんなにいろいろなお酒を出してくれる居酒屋はちょっと高めになりそうですけど。
今回のお酒は「九平治」とか「千寿」とか「久寿玉」とか私の飲んだことがあるものが多くて、いかにも大団円の最終巻。
ちょっとトリビアだったのはノンアルコールビールの作り方。4種類の製法があるそうで
・麦汁に味をつける方法
・麦芽エキスに味をつける方法
・発酵時にアルコール度数を抑える方法
・ビールを作ってからアルコールを抜く方法
日本では法律上ビールを作ってからアルコールを抜く方法はできず、ほとんどのメーカーは発行時にアルコール度数を抑える方法を取っているとか。ビールを作ってからアルコールを抜く方法のほうがよりビールに近いはずなので、そのためには輸入ノンアルコールビールしかない。具体的には「ヴェりスタブロイ」、輸入・卸は「パナバック」だそうですが、どこの国のかな。今度探してみます。
ここでもう1冊。本棚から取り出した半村良の「平家伝説」
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半村良の伝説シリーズは「黄金伝説」「英雄伝説」からこの「平家伝説」になるのですが、やっぱり「黄金伝説」が一番ですね。「平家伝説」はすっかり忘れていて、だから再読してみたのですが、どちらかと言うと半村良が直木賞を受賞した「雨やどり」のような下町人情的なペーストが色濃くてそれはそれで面白いのですが、SFとしてのスケールはちょっと小さい。テーマとしては、半村良の初期のSF短編「収穫」と似たところがあり、そこに伝奇的要素を付け加えたものかな。
ついでにもう1冊本棚にあった「下町探偵局」も読んで見ました。
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世話好きの下町の人たちが活躍するのですが、善人ばかりでもどうしようもできない社会の理不尽な苦しさと怒りがあり、みんな心に影を持っているのですが、「居酒屋ぼったくり」には、その影がないので、物語としての深みがない。
まあ、半村良と言えば私の読んだ本ではスケールの大きさ、おどろおどろしさ、エロッチクさすべてについて「妖星伝」が最高傑作だと思います処分してはいないはずなのですが、今は本棚のどこにあるのか。暇なので本棚を本格的に探して再読してみましょう。
https://blog.goo.ne.jp/kenchi5429/e/9076b8db093fbbf8d0406e6276866161
ずっとこのシリーズを読んできましたが、11でいよいよ大団円。最終巻です。
結構人気シリーズみたいで、この最終巻は図書館ネットで予約して順番が回ってくるまでに3か月以上かかりました。
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今回は主人公の美音がめでたく要と結婚式を挙げ新婚旅行に行って、改装なった居酒屋ぼったくりが新築開店するまで。
前にも書いたと思いますが、このシリーズでは悪人は出てきません。結婚を決めるに際せては要の祖父と兄が悪辣な手を使う悪役となりますが、それもいつの間にか和解で来て、応援団になっています。お金持ちなのですが根はいい人で、いろいろな難問も最後は金の力も使って気持ちよく解決してしまいます。
ご常連の商店街の人々はみんないい人ばかりで、癖の強いお近所の困ったさんが出て来ても、うまくいいところを引き出して、問題を解決するとぼったくりと商店街の応援団にしてしまいます。
今回は最終巻と言うこともあってみんな丸く収まり、いい人合戦と言うか、お客にも夫とその親族にもいい人に囲まれた前途に何の不安もない居酒屋ぼったくりの開店となります。
世の中いい人ばかりではなくて、何ともならない付き合い難い人と言うか悪意の人と言うのはいるのですけど、このシリーズでは出てこない。ありそうもないファンタジーなのですが、疲れている時はこういう世界もいいのか。
このシリーズのもう一つの魅力はお酒と肴に関する薀蓄。こんなにいろいろなお酒を出してくれる居酒屋はちょっと高めになりそうですけど。
今回のお酒は「九平治」とか「千寿」とか「久寿玉」とか私の飲んだことがあるものが多くて、いかにも大団円の最終巻。
ちょっとトリビアだったのはノンアルコールビールの作り方。4種類の製法があるそうで
・麦汁に味をつける方法
・麦芽エキスに味をつける方法
・発酵時にアルコール度数を抑える方法
・ビールを作ってからアルコールを抜く方法
日本では法律上ビールを作ってからアルコールを抜く方法はできず、ほとんどのメーカーは発行時にアルコール度数を抑える方法を取っているとか。ビールを作ってからアルコールを抜く方法のほうがよりビールに近いはずなので、そのためには輸入ノンアルコールビールしかない。具体的には「ヴェりスタブロイ」、輸入・卸は「パナバック」だそうですが、どこの国のかな。今度探してみます。
ここでもう1冊。本棚から取り出した半村良の「平家伝説」
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半村良の伝説シリーズは「黄金伝説」「英雄伝説」からこの「平家伝説」になるのですが、やっぱり「黄金伝説」が一番ですね。「平家伝説」はすっかり忘れていて、だから再読してみたのですが、どちらかと言うと半村良が直木賞を受賞した「雨やどり」のような下町人情的なペーストが色濃くてそれはそれで面白いのですが、SFとしてのスケールはちょっと小さい。テーマとしては、半村良の初期のSF短編「収穫」と似たところがあり、そこに伝奇的要素を付け加えたものかな。
ついでにもう1冊本棚にあった「下町探偵局」も読んで見ました。
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世話好きの下町の人たちが活躍するのですが、善人ばかりでもどうしようもできない社会の理不尽な苦しさと怒りがあり、みんな心に影を持っているのですが、「居酒屋ぼったくり」には、その影がないので、物語としての深みがない。
まあ、半村良と言えば私の読んだ本ではスケールの大きさ、おどろおどろしさ、エロッチクさすべてについて「妖星伝」が最高傑作だと思います処分してはいないはずなのですが、今は本棚のどこにあるのか。暇なので本棚を本格的に探して再読してみましょう。