鈴木邦男さんが亡くなった。最近は闘病生活(パーキンソン病?)で一線から遠ざかっていて、ブログ「鈴木邦男をぶっとばせ」も更新されないままだったのだが、先日訃報が報じられた。
新右翼の論客で、一水会代表を務め、赤報隊の犯人とも接触があったと言われ、何回も警察のガサ入れも受けていた。
一方で、近年は左翼とも行動を共にすることもあり、辻本清美の戦況の時には応援演説もしている。
テレビなどで見ると穏やかな語り口で、本当に学生時代は早稲田で左翼と殴り合っていたのかと思ってしまうのですが、今は例え主義主張の相いれない敵であろうと言論の自由は守らなければいけないという覚悟が伝わります。
鈴木邦男さんは住所も公開して自己の言説に対してとことん逃げずに責任を取ろうとしている。おかげで放火までされたことがあるのだが、暴力で人を傷つけ殺すことが出来るように、話したこと書いたことでも人を傷つけ殺すこともある、だからこそ言説にきちんと名を出し住所も公開している。最近SNSの匿名性に隠れてフェイクニュースを拡散し罵詈雑言を垂れ流す輩は、鈴木さんの生き方を見て恥を知れと言いたい。もっともこのブログは分かる人には分かっているのですけど匿名ですし、もとより住所までを公開する勇気はまったくない私がえらそうなことを言えないのですけど。
対談している内田さんも鈴木さんの逝去を惜しんでブログ「内田樹の研究室」にこの「慨世の遠吠え2」の内田さんの書いた「終わりに」を採録している。
それならばさっそく「慨世の遠吠え2」を図書館で借りてきました。
改めて読んでみると鈴木邦男さんは聞き上手で、対談と言いつつ内田さんが気持ちよく語り、鈴木さんが相槌を打つような感じです。鈴木さんが入ることによって内田さんの論説が非常にわかりやすく語られているので、すいすい読めました。「終わりに」で内田さんが述べているように鈴木さんは「あ、そうか」と何回も言っています。鈴木さん自身は今までの経験と現下の立ち位置で簡単には同意できないようなことでも、目を開かれた時には「あ、そうか」と言います。これは内田さん曰く自分の頭で考え自分のオリジナルな知見を持っているからこそ出来ること。自分の頭で突き詰めて考えることなく虎の威を借りる如く付け焼刃で人の意見を適当に切り貼りしてきた人には、無理なんでしょう。
日本の論壇で鈴木さんが都合が悪いので代りにと言っても誰も出てこない唯一無二の人というのですが、唯一無二の人を失ってしまいました。
ご冥福をお祈りします。
一緒に写っているのは浅田次郎の「見果てぬ花」JALグループのに連載されているシリーズ7冊目のもの。2017年から2020年までの連載分ですので話題も最近のことです。浅田次郎は私と生まれが3年違いなので、老いの実感とか日常の在り様では共感することが多く、楽しく読めました。でもJALにはもう何年も搭乗していないなあ、機内で最新のものを読んでみたいものです。
新右翼の論客で、一水会代表を務め、赤報隊の犯人とも接触があったと言われ、何回も警察のガサ入れも受けていた。
一方で、近年は左翼とも行動を共にすることもあり、辻本清美の戦況の時には応援演説もしている。
テレビなどで見ると穏やかな語り口で、本当に学生時代は早稲田で左翼と殴り合っていたのかと思ってしまうのですが、今は例え主義主張の相いれない敵であろうと言論の自由は守らなければいけないという覚悟が伝わります。
鈴木邦男さんは住所も公開して自己の言説に対してとことん逃げずに責任を取ろうとしている。おかげで放火までされたことがあるのだが、暴力で人を傷つけ殺すことが出来るように、話したこと書いたことでも人を傷つけ殺すこともある、だからこそ言説にきちんと名を出し住所も公開している。最近SNSの匿名性に隠れてフェイクニュースを拡散し罵詈雑言を垂れ流す輩は、鈴木さんの生き方を見て恥を知れと言いたい。もっともこのブログは分かる人には分かっているのですけど匿名ですし、もとより住所までを公開する勇気はまったくない私がえらそうなことを言えないのですけど。
対談している内田さんも鈴木さんの逝去を惜しんでブログ「内田樹の研究室」にこの「慨世の遠吠え2」の内田さんの書いた「終わりに」を採録している。
それならばさっそく「慨世の遠吠え2」を図書館で借りてきました。
改めて読んでみると鈴木邦男さんは聞き上手で、対談と言いつつ内田さんが気持ちよく語り、鈴木さんが相槌を打つような感じです。鈴木さんが入ることによって内田さんの論説が非常にわかりやすく語られているので、すいすい読めました。「終わりに」で内田さんが述べているように鈴木さんは「あ、そうか」と何回も言っています。鈴木さん自身は今までの経験と現下の立ち位置で簡単には同意できないようなことでも、目を開かれた時には「あ、そうか」と言います。これは内田さん曰く自分の頭で考え自分のオリジナルな知見を持っているからこそ出来ること。自分の頭で突き詰めて考えることなく虎の威を借りる如く付け焼刃で人の意見を適当に切り貼りしてきた人には、無理なんでしょう。
日本の論壇で鈴木さんが都合が悪いので代りにと言っても誰も出てこない唯一無二の人というのですが、唯一無二の人を失ってしまいました。
ご冥福をお祈りします。
一緒に写っているのは浅田次郎の「見果てぬ花」JALグループのに連載されているシリーズ7冊目のもの。2017年から2020年までの連載分ですので話題も最近のことです。浅田次郎は私と生まれが3年違いなので、老いの実感とか日常の在り様では共感することが多く、楽しく読めました。でもJALにはもう何年も搭乗していないなあ、機内で最新のものを読んでみたいものです。