もう30年以上前のことだけど日本経済はバブル真っ盛りで大騒ぎだった。
私が30代の時でしたが、今となっては失われた30年を経て、バブルの時代を全く知らない人たちが社会の中枢を担うようになってきている。
当時は土地投機とか株式投機を手を出さないのは時代に遅れていると思われて、地上げとか土地ころがしとか日常的に行われ、誰もがバブルに浮かれていた。反社会勢力も地上げに暗躍して濡れ手に粟の金を稼いでいた。バブル紳士なるものが闊歩して交際費で落ちる接待には高級店ほど使われ、盛り場ではタクシーを捕まえるのも一苦労で、宴会終了時の平社員の大事な仕事だった。私には縁のない世界でしたけど社会全体が浮かれていて当時の宴会単価は今より高いくらいだった記憶。
それがバブルがはじけて一気に逆転。土地神話は崩壊して不良債権の山に。イケイケどんどんだった不動産会社は倒産し、そこにジャブジャブ金をつぎ込んでいた金融機関も公的資金を投入されて事実上公的管理下におかれたり、大きな傷を負った。
そこから失われた30年。今の若者たちにバブル期の話をしても信じてもらえないような話も多く、記憶の彼方になってきた。
しかし、その頃の傷を未だ引きずって生きている人もいる。
かつて地上げの片棒を担いでいた主人公の円堂。今は中目黒で居酒屋を営んでいるのだが、友人の作家の中村からの情報で地獄の釜の蓋があいてしまうというか失われた時間を取り戻す旅が始まる。
情報というのはフェラーリ250GTカルフォルニア・スパイダーというクラシックカーの走っているところを目撃したと言う雑誌編集者の話。全世界で200台ほどしか作られていなくて、最近ヨーロッパのオークションで20億円で落札したとか。運転していたのは女性で円堂にとっては車よりも女性の正体が知りたかったのだが、何しろ20億円の価値がある車。
車の持ち主はバブル時代に我が世の春を謳歌していた二見興産の社長だがバブル崩壊とともに莫大な負債を抱え車とともに失踪。一緒にいなくなった女性とともにどこかで死んでいたのではと思われていいたのだが車が走っていると言うことはどこかでまだ女性と一緒に生きている?いなくなった女性こそ円堂のかつての恋人で結婚も考えていたのに、尊敬する上司でもあった二見と失踪することに円堂はひどく裏切られ傷を抱えたまま一人で生きてきた。
そこから失踪した二人とクラシックカーを探すために動き出すのだが、何しろ20億円の価値がある車。当時の膨大な負債を踏み倒された暴力団も20億円の価値があると言う話をどこからか仕入れてきて債権回収のために車を確保しようと暗躍し始める。
大沢在昌独特のテンポの良い展開で話にどんどん引き込まれ500ページ余りをやめられない止まらないと一気に読み進むことが出来ました。
勢いがあるので、多少のホンマでっかというところが無きにしも非ずですが、関係なく進みます。最後どうやって決着していくかと思っていたのですが、さすがにうまくまとめていきましたが、そうはうまくいかないだろうと何となくもやもや感が残った結末です。
バブル時代の地上げの話では伊丹十三の「民暴の女」として映画化されていますが、本当に異常な事態が日常的だった時代でした。株価も地価もほぼバブル前にまで回復してきて、ようやくバブルの傷を修復してきたのか。わしらの若い頃のバブル時代はこんなふうだったんだと言うのはじいさんの自慢話みたいですが、日本経済にも人々の心にも大きな傷を残していたのだと改めて思う次第。
もう1冊は池上彰の自衛隊の解説書。憲法の鬼っ子ともいえるかもしれませんけど、アメリカの意向に振り回されてきたのが実態で、アメリカの意向を反映した憲法を逆手にとってアメリカへの軍事協力の歯止めにしてきた。それも安保法制で法的には歯止めが外されてしまったのだが、自衛隊と憲法の問題は火種として残っている。中国台湾関係のように理屈ですっきりと整理するのではなく現状維持でしのいでいくというのは破綻をきたさない当面の解決策かも。
私が30代の時でしたが、今となっては失われた30年を経て、バブルの時代を全く知らない人たちが社会の中枢を担うようになってきている。
当時は土地投機とか株式投機を手を出さないのは時代に遅れていると思われて、地上げとか土地ころがしとか日常的に行われ、誰もがバブルに浮かれていた。反社会勢力も地上げに暗躍して濡れ手に粟の金を稼いでいた。バブル紳士なるものが闊歩して交際費で落ちる接待には高級店ほど使われ、盛り場ではタクシーを捕まえるのも一苦労で、宴会終了時の平社員の大事な仕事だった。私には縁のない世界でしたけど社会全体が浮かれていて当時の宴会単価は今より高いくらいだった記憶。
それがバブルがはじけて一気に逆転。土地神話は崩壊して不良債権の山に。イケイケどんどんだった不動産会社は倒産し、そこにジャブジャブ金をつぎ込んでいた金融機関も公的資金を投入されて事実上公的管理下におかれたり、大きな傷を負った。
そこから失われた30年。今の若者たちにバブル期の話をしても信じてもらえないような話も多く、記憶の彼方になってきた。
しかし、その頃の傷を未だ引きずって生きている人もいる。
かつて地上げの片棒を担いでいた主人公の円堂。今は中目黒で居酒屋を営んでいるのだが、友人の作家の中村からの情報で地獄の釜の蓋があいてしまうというか失われた時間を取り戻す旅が始まる。
情報というのはフェラーリ250GTカルフォルニア・スパイダーというクラシックカーの走っているところを目撃したと言う雑誌編集者の話。全世界で200台ほどしか作られていなくて、最近ヨーロッパのオークションで20億円で落札したとか。運転していたのは女性で円堂にとっては車よりも女性の正体が知りたかったのだが、何しろ20億円の価値がある車。
車の持ち主はバブル時代に我が世の春を謳歌していた二見興産の社長だがバブル崩壊とともに莫大な負債を抱え車とともに失踪。一緒にいなくなった女性とともにどこかで死んでいたのではと思われていいたのだが車が走っていると言うことはどこかでまだ女性と一緒に生きている?いなくなった女性こそ円堂のかつての恋人で結婚も考えていたのに、尊敬する上司でもあった二見と失踪することに円堂はひどく裏切られ傷を抱えたまま一人で生きてきた。
そこから失踪した二人とクラシックカーを探すために動き出すのだが、何しろ20億円の価値がある車。当時の膨大な負債を踏み倒された暴力団も20億円の価値があると言う話をどこからか仕入れてきて債権回収のために車を確保しようと暗躍し始める。
大沢在昌独特のテンポの良い展開で話にどんどん引き込まれ500ページ余りをやめられない止まらないと一気に読み進むことが出来ました。
勢いがあるので、多少のホンマでっかというところが無きにしも非ずですが、関係なく進みます。最後どうやって決着していくかと思っていたのですが、さすがにうまくまとめていきましたが、そうはうまくいかないだろうと何となくもやもや感が残った結末です。
バブル時代の地上げの話では伊丹十三の「民暴の女」として映画化されていますが、本当に異常な事態が日常的だった時代でした。株価も地価もほぼバブル前にまで回復してきて、ようやくバブルの傷を修復してきたのか。わしらの若い頃のバブル時代はこんなふうだったんだと言うのはじいさんの自慢話みたいですが、日本経済にも人々の心にも大きな傷を残していたのだと改めて思う次第。
もう1冊は池上彰の自衛隊の解説書。憲法の鬼っ子ともいえるかもしれませんけど、アメリカの意向に振り回されてきたのが実態で、アメリカの意向を反映した憲法を逆手にとってアメリカへの軍事協力の歯止めにしてきた。それも安保法制で法的には歯止めが外されてしまったのだが、自衛隊と憲法の問題は火種として残っている。中国台湾関係のように理屈ですっきりと整理するのではなく現状維持でしのいでいくというのは破綻をきたさない当面の解決策かも。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます