怪しい中年だったテニスクラブ

いつも半分酔っ払っていながらテニスをするという不健康なテニスクラブの活動日誌

名証株式投資サマーセミナー

2015-09-06 07:52:18 | Weblog
このところ秋雨前線が居座っていたのですが、今日は久しぶりのいい天気
10時から中電ホールで名証主催の株式投資サマーセミナーがあったので行ってきました。

10時ぎりぎりに入ったのですが、会場はほぼ満員。時間が過ぎても入場者が結構いて席が埋まっていきます。
それにしても高齢者が多い。女性も結構いて会場はじいさん・ばあさんばかり…
第1部は2社の企業説明。
ちなみにこういった名証主催のセミナーは予定が許せば参加しているのですが、ここで取り上げられる会社は名証としてもそれなりに将来性に自信がある会社だと思います。買っておいて損はないと思いますし、以前説明を聞いた何社かは買って今のところ現実に儲かっています。
最初の会社は「ダイコク電機」です。

柏森社長自らが説明します。社長は2代目の御曹司。あまり大勢の人の前で話すことには慣れていないのかパワーポイントの使い方もイマイチでした。でも社長自らが汗をかきながら一生懸命話す姿は好感が持てます。

計画は結構強気ですが、それというのもパチンコ会社向け会員制情報システムサービスが伸びていて、この売り上げ総利益率は80%を超えているから。ここでの利益を研究開発投資に回せるので業界第1位の有利な位置を守れるとか。
パチンコ業界自体はマックス4.5兆から3兆円に市場規模が落ちているのですが、ここから4兆円に回復するという予想。アベノミクスもあってデフレを脱却できればサラリーマンのお小遣いも上がるのではという希望的観測。ちなみにサラリーマンのお小遣いは名目でバブル期のマックス7万円台から今は3万円台とか。
配当もそこそこですし、今年からポイント制の株主優待を行うそうで魅力が増してきているのでこれはお買い得…
でもパチンコ業界の行方は法規制にも左右されることもあって、そこは不透明な部分ですし、ためらいがありますね。
続いての会社は「三菱重工」
さすがにここは社長が来ることなく経営・財務企画部IRグループ長が説明。
さすがに能弁でさわやかに説明していきます。
でも能弁に話しても担当者だとどうしても調子に乗ってしゃべっていると思ってしまい、たぶん40代ぐらいかと見えるのですがすでにリタイアした身としては生意気に感じてしまいます。

三菱重工としてはこの程度の説明会に取締役が出ることもないと思っているのでしょう。
三菱重工は日本を代表する企業ですし、その事業範囲も多岐にわたっています。ですから概括として話すだけでも結構時間がかかります。もう少しポイントを絞ってみたらどうでしょうか。未だと本当にМRJは飛ぶのかとか原子力をどうするのかということはみんな関心あると思うのですが当然ながら淡々とした説明で踏み込んだ説明はありませんでした。
この会社はもう少し様子見でしょう。
第2部は株式講演会。
この人は全く知らなかったのですが、業界では有名?SBI証券のシニアマーケットアナリストの藤本誠之さんです。

とにかく声の大きな明るい人です。
開口一番、株をやるなら日経新聞と会社四季報ぐらいは買って読みましょうと。どちらも買っていない私はどうもすいません。

ただしそれはみんな読んでいるので、新聞に出た好材料はすでに株価に織り込み済み、悪材料は出尽くしと考えて対応すべし。もっとも売り先行でやるには信用取引しないといけないんですけどね。
ちなみに今アナリストという人が分析しているのは上場3500社のうち500社くらい。個別企業として好業績の割に株価があがらないのはアナリスト予想がないからとか。わかったようなわからないような。
今は11月のJP上場に備えて上値が遅いのでせいぜい19000円から17000円のレンジ、というか国策として何としても高値上場したいので時価総額の高いトヨタとか金融株は資金手当てのために売られる?
無事上場した11月過ぎたら業績によってあがっていくとか。となると年末2万円超えも…
でも中国経済はどうなるかだし、アメリカの利上げの影響はといろいろ考えないと…しばらくは様子見?

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「福島の原発事故をめぐって」山本義隆

2015-09-04 07:17:42 | 
60代の人は名前に記憶がある人がいるかもしれないが、著者の山本義隆は元東大全共闘の議長。東大理学部物理学科の大学院で将来を嘱望されていた研究者であった。全共闘運動に飛び込んでいなければ研究者として名を成していたのであろう。
今は予備校の講師をしており、主に科学史の研究をしていて著書もある。全三巻の大部なので敬して近寄ろうともしていませんが、「磁力と重力の発見」は評価が高く毎日出版文化賞、大仏次郎賞を受賞しています。
そんな著者が福島原発事故について雑誌「みすず」に原稿を頼まれ書いたら少し長くなったこともあって本にしたものです。

100ページ余りのブックレットのようでもあり、科学史の観点から切り込んでありますが、読みやすく専門知識がなくても大丈夫。
科学技術とは科学理論の生産実践への適用なのですが、実験室の理想化された環境で十分制御された微小な対象によって検証された理論から、様々な要因が複雑に絡み合った大規模な生産までの距離は極めて大きい。電気科学理論から電気工学までの距離に比べて化学理論から化学工業までの距離は大きく、そのために公害を生み出し、大きな事故も引き起こしている。しかし、原子核物理学から原子核工学の距離はさらに大きく、大きな困難と問題を内包している。「平和利用」として民生用に転用された原子核技術は実際にはきわめて未熟で欠陥を有したものだった。
原子力の平和利用は国家プロジェクトとして民間資本を巻き込んだ形で進み、当初から危険性や欠陥を小さく見せ否定する習慣ができていた。その欠陥の中心は核分裂生成物「死の灰」の発生という問題です。
生産過程に付随して生じる有害物質を完全に回収して無害化しうる技術がともなって初めてその技術は完成されたと言えるのだが、原子力発電所は原理的に無害化不可能な有毒物質を生み出し続けている未熟な技術と言える。
トイレのない家とよく言われているが、当面は放射性廃棄物はたまり続けるばかりである。仮に恒久的な貯蔵庫ができたとしても、それを数万年以上安全に保管するということに依存する技術というものは有意と言えるのだろうか。
原発はクリーンなエネルギーと喧伝されているが使用済核燃料の再処理、保管には膨大なエネルギーが必要とされる。ウラン鉱石の採掘から原子炉の清掃、メインテナンス、さらには解体に至るまで危険な作業を伴っており、もっぱらそれを人力に依存している危険性の中で、廃棄物の冷却と放射線の遮蔽に要するエネルギーコストはいかほどであろう。
西欧近代社会の最大の発明品は「科学」と技術」ではなくて「科学技術」、科学技術の生産実践への意識的適用としての技術であり、それを発明したがゆえに、西欧近代文明が世界を席巻した。ルネッサンスから科学技術の誕生と発展を概観していくのだが、やがて国家主導科学が誕生してくる。直接的には軍事的必要性生から進められた原子力開発であり、宇宙開発である。いずれも国家が主導して強力な指導性の下、多くの科学者技術者が動員され組織されなくては不可能なプロジェクトだった。
原子力発電はまさに政官財が一体となって、市場原理からも隔離され国家による介入と電力会社に対する保護の下、批判者を排除した翼賛体制で進められてきた。
原子力発電その廃棄物の処理ひとつとっても人間の処理能力を超えており、福島はアンダーザコントロールと大見得を切った人がいますが、とてもそんな状況ではありません。何を根拠にと思うのですが、私が言うのだから正しい、私を信じてくださいというのでは科学史的にはルネンサンス以前への逆行です。将来はともかく現時点では、ある意味人間のキャパシティを超えた技術であり、後世に対する負の遺産を持ち込むものとなっているとしか言いようがありません。
私としては現施設をこのまますぐに廃棄するのがいいのかというと若干異論はあるのですが、将来にわたって原子力発電を一定程度のベース電源とすることについては深い危惧を抱きます。
理系らしく論理は明快で科学史的観点は文系でもなじみやすく読むことができました。
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「絶対に行けない世界の非公開区域99」

2015-09-02 07:19:41 | 
世界にはその存在は知られているけれども、一般人どころか政府高官さえ立ち入ることができない場所がある。さらには、未確認情報としてその存在が話題になるのだが確かめることができない場所もある。
この本は世界中のそんな非公開地域を99か所ピックアップしたもの。

当然ながらアメリカ合衆国の軍事関連施設が多いのですが、イギリスもそこそこ取り上げられている。著者(英国人のダニエル・スミス)とナショナルジオグラフィックという出版社の偏りは避けられないところなのでしょうが、英米が非公開と言いつつ比較的情報公開が進んでいて写真も出せることがあるのでしょう。
具体的にどんなところがるかというと、アメリカではペンタゴンを始めとした軍関係基地等にCIA本部、ホワイトハウス大統領執務室、ニューヨーク連銀保管庫から各種保管庫まで。因みにフォートノックス金塊貯蔵庫では本当に金塊があるのかと説が流布して1974年に選ばれた報道関係者に内部公開したのだがこれは1943年以来初めてのことで、1943年に立ち入った一般人は当時のルーズベルト大統領だったとか。
英国ではMI5本部に地下トンネルに地下司令部、バッキンガム宮殿女王の寝室(ここは侵入した人あり)、イングランド銀行保管庫にロンドン塔ジュエルハウス(王室儀式用の宝石類を保管)などなどです。
ヨーロッパの他の国はぐっと減って、有名なところではバチカンの機密文書館とかスイスとフランスの国境にある大型ハドロン衝突型加速器(いずれもダン・ブラウンの小説「天使と悪魔」に出てきました)、ヒットラーの地下壕などでしょうか。
中東ではガザの密輸トンネル、モサド本部(所在地も明らかでありません)、ネゲブ核研究センター(イスラエルの核施設で存在さえも認めていない)、シリアの砂漠の核施設とかちょっとおどろおどろしいですね。とても見に行きたいところではありません。
アジアになればやはり秘密が多そうなのは中国と北朝鮮。中国では酒泉衛星発射センターとか秦の始皇帝陵(一部は観光地化しているみたいですが、実は陵の中心は盗掘されていなくて現在は研究目的の立ち入りも許されていなくて厳重に管理されているとか)、海南島海軍基地。ゴビ砂漠の不明建造物というのも衛星写真はあるのですが実体は全く不明。サイバー部隊というのもあるのですが、中国の中南海の深部は大統領執務室よりも近寄りがたいのでは?
北朝鮮ではやっぱり寧辺原子力センターが一番か。朝鮮労働党39号室というのも恐ろし気ですね。38度線の軍事境界線だと近づくだけで命がけ。観光なら板門店でということ。
日本はあるかというとありました。意外なことにというかこれが「伊勢神宮」。すぐ近くまでは観光客でいっぱいなのですが、確かに本殿はいけません。でもここが日本の唯一というとどうかな?今ならば福島第一原発の1号炉2号炉3号炉の格納容器には防護服をつけても行けません。自衛隊の中枢にも行けないところはありそうですがよく分かりません。
ここに紹介した以外にもいかにもというところが全部で99か所出てきます。写真も全くないものもあって世界にはまだまだ知らないところがたくさんあります。
1項目写真を入れて2~3ページなので楽しく気軽に読むことができます。欲を言えばもう少し活字を大きくしてほしいのですがね。
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