kenroのミニコミ

kenroが見た、読んだ、聞いた、感じた美術、映画、書籍、舞台、旅行先のことなどもろもろを書きなぐり。

スペイン美術館巡り プラド美術館2

2005-02-16 | 美術
ヒエロニムス・ボッス(ボッシュ)の「快楽の園」は見る者を圧倒する。左翼にエデンの園、右翼に地獄、そして中央は性におぼれる人間たちの現実世界とするならばこれほどわかりやすい絵もない。しかし、図録によれば中世を通して北ヨーロッパに拡がったアダミトという異端セクトの教義と現実を結ぶ諺が作品のあちらこちらに含意されているらしい。ボッスは造形美術アカデミー(ウイーン)の「最後の審判」では奇妙な生き物がたくさん登場し、目が離せなかった記憶がある。いずれにしてもボッスの絵は長年その解釈をめぐって論争を巻き起こし、とても祭壇画には見えないのもむべなるかなといった感じである。
プラド美術館は教科書にも出てくるような有名な作品が目白押しである。ボッス以外にもベラスケス「ラス・メニーナス」、ゴヤ「着衣/裸のマハ」「我が子を喰らうサトゥルヌス」、ムリリョ「スルトの無原罪のお宿り」などなど。どの作品にも見入っていていると時間が足りなくなるのが残念だ。
コメント
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