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老化抑制に強く影響するサーチュイン遺伝子

2024-10-18 10:32:45 | 健康・医療
最近老化抑制の話をよく取り上げますが、やはり私自身の老化が進んでいるためかもしれません。2月に新型コロナで肺炎となり入院して以来、割と簡単に体調を崩すようになりました。

やはり肺炎で肺の機能が損なわれると、この歳ではなかなか完全に復調できないのかもしれません。現在老化を抑制する方法は大きく2つあるという説があります。ひとつはダメになった臓器を全部もしくは一部を交換する方法です。

脳死移植だけではなく、歯のインプラント、人工関節、眼内レンズといった人工臓器だったり、ウシの心膜やブタの大動脈弁で作った生体弁を交換するなどがすでに行われています。2022年に米国で遺伝子操作によって作られたブタの心臓を移植する手術などがこの典型かもしれません。

もうひとつは、全身の細胞に働きかけて、糖化を可能な限り均等に遅らせる方法です。テロメアの短縮を防いだり、伸ばしたりするアプローチもそのひとつですが、いまは長寿に関係する特定の遺伝子のスイッチをオンにすることで長寿を目指すという研究が盛んに行われています。

そのターゲットのひとつとして世界の研究者が注目するのがサーチュイン遺伝子です。これは別名長寿遺伝子と呼ばれ、老化や寿命の制御に重要な役割を果たしています。

サーチュイン遺伝子は、現在哺乳類ではSIRT1からSIRT7までの7種類が発見されており、それぞれの遺伝子から作り出される特定タンパク質(サーチュイン酵素)の発現量を増やすことで老化を制御しています。

7種類のうち最も重要な働きをしているのがSIRT1で、血糖値を下げるインスリンの分泌を促したり、糖や脂肪の代謝をアップし、神経細胞を守って記憶や行動を制御するなど、老化や寿命に大きな関係があることが分っています。

SIRT3は細胞内のエネルギー工場であるミトコンドリアにおいて、エネルギー(=ATP)の合成を促します。SIRT6はDNAの2本差の修復に関係します。染色体を拡大するとヒストンと呼ばれるタンパク質にDNAが巻き付いていることが分ります。

DNAの一部に生物の特徴を決めたり、細胞の活動を支えるために必要な約10万種類のタンパク質を合成するための設計図である遺伝子が刻まれています。

染色体はDNAを2回巻き付けたら、残りのDNAを別のヒストンに巻き付けるといった構造になっていて、DNAが絡まって切れたりするのを防いでいます。老化のメカニズムには、このDNAのヒストンへの巻き付き方が深くかかわっているようです。

この遺伝子の働きを決める仕組みをエピジェネティクスと呼んでいますが、この辺りも老化と深くかかわっているようです。

この様に老化の仕組みは色々と明らかになっており、老化の制御も現実味を帯びています。これが本当に必要なのかは難しいところですが、興味があることは確かといえそうです。


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