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人工関節の技術革新で広がる選択肢

2024-04-29 10:33:54 | 健康・医療
私の知人は数年前からひざに痛みが出て、色々な病院に行ったようですが良くならず、現在は杖に頼っています。

根本的に治すには人工関節しかないようですが、まだ踏み切れずにいるようです。人工関節の機械的耐久性はかつて10〜20年程度といわれ、手術後における患者の負担もあったので、人工関節置換手術は原則1回、70歳前後にタイミングを見てとされていました。

これは平均寿命と人工関節の耐久性を約15年とした場合、70歳前後に手術を受けた方が人工関節を再び取り換える再置換手術の可能性が低くなるという考えに基づいていました。しかし近年の人工関節の技術革新により、状況は大きく変化しています。

1990年代以降、人工関節の製造技術の進歩に加え、改良を重ねて耐久性や安全性は目覚ましく向上しました。人工関節のデザインや形状の適合性や材料の表面処理技術の進歩によって、骨との固着性能も格段に良くなりました。

さまざまな技術革新によって、現在では通常の生活を送っている人の場合は平均20〜30年間の使用にも耐えられるようになりました。50〜60代はもちろん、40代でも生活レベル向上のために人工関節に置換する人が増えています。

平均寿命は今後も伸びると見込まれており、70歳以上であっても社会活動や趣味、スポーツなど積極的に活動したいという人が増加しています。そんな事情を反映してか、90歳以上で手術を受けられる人もいるようです。

こうした状況により、現在日本では1年間に約10万5000件の人工膝関節、約8万5000件の人工股関節が埋め込まれており、10年前に比べると手術件数は1.5倍程度まで増加しています。

また個々の患者に最適な形状や特性を発揮できる超長寿命型カスタマイズド人工関節の研究開発が、国家プロジェクトとして進められており、近い将来の導入が期待されています。それでも現在の最新の人工関節でも永久に使用できるわけではありません。

術後長期間経過したり、労働や運動によって間接に過剰な負担がかかったりして、人工関節の変性、摩耗、破損などが生じると、再度置換手術が必要になる場合もあります。近年の人工関節の発達や置換手術法、リハビリの手法の進歩により、再置換手術の成功率も向上しています。

さらに先進テクノロジーを駆使した手術支援ロボットの導入などによって、より正確で安定した生活のできる手術が可能となりました。

この様に人工関節技術は大いに進歩しましたので、膝や腰が痛い時など人工関節というのが簡単な選択肢になったと言えるのかもしれません。


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