ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

ヒトの体内に住む微生物は1.4Kg

2024-12-20 10:35:42 | 健康・医療
ヒトの身体は大量の微生物と共存していることは確かなようです。腸内細菌叢については多くの研究が起こなわれていますが、皮膚表面の微生物はあまり分かっていないようです。

どんなにすべすべの皮膚でもじっさいはミクロン単位の小さな凸凹があり、その中に微生物が住んでいるといわれています。多分採集などが難しいため、表面微生物の研究は進んでいないのかもしれません。

ヒトの身体に棲んでいる微生物を合計すると、およそ1.4Kgで、ほぼ脳と同じぐらいの重さになり、最近では体内の微生物叢を器官のひとつと定義する研究者もいるようです。長年の間一般的に、誰もがヒト細胞の10倍もの細菌細胞を持っているといわれてきました。

2016年にはイスラエルとカナダの研究者が、慎重な評価をおこない。各人が約30兆個のヒト細胞と、30兆〜50兆個の細菌細胞を持つという結論に達しました。細菌細胞はとても小さいがヒト細胞は巨大なので、機能の複雑さに関してもヒト細胞の方が疑いの余地なく大きな意味を持ちます。

遺伝学的に見れば、ヒトの中には自分の遺伝子が約2万個しかないが、細菌の遺伝子は2000万個ほどもあるので、99%は細菌でヒト自身は1%でしかないとも言えます。これはヒトの遺伝子はすべて同じで、微生物は多種多様でことなっているだけであまり意味はないような気がします。

ヒトは何十兆もの小さな生き物の住まいであり、彼らは驚くほど多くの点で役に立ってくれています。自分では利用できない食物を分解してエネルギーの約10%を供給し、その過程でビタミンB2やB12などの有益な栄養素を抽出しています。

スタンフォード大学の研究では、ヒトは20種類の消化酵素を生成し、動物界では多いのですが細菌は1万種類を生成します。細菌がいなければヒトは遥かに栄養状態の悪い人生を送っていただろうとしています。

ヒトが一生のうちに手に入れられる遺伝子は、もって生まれたものだけです。しかし細菌はまるでカードのように互いに遺伝子を交換できるし、死んだご近所さんからDNAを拾うこともできます。遺伝子の水平伝播として知られるその機能のおかげで、自然や科学研究にどんな目にあわされても適応出来る能力が飛躍的に高まっています。

しかも細菌のDNAはあまり正確に校正されないので、しょっちゅう突然変異が起こり、遺伝的適応力が向上します。ヒトは変化の速度については細菌に遠く及びません。大腸菌は1日に72回増殖できます。

全人類史渡って気付き上げてきたのと同じ数の新世代を3日で作れるという事です。このように私たちの周囲にはすでに想像を絶するほど多数の細菌がいます。これらの細菌といかに共存するかも重要な課題といえるのかもしれません。

ガン以外の患者の死はおざなりになる

2024-12-19 10:34:06 | 健康・医療
人は必ず死ぬのですが、どう死ねば良いのかは難しい問題といえます。私はこの歳(77歳)になっていますので老衰でぽっくりが理想ですが、何か病気が見つかってもあまり治療を受けないつもりです。

ところが現状では、穏やかに死ねそうな緩和ケアなどにガン患者以外は入れないという問題があるようです。たとえば腎不全になっても透析を拒否した患者は、受け入れるところがなく胸水で苦しみながら死んでいくという例が記載されていました。

近年治療のプロセスにおいて行き過ぎた治療者主導を是正し、透析を導入しないことも患者の権利とする傾向が強まっているようです。これに対して医療者の倫理観の発露という観点も重要です。患者の自己決定権は、十分な情報提供のうえにあるべきものです。

尊厳死は軽々しく患者に委ねていいものではないでしょう。ことに透析に対する偏見で、透析導入に拒否感が強い患者には正確な情報が伝わりにくいそうです。医療倫理に基づく医師の主導も場合によっては許されるべきかもしれません。

慢性腎不全は本来透析を行わなくても治療を要する病気で、進行を穏やかにし日々の苦痛を和らげる治療法はあります。現実は透析を導入しない患者の多くは、医療から見放されてしまいます。

なぜ透析患者(腎不全患者)には十分な緩和ケアの体制が取られないのか、その理由のひとつに診療報酬の問題があります。緩和ケアの保険適用の対象が、ガン患者(およびAIDS患者、重度の心不全)に限定されているからです。

かつて日本の緩和ケアは諸外国に比べて大きく後れを取っていました。限られた医療資源はまず、国民の2人に1人が罹るといわれた国民病・ガンに投入されました。

2006年ガン対策基本法が成立し、ガンによる死亡者の減少に加えて、全てのガン患者およびその家族の苦痛の軽減並びに医療生活の質の維持向上という項目が追加されました。

家族も第二の患者としてケアの対象とし、ホスピスの整備、緩和ケアチームの設置、専門医の育成、グリーフケアまで一貫した体制が整えられました。

さらに診療報酬改定のたびに加点がなされ、2010年にはガン患者カウンセリング料を新設し、外来で治療を始める前の相談の段階から診療報酬が支払われるという手厚い体制が取られました。

近年ではガンと診断されたときから緩和ケアを取り込んでいく方針も広がり、ガン患者に対する緩和ケアは年々充実が図られています。以上のようにガンに特化した緩和ケアの問題があるだけではなく、2040年問題というのもあるようです。

やはり最後はガンになって、緩和ケアを受けながら穏やかに死んでいくのが良いのかもしれません。

少し気にしながらの定例囲碁会

2024-12-18 10:31:29 | 文化
このところ中断していた囲碁会が開催されました。半月ほど前微熱と体調不良を感じてクリニックに行ったところ、コロナでもインフルエンザでもないが軽い肺炎になっていると診断されました。

その折苦しいようだったら自宅で酸素吸入をしたらどうかといわれましたが、かなり行動が制限されそうなので行わず自宅療養することにしました。処方された抗生物質ですぐ熱は下がったのですが、どうも肺機能がなかなか回復しませんでした。

激しい運動をしなくても息苦しくなり、少し速足で歩く程度でも苦しくなりました。普段夕食時にはビールを飲んでいましたが、そのあとかなり息苦しくなるため止めていました。それでも最近は風呂上りに若干ウイスキーを飲んでも大丈夫になりましたので、回復はしているようです。

それでも若干不安があったため、吸入用の酸素を持って出かけました。駅からかなり階段を上って駅前広場に出た時、やはりやや息苦しくなりましたので少し休んでいたところ、Sさんが見え私の肺機能の話などしてから碁会所に向かいました。

碁会所の入り口で幹事のISさんとIKさんも見え、ちょうど良いタイミングで全員そろいました。私とSさんは喫煙所で一服するという事で、先にISさんたちに打ち始めてもらいました。現在は喫煙できる場所が本当に少なく、碁会所の喫煙室は本当に貴重な場所といえます。

すぐに私とSさんも始めましたが、手合いはSさんが2子置いて打つとなっていますが、二人にそれほどの差はなくかなり厳しい碁となります。少し打ってから気が付いたのですが、Sさんは非常に打つ手が早いのです。

これは皆同じようですが、相手が早いとつられて早打ちになってしまうようです。その後少し考えて打つようにしましたが、やはり早打ちになり私が若干悪いかというところで終盤になりました。数えたところSさんの4目勝ちとなりました。

結局Sさんの2子のメリットを覆すことができなかった碁といえそうです。その後ISさんとIKさんと対局しましたが、ともに中盤で私に大きなミスが出て大石を取られてしまい投了するという碁になりました。この辺りはどうも実践の経験不足なのかもしれません。

結局3連敗になってしまいましたが、久しぶりの囲碁を楽しむことはできました。その後いつものように居酒屋に行きましたが、皆にゆっくり歩くようにお願いしましたので、特に問題なくいくことができました。

ISさんが薬を飲んでいるという事で、ノンアルコールビールでしたので、私も念のため同じにしました。昔ばなしが多いのですが、2時間ほどの楽しい時間を過ごせました。

帰りも特に問題ありませんでしたので、少しは回復しているような気もします。

膵臓ガンの難しい早期発見に光明

2024-12-17 10:31:48 | 健康・医療
昨日それほど気分が悪いという程ではないのですが、何となく熱っぽい感じがしていました。そのまま夕食を摂ったのですが、まるで食欲がなく半分も食べられませんでした。

その時右下腹が痛くなるという症状が出たのですが、すぐに痛みが消えるものの何回か出てきました。その時熱を測ったのですが、37.8℃と微熱よりは高い感じでした。結局何もせずにそのまま寝てしまったのですが、時々右下腹が痛くなるという症状は続いていました。

今朝は一時間ほど遅く起き、朝食を摂ってからブログの更新をしてまた寝てしまいました。現在は昼のおかゆを食べてからこの入力をしていますが、気分はよく下腹の痛みも出ていません。熱も36.6℃ですので問題はなさそうですが早めの対応という事で、夕方クリニックに行くつもりです。

さて膵臓ガンはガンの中で発見が遅れがちとされ、進行が速く症状がはっきり表れた時点ではかなり進行していることも多いようです。

慶応大学などの研究グループは、尿中に含まれるマイクロRNAをAIを用いて解析し、これまでの検査より高精度に膵臓ガンを早期に検出できる方法を開発しました。このマイクロRNAによるガン診断は以前も取りあげたことがありますが、膵臓ガンの診断法がほぼ確立できたようです。

日本の部位別のガン死亡数では、膵臓ガンは年間で男性1万9200人(ガン全体の8%)、女性1万9700人(12%)が亡くなっています。膵臓ガンは自覚症状を感じにくく、腹部の深いところにあるため画像検査や腫瘍マーカーなどでは早期の発見がしにくくなっています。

膵臓ガンの5年生存率を他のガンと比較すると、圧倒的に低くステージが進行するにつれて生存率が著しく低下するのも特徴です。膵臓ガンから出るマイクロRNAをバイオマーカーにする技術が最近になって研究され始め、膵臓ガンの早期の発見に有効な指標になるとされてきました。

こうしたマイクロRNAは主に血液中から検出することが多かったのですが、今回慶応大学などの研究グループは尿からマイクロRNAを検出し、膵臓ガンを早期に発見する方法を開発しました。血液と比べ尿にに含まれるマイクロRNAはごく微量です。

研究グループは尿に含まれるエクソソームを濃縮し、そこからマイクロRNAを効率的に分離、検出し、得たデータを用いて機械学習させるアルゴリズムを開発しました。

研究グループは多施設の膵臓ガン患者153名、健常者309名からの尿のサンプルを解析し、膵臓ガンの特異度は92.9%、早期ステージであるⅠ/ⅡAの感度は92.9%、全体の感度は88.2%と優れた検出性能を示しました。

この詳細は省略しますが、膵臓ガンの早期発見が可能になれば生存率などの向上も見込まれ、早い実用化を願っています。

50代からの自律神経の衰えを改善

2024-12-16 10:32:46 | 健康・医療
私は中学生か高校生のころ自律神経失調症になったことがあります。どんな症状だったかはよく覚えていませんが、何となく調子が悪くバスに乗ったりできなくなったような気がします。

そのころはたぶん精神安定剤が手放せないような状況だった気がしています。これは半世紀以上前ですので、自律神経に関してもあまり分かっていなかったのかもしれません。

現在は自律神経の研究も進み、たとえば見た目年齢の違いには自律神経が関わっているとされています。ひとの体には自分の意思で動かせる部分と動かせない部分があります。自律神経とはまさに自分の意思ではコントロールできない心臓や血液の流れなどを司る神経のことをいいます。

呼吸する、食べ物を消化する、暑い時には汗を出し、寒い時には身体をふるえさせて体温を調節する、こうした生命活動はすべて、自分の意思とは関係なく自律神経の働きによって行われています。

自律神経は体を活動モードにする交感神経と、休息モードにする副交感神経で成り立っています。健康な人なら日中は交感神経が優位になってアクティブな状態になり、夜には副交感神経が優位になりぐっすり眠れるようなリズムができています。

自律神経が整っていれば、全身37兆個の細胞にきちんと酸素や栄養が行きわたり、肌や髪の状態も良くなるでしょう。胃腸を始めとした臓器がしっかりと働くので、疲労も回復しやすくなります。

さらに交感神経と副交感神経、この二つの自律神経のバランスが整うことで、活動と休息のメリハリのある毎日を送れるようになります。そのカギを握っているのが毎日の「習慣」なのです。一方で自律神経は老化していくことも事実です。

男性は30代以降、女性は40代以降に副交感神経が十年で15%ずつ低下し、自律神経のトータルパワーが低下していきます。老化を自律神経の視点から読み解くのはまだ一般的ではないかもしれませんが、自律神経こそ「老化」に大きく影響しており、この男女の十年の差こそ、そのまま平均寿命に繋がっているという説もあるようです。

トータルパワーとは、自律神経全体の活動量を示す総合力のことで、体の疲労度を示す指標としても用いられます。それが50代になると、20代の3分の1ほどになってしまうのです。歳をとるにつれて疲れやすくなるのは数字のうえでも当たり前といえるわけです。

具体的にできることは、自律神経が整う「習慣」を取り入れることです。ここでは具体的にどんな習慣が良いのか明示していませんが、たぶん聞き飽きたような、運動、食事、睡眠のような気がします。

私はもう十分自律神経が衰えているはずですが、それほど不調を感じませんのでここでいう習慣が良いのかもしれません。