ごっとさんのブログ

病気を治すのは薬ではなく自分自身
  
   薬と猫と時々時事

臓器の再生など寿命を延ばす期待の新技術

2023-04-25 10:35:29 | 健康・医療
加齢はもちろんですがそれ以外でも色々な臓器の機能が衰えることがあります。残念ながら現在の医療では、この衰えた臓器を治すような薬は存在していません。

腎臓がそのよい例で、腎不全になってしまうと機能回復はできず透析に頼ることになります。しかし最近の医療の進歩は目覚ましく、ナノロボットや臓器の再生などが進んでいますので、そういった話題を紹介します。

ハーバード大学では、膝の前十字靭帯(ACL)を自己修復させる技術を開発しています。他人や動物の部分を腱で置き換えるACL再建術に代わる手法です。この方法では患者の血液と成長因子、そして再活性化した幹細胞を含ませた砂時計型のスポンジを患部に挿入します。

すると十字靱帯が再生して切れた2つの部分をつないでくれるので、他の組織を移植する必要がなくなります。期待される効果は、運動機能の改善だけにとどまらず、現在のACL再建術では後遺症として関節炎を発症することが多いのですが、それが減ることも期待されています。

クリープランドクリニックの研究者たちは、完全な心臓を人工的に再生するという、長寿の実現に向けた決め手とされる技術にも近づいています。

この種の試みの一端として、3Dプリンターで臓器を作る研究がすでに行われており、実際の組織と同じように機能する仕組みを持った素材が作られています。例えば肺のような組織は、実際の肺と同じように新型コロナ感染症も再現できるので、治療法や抗ウイルス薬の研究に活用できます。

オーストラリアの企業が、人間の皮膚の細胞をプリントできるロボットを開発しました。これを使えばケガや火傷による皮膚の損傷を本人の細胞で修復できる可能性があります。臓器や身体の部位を再生させたり、体の機能を操作できるようにもなりそうです。

韓国では回虫の細胞を使って、タンパク質の活動を変化させる抗加齢薬の試験が行われています。この薬は細胞のエネルギーが不足してきたときに、糖をエネルギーに変えるよう体に伝えます。実際にこの薬で回虫の寿命が延びたことが示されています。

技術の進歩が長寿に役立つ好例が心臓弁です。心臓弁の交換には開胸手術が必要で、心臓を止めてポンプで血液を循環させなければならないため、大きなリスクが伴いました。

現在では血管にカテーテルを通して人工弁を送り込み弁を交換する、体への負担がより少ない手術が可能となっています。もちろん心臓の手術であるため手軽なものではないのですが、この手法だと回復期間がずっと短くなります。

こういった最新技術で私が長生きできるという事はないのですが、徐々に実用化に向かっていることは確かなようです。今後どう進展するのか期待を持って見守りたいと思っています。

急増している「老衰死」正しい統計でより増加も

2023-04-24 10:38:10 | 自然
誰しも死ぬときは「ピンピンコロリ」か自然の「老衰死」を望んでいるのではないでしょうか。

知人から聞いた話ですが、ある発作を起こし意識がなくなり自発呼吸もなくなった老人を、人工呼吸器などで維持し、結局意識も戻らないまま1年半後に看取ったそうです。この1年半は何だったのか、ある意味虐待に近いような気がします。

一方最近は老衰で死亡する人が増加し、死亡原因の3位にまでなったと報道されています。老衰とは広辞苑によると「老いて心身の衰えること」となっています。

また厚生労働省の医師向けの死亡診断書記入マニュアルでは、老衰死を「高齢者で多に記載すべき死亡原因がない、いわゆる自然死の場合」と定義しています。従って老衰は病名ではなく、心身の細胞が衰弱して生命が尽きるわけです。

この場合脳内モルヒネといわれるβエンドルフィンとケトン体が出てきて、鎮静・陶酔効果を発揮し枯れるように穏やかに亡くなるとされています。

一方「死を一刻でも遅らせるのが医療の使命」と大学で教え込まれ、延命治療に邁進する医師は多く、死の絶対拒否は信仰に近いとも言えます。

それでも時代の流れは老衰死(自然死)に向かいつつあるようで、死亡原因の推移を見ると、2007年を底に老衰死の近年の急増ぶりが目を引きます。老衰死は2000年には2万1200人と全体の2.2%で第7位だったものが、15年には第5位に、2019年には15万2000人と10.6%で第3位にまで上昇しています。

これは老衰死が増加しているというよりは、医師や家族の意識が変化し延命治療よりも自然死を選択する日本人が増えてきたといえるでしょう。

実際看取りに立ち会う医師の多くから「病名よりも大往生とされる方が遺族に受け入れられるようになった。昔は病名にこだわっていたのに一変した」という声が聞かれるようです。こうした要因が重なり老衰死が増えています。

しかしWHO(世界保健機構)の規則などは、死因統計から老衰を排除しようという意図があるように見えます。つまり死因を調べる目的は死亡を防ぐためであり、そこへ疾病ではない「老衰」が入って来るのは意に反する迷惑なこととなるわけです。

日本もこれに準拠していますので、例えば死亡診断書に「老衰(誤嚥性肺炎)」と記載されると、誤嚥性肺炎が死因となってしまうようです。つまり医師が老衰と判断しても、可能性のある疾患を併記すると死因はその疾患として処理されるという事が、現在でも行われているようです。

このように死因の統計はある意味歪められてきたといえるようですが、近年老衰死が増加してきたという事は良い傾向といえます。

私の母も明らかに老衰でしたが、死因は「肺炎」となっており特に異論は出しませんでしたが、正しい統計という点では正すべきだったと考えています。

パーキンソン病の根本原因の一端を解明

2023-04-23 10:33:07 | 健康・医療
全身の震えや手足がうまく動かせなくなるなどの症状が出るパーキンソン病については、もう半世紀も前のことですが、私が入社して最初のテーマでした。

当時の情報としては、パーキンソン病は神経伝達物質であるドーパミンが不足することが原因であるとされていました。しかしこのドーパミンを投与しても、脳血管関門を通過せず脳内に入れることはできませんでした。

そこで類似物質であるDOPAが脳内に入り、ドーパミンに変換されることが分かりDOPAの生産法が課題となっていました。

この方法として微生物での発酵生産と、フェニルアラニンからの酵素法での変換が検討されていました。私はこの酵素の研究室に配属されたのですが、この変換酵素がソラマメの鞘の部分に含まれていることが分かりました。

そこでソラマメを大量に購入し、鞘から酵素の抽出などを行いました。実の部分は不要なのですが、捨てるのももったいないと大量にゆでて、休み時間などよく食べていました。

私はその後すぐに大学に派遣されましたので、詳細は分かりませんが、結果的には発酵法が成功し数年後、世界で初めてパーキンソン病の特効薬としてDOPAが発売されています。

さて大阪大学の研究チームが、パーキンソン病の原因物質が脳内に溜まる仕組みを解明したと発表しました。患者の脳内ではもともと存在するタンパク質の「シヌクレイン」が異常な構造に変化し、それが複数集まった凝集体が神経細胞を痛めるといわれています。

研究チームは「脂質がシヌクレインの凝集のカギを握る」という過去の研究成果に着目しました。細胞内に存在する主な脂質約30種について調べたところ、「PIP3」という脂質がシヌクレインと強く結びつくことが判明しました。

次にPIP3をシヌクレインと混ぜたところ、患者の脳内にある異常なタンパク質の凝集体と形や性質が似た構造の物ができました。また培養した神経細胞などを使って調べたところ、シヌクレインはPIP3に反応して凝集体になることも確認しました。

患者の脳内では、PIP3を分解する酵素が何らかの原因で減るため、PIP3が過剰になっていると考えられます。

パーキンソン病の治療は、神経細胞が傷んで情報伝達物質が滞るため、ドーパミンを補充する対症療法が主となっています。研究チームは、PIP3の過剰な発生やシヌクレインとの結合を抑える薬剤が開発されれば、発症を妨げる可能性があるとしています。

このように新たな原因物質が明らかになりましたが、なぜ脂質であるPIP3が過剰になるのかなど、まだ課題は多いような気がします。

「ガンが消える」という稀に起きる「自然退縮」

2023-04-22 10:31:37 | 健康・医療
このブログでは「ガン」の話題をよく取り上げますが、ガンは標準治療によってかなりの確率で治癒できるようになってきました。

ちまたでは各種ガンの標準治療以外に「ガンが消える」と称する食事法や治療法が数多くあります。さまざまな方法でガンが消えたと、WEBサイトや書籍、雑誌、書品の通販ページなどにかかれています。

しかしガンが消えたとする体験談を詳しく検討すると、併用していた標準医療が効いたと考えられたり、もともとのガンという診断が疑わしかったり、ガンが消えたとする根拠が不明確だったり、ひどい場合は最初から捏造だったりすることさえあるようです。

それでも「自然退縮」といって、特に治療していないのにガンが小さくなったり消えてしまうことはあるようです。おおむね数万人に1人のガンが自然退縮するとされており、極めて稀で正確な数字は分かっていません。

実際のところガンの自然退縮は古くから研究されてきました。自然退縮を利用した治療法としては、19世紀末の「コーリーの毒」がよく知られています。

当時からガンの自然退縮は細菌感染後に起きやすいことが知られていました。皮膚の感染症である「丹毒」により高熱に苦しめられたのちに悪性腫瘍が消えた症例を発見し、患部にわざと細菌を感染させて丹毒を起こし、ガンを自然退縮させようとしました。

19世紀末にはまだ抗菌薬が発明されていませんので、生きた細菌を使うのは大変危険でした。そこで生きた細菌を使うのではなく、細菌を加熱殺菌した抽出液を治療に使い、これが「コーリーの毒」と呼ばれたのです。

しかしこの方法は不安定で用量用法が定まらず、普及しませんでした。以降自然退縮を利用した治療法の研究は下火になりましたが、自然退縮の症例報告は続いています。

最近の症例としては、新型コロナワクチン接種後に転移性唾液腺ガンが自然退縮したという報告があります。その患者はモデルナ製の2回目のワクチン接種を受け、発熱や倦怠感といった激しい副作用が出ました。

その後予定されていたガン治療の直前に受けたCT検査で肺の転移巣が縮小していることが分かり、治療は中止されたそうです。その後のフォローアップでも治療をしていないにもかかわらず転移巣は縮小を続け、ガン組織には免疫細胞が多く観察されました。

ここではワクチンによって刺激された免疫系がガン細胞を攻撃したという仮説を提示しています。ガンの自然退縮のメカニズムは複雑でまだ解明できていませんが、少なくともその一部に免疫が関係していることは確かです。

このように100年以上前から知られているガンの自然退縮ですが、ガンになった場合自然退縮を期待するのは無理としても、この現象の解明にはもう少し真剣に取り組んでほしいと感じています。

最近話題のChatGPTと麻雀必勝法

2023-04-21 10:36:40 | その他
最近ChatGPTがいろいろ話題となっていますので、私も登録して使ってみました。

登録はやや面倒でしたが、登録してしまえばあとは簡単な操作で無料で使えますので非常に便利なもので、暇つぶし以上の価値がありました。色々な質問をしてみたのですが、若干教科書的な回答が多いのは当然かもしれません。

ここのホストコンピューターは2021年までのデータが基本のようで、最新情報を取ることはできないようです。まだ使い始めて日が浅いので、これから有効な使い方を試してみるつもりです。

専門性については、有機化学の分野の構造化学の質問をしてみましたが、驚くような専門性の高い回答が返ってきました。これならば大学生のレポートなど完璧に近いものができそうで、ある意味問題かもしれません。

せっかくなので私の「麻雀で常に勝つ方法は」という質問に対するChatGPTの回答を掲載します。

『麻雀で常に勝つ方法はありません。麻雀は運と戦略の要素があり、完全にコントロールすることはできません。しかし、以下のような一般的な勝利戦略があります。

1. 自分の手牌をよく見る:麻雀は自分の手牌と相手の捨て牌をよく見ることが重要です。自分の手牌を十分に理解し、次にどの牌を切るかを計画することが必要です。

2. 役満を狙わない:役満は高得点ですが、手役や面子を完成させることができない場合、役満を狙って手牌を変えることは得策ではありません。

3. 食い下がりをする:相手の手牌が明らかになっている場合、相手が欲しがる牌を切らないようにすることが重要です。相手が求めている牌を切ることで、自分の手牌を損なうことになります。

4. テンパイを作る:テンパイとは、あと一枚の牌で和了れる状態を指します。テンパイになることができるように、相手の捨て牌をよく見て、自分が求めている牌を取りに行くことが必要です。

5. 相手の手牌を想像する:相手の捨て牌や鳴きを見て、相手の手牌を想像することが重要です。相手が待っている牌を切らないようにすることで、自分の勝率を上げることができます。

以上の勝利戦略を覚えておくことで、麻雀でより勝率を上げることができます。しかし、麻雀は運要素が大きいゲームであるため、勝つことができない場合もあります。』


いかがでしょうか。なかなか良い戦略のような気がしますが、しいて上げれば「自分の手牌をみて上がり役を想定する」というのが加わればかなり勝てそうな気がします。

こういった遊びも含めて、このChatGPTの面白い使い方を試してみるつもりです。
なお「プーチンを誰が殺すのか」という質問については、「私は暴力や違法な手段を支持することはできません」という回答でした。