京都で多く見かける「平安鍾馗(へいあんしょうき)」
鍾馗は黒冠をかむり、目をむいて立派な髭(ひげ)をたくわえて
袍(ほう)を着て、長靴をはいて、右手に剣を持っています。
京都にはお寺が多くて、その屋根には邪気が入らないようにと立派な
「鬼瓦」 があります。その 「鬼瓦」 によって出てきた邪気を追い払うため
庶民の家では鬼をも倒すという 「鍾馗さん」を 屋根に飾ったそうです。
鍾馗さんは、基本的に玄関口の大屋根や小屋根の軒先の上に
置かれていますが、その置き方にもひと工夫されているそうです。
もし、向かいの家に鬼瓦がある場合には、鍾馗さんを正面から
睨み合うようにして置かれています。 それは隣家の鬼瓦によって
除けられた災いが自分の家にかからないようにしているからです。
お向かいの家にも鐘馗さんが置かれている場合にはお互いが
睨み合うことのないよう、目線をはずして置かれているそうです。
それはご近所と円滑な人間関係を保つための気配りからでした。
京都へ行かれた時は、鍾馗さんも忘れずに見てきて下さい。