喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

大切な人に贈りたい物語1 ~二人~

2010-06-01 | ブログ
 社員の7割が障害者という会社の物語。
それは、日本理化学工業というチョークを作っている会社です。
あるできごとがきっかけで、50年前から障害者が採用されています。

 50年前、養護学校の先生が会社を訪ねてきました。
障害を持っている二人の女の子を社員として採用してほしいというお願いでした。

 社長さんは何度も断るのですが、先生は何度もお願いに来て、
「就職が無理なら、せめてあの子たちに働く体験だけでもさせてあげてくれませんか?
そうでないと、この子たちは働く喜び、働く幸せを知らないまま、
施設で死ぬまで暮らすことになってしまいます。」
と頭を地面にこすりつけるようにお願いしました。

 社長さんは、先生の熱意に動かされて、
一週間だけ就業体験をさせてあげることにしました。

 それが終わる前日のことです。
10数人の社員が社長さんを取り囲んで、
「どうか、あの二人を採用してほしい」
と頼みこみます。
二人の勤務態度に心を打たれたからでした。

 二人は毎日、会社が始まる1時間前には玄関に来て待っていて、
10時の休み時間、お昼休み、3時の休み時間にも、
手を休めないで仕事に没頭していたそうです。
 毎日、背中をたたいて、
「もう今日は終わりだよ」
と言われるまで、一心不乱に働いていました。
本当に幸せそうな顔をして、一生懸命に仕事をしていたそうです。

 社長さんは、二人を採用します。
これが障害者を採用し始めたきっかけだそうです。

 何のために仕事をしているのか、考えさせられました。
仕事は生活のためには必要ですが、仕事が楽しくなかったら、
大切な人生の大切な時間を無駄にすることになります。
 働けることに感謝することができれば、
どんな仕事も楽しくなると思います。
                   
               (大切な人に贈りたい24の物語より)