喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

父の日 ~ 旅立ち 父の言葉 ~

2010-06-20 | ブログ
 19歳の春4月、ふるさとからの旅立ちの日がやってきました。
 
 フェリーの時間に合わせ、真夜中の12時ころ。
荷作りを終えていた2トントラックに乗りこみます。
とても星のきれいな夜でした。
「福岡では、こんなきれいな星も見られんな~」
 
 旅立ちは、希望と寂しさが入りまじるものですが、
さすがにこの時は、センチメンタルな気持ちばかりでした。

 祖母、母、弟、妹の顔が暗闇の中に、
うっすらと見えました。
 そして祖母がトラックにすり寄り、
「兄ちゃん、元気での~。がんばれよ~。」
と手を振ってくれました。

 私は、涙こそ見せられませんでしたが、
目にいっぱい涙をためていました。
 
 田舎で生まれた多くの人が、1度はあじわう想い。
だからこそ、ふるさとや家族がよけいに大切に思えるのです。

 トラックがいよいよ動き始めました。
その時、父が言ってくれた一言。
「今日のことを、一生忘れるなよ。」

 私は、うつむいたまま、返事にならない返事をしたような気がします。

 あれから、23年が経ちました。
今でもこうして、覚えています。

 今日は、父の日。
昨日、家族で買ったものを届けに行きたいと思います。